収集癖は無い方だと思っている。
唯一あるとしたら、これぐらいか。
酒器である。
といって、
びっくりするような高価なものは一つもない。
数千円から、高いものでせいぜい3万ぐらいまでである。
使うのが躊躇われるようなものは、意味がないではないか。
毎日使ってこその器である。
なんて、
貧乏性なだけで、高いのが買えないだけであるが。
元旦などは、
輪島で買ってきた輪島塗の盃にするか、奮発して買った源右衛門のこれにするか、眉間にしわを寄せてしばらく迷っていた。
だって、特別な日なのだ。
しかたなかろう。
まあ、正月に限った事ではないが。
これらはすべて源右衛門だ。
後方はビール杯。前方は焼酎杯だ。
それぞれ、泡の出かたが細かくなる様に、あるいは、熱対流がしやすい様にと工夫されている。
せんだっての地震で、お気に入りのいくつかが、破損してしまったのが返す返すも悔やまれてならぬ。
友人から貰った漆塗りの器も手に馴染んできた。
切子も大好きである。
ほんの少しばかり、奮発して買った器にその日の酒を注ぐ。
安酒でも、3割増ぐらいは美味しくなるってもんだ。
晩酌の時間になると、戸棚の前で、
今日は焼酎だよな・・・
てことは、源右衛門の青でいくか。
あ、
意表をついて、この漆器でもいいかな。
こんな些細なことでわくわくしている。