暇である。
のべつ幕なし暇である。
なのに、嫌みのように天気がいい。
こんな時は、阿蘇がどうにかしてくれる。
「あれって、ぼちぼち咲いとらんじゃろか?」
「さー、どうやろか。」
てな訳で、こんな所に来た。
「ぼちぼち咲いとらんじゃろか」と言うお目当ては・・・
そう、スズランである。
「さすがに少し早かったか。蕾が多いな。」
「まあ、でもそこそこ出てるよ。」
葉陰に連なる白く清けき鈴。
そんな折り、役場の広報か報道関係か知らないが、一人のカメラマンから、
「すみませーん、後ろから足だけ撮らせて貰っていいですか?」
「あ、足?構わんけど。」
「どうぞ、気にしないで、観察を続けられて下さい。」
足ねえ。
足しか採用されない私達とは、一体・・・
例年だと、僅かに残るだけのサクラソウだが、
訪れるのが早かったせいで、あちこちで群落が見られた。
カノコソウ
オカオグルマ
ツクシシオガマ
ヒトリシズカ
グルリとひと廻りしたら、次の場所へ移動だ。
続く