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Tシャツとサンダルの候

御前そばに舌鼓

相模原に長兄がいる。

今年76歳を迎えたこの兄は、つい最近まで、東芝に席を置いていた。

実に、50数年の長きにわたり、東芝一筋で働いてきた。

怠け者の私とは、同じ兄弟とは言え、えらい違いである。

そんな兄もこのたび、ようやく東芝からの卒業を迎えた。



先日、退職記念でもなかろうが、久しぶりに夫婦で、我が家に遊びにやって来た。

居間に座るなり、バッグから日本酒を引っ張り出し、


「廣、美味い酒持ってきたぞ。なんか器出して。」(兄)

「今から!?」(私)


わ、わかった。受けて立とうじゃないか。

積もる話は後回し。

明るいうちから宴会突入である。


「グビ お、こん酒は凄い!」(私)

「そうじゃろ。中々手に入らんとよ。」(兄)


今更書く必要はないと思うが、、、、痛飲した。




翌日、

二人は、義姉の実家に行くとのこと。


「そんなら、送りがてら、蕎麦でも食べに行こうか。」(私)

「いいねえ。」(兄夫婦)


やってきたのは、いつもの『筍』。



久留米では珍しく、御前そばを出してくれる店である。




「お待たせしました。」


蕎麦の実の芯だけを贅沢に使った、純白の麺が目の前に置かれた。









そんじゃ、頂くとするか。




ズルズルズル


強いコシと、ツルリとしたのど越しが堪らない。


そして、後を追いかけるように、プリプリの海老をガブ。


「うん、美味い。」(兄)

「おいしかあ。」(義姉)

「まあまあじゃろ。」(私)



兄夫婦も私達も、いつのまにか年老いた。

この先何回、こんな機会を得られるだろう。

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