我が家の宗派は、浄土真宗大谷派である。
ご多分に漏れず、名ばかりの真宗門徒で、普段の信仰心など、皆無と言っていい。
そんな我が家でも、お盆の時期は、それなりに抹香臭くなる。
12日は浮羽町の菩提寺から坊主がやって来た。
お経を唱えるその後ろで、欠伸を堪えつつ、頭を垂れる。
13日は柳川の叔母の初盆だ。
チーンと鐘を鳴らし、神妙な顔をして手を合わせ、世間話などをして帰る。
そして14日は、
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帰省中の娘を連れて、江島家の墓参りである。
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墓所は久留米市内の霊園にある。
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真夏の日差しが照りつける中、数珠を手に持ち、
南無・・・
「そんじゃ、昼飯ば食いに行くか。」
ブイーーーン
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小城の清水、
鯉料理専門店が集まる一角に到着。
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清水の滝の清流が流れ込む生簀。
ここで鯉たちは、数週間、餌も与えられずに晒される。
「ごめん下さーい。予約していた江島です。」
「はーい、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
部屋に通され、待つ事しばし。
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「鯉の洗いです。」
しめられたばかりの鯉の洗いの上には、どっさりの氷。
これが小城のスタイルである。
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この透明感。
私がこれまで口にした魚の中で、もっとも癖がなく淡泊な味と言っていい。
新鮮そのものの切り身は、噛み応えも十分。
私は鯉の洗いなら、無限に食べ続ける自信がある。
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もう一つの小城の特長は、洗いの下に千切りキャベツが敷かれていることだ。
「この組み合わせを発明した人は天才よね。」(家内)
「大根のツマより、鯉の洗いは絶対こっちよ。」(娘)
「んだ。異論なし。相性ピッタリや。」(私)
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運転は娘がしてくれる。
当然、こういう特典がつく。
ウフ💖
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「鯉こくでーす。」
ほい、待ってました。
モグモグ
ズズズー
ゴクリ
「あー、美味しかった!」(一同)
さて、この後どうすんべ。
家に帰るには、まだ早いし、
「もうすぐ、大刀洗の今村教会の耐震補強工事が始まるけん、今のうちに見学に行こうか。あんた、何年も見とらんやろ。」(私)
「鉄川与助が作ったあの教会ね。行く!」(娘)
数珠を握りしめた仏教徒達。
不埒にもカトリック教会見学となった次第である。
ブイーーーン