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Tシャツとサンダルの候

藤井聡太トークライブ


プルルルルー



携帯が鳴った。


「江島さんの携帯でしょうか?」

「そうですけど。」

「私、西日本新聞社の者ですが、この度ご応募頂いた・・・」


毎年この時期、九州で開催される将棋のタイトル王位戦。

その大盤解説会に、私が知らぬ間に家内が応募してくれていて、実はそれが当選していたのだ。


「それがですねえ。挑戦者の豊島九段がコロナに感染してしまいまして。」

「あんりまあ!」

「それで、大盤解説会が中止になり、急遽、藤井王位のトークライブに変更になったんですよ。もしそれでよければ、是非お越し頂きたくて。」

「お、お越し致します!」



当日。

定刻一時間前に到着。

一番乗りかと思いきや、

すでに200人越えの長蛇の列である。



聞くところによると大盤解説会は、応募者数千人中の300人の狭き門だったとか。

家内のくじ運の強さに驚嘆すると共に、この場を借りて、


でかした


と、感謝の意を表しておく。



ステージ上には、開催地嬉野市と協賛企業のパネルと共に、対局者に提供される予定だったオヤツの紹介も。

近年の将棋ブームは、藤井聡太の人気もさることながら、

対局者の食事やオヤツの紹介も、その一端を担っていると言えるだろう。



茶処嬉野らしく、お茶を使ったスイーツや、




藤井王位が選んでくれそうな、変わり種のネーミングも。




私ども出席者には、有り難くも、王位戦スポンサーの伊藤園から《おーいお茶》が無料で提供された。




主催の西日本新聞、嬉野市長、そして、将棋連盟会長佐藤康光の挨拶が始まる。




10台近いテレビカメラ。




壇上にトークライブのメンバーが登場。

いよいよトークライブの始まりだ。

こちらは司会進行を務める豊川孝弘七段。

得意のオヤジギャグも舌好調である。



対局では、立会人を務める予定だった中田功八段。

福岡出身だ。



武富礼衣女流初段

中田功八段門下、地元佐賀出身の女流棋士だ。

加齢臭漂う会場の中で、一服の清涼剤である。



最後に、藤井聡太王位の登場だ。

上体を90度にキチンと折り曲げ、5秒以上も深々とお辞儀。

誠実さと行儀の良さが伝わる瞬間である。



壇上4人でのトークライブが始まった。




後頭部の隙間から見る藤井聡太。







「二十歳になって、お酒の初手は何でしたか?」(豊川七段)

「梅酒ですね。甘くて美味しかったです。」(藤井王位)

「じゃあ、2手目は?」(豊川七段)

「日本酒です。辛くてビックリしました。」(藤井王位)


会場爆笑



出席者からも質問が。




「そう・・ですね・・・・・うーん・・・・」


どんな質問にも、言葉を探しながら誠実に答える藤井王位。

決して反射で物を言わない。

時には、次の言葉が出るまで、10秒以上考え込む事も。

この若さで失言が皆無なのがよくわかる。

どこかの政治家も、この若者の爪の垢を煎じて飲めばいい。



とは言え、真面目一方でも無く、笑いを誘うユーモアセンスもある。




トークライブの途中、嬉野茶の宣伝を兼ねてティーブレイク。




ちゃんと手を添えて飲むこの行儀の良さはどうだ。


「どうですか?嬉野茶は。」

「あ、はい。お茶の香りが高く、とても美味しいです。」


社交辞令も完璧なのだ。



嬉野市長登壇。

去年の王位戦も、ここ嬉野で開催だったが、豪雨により中止。

今年はコロナでまたしても中止と、嬉野にとって、王位戦はどうにもつきがない。

嬉野市の宣伝にも熱が入ろうというものだ。



最後に花束と、




記念品の贈呈。



百年に一人の将棋の才と、誠実な人柄、育ちの良さ、ルックス etc。


天はこの若者に、二物どころか、3~4物を与えてしまったらしい。
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