今日も青く澄み渡る秋晴れだ。
朝から高良山か明星山でも、ちょいと登りたい所だが、生憎今日は、病院に出掛けねばならぬ。
病院は５km程離れた場所にある。
丁度いい距離だ。歩いて行くか。
メタセコイヤの巨木が並ぶ近所の公園。
まだまだ、色付きには程遠そうだ。
３号線を渡ると諏訪神社がある。
私どもが住んでいる町名の諏訪野町は、当然この神社に由来する。
更に行く。
野中町を越え、322号線を渡ると、
五穀神社に行きつく。
この付近にある古いお好み焼き屋を見て、私が妙に惹かれたという事を、取り敢えず覚えておいてもらいたい。
ここの紅葉も、もう少し先のようだ。
五穀神社を過ぎると、陸上競技場や体育館、青少年科学館などが立ち並ぶ、所謂箱物、、、じゃなくて総合運動＆文化施設とでも言うべきゾーンになる。
それにしても行政って、なんで観覧車がこんなに好きなんだろ。
数年で、巨大なオブジェになるって、相場は決まっているのにね。
筑後川を渡る。
筑後川を渡った先には宮の陣神社。
大保原合戦の折、懐良親王がここに大本営を置いた。
と、のんびり歩いて行くと、いつのまにやら病院に着いた。
病院での詳細は、ここでは省く。
とにかく待たされた。
なにしろ、10時に受付をして、検査が終わったのは1時30分過ぎである。
腹が減った。
孤独のグルメのゴローの言葉を借りれば、
胃袋が暴動を起こしそうだ。
家内は今日は家にはいない。最初から外食の予定だ。
一応、洋食系でとまでは、心に決めていた。
しかし、ここに来る時に見た、先程の五穀神社傍のお好み焼き屋が、妙に心に引っかかってきた。
相当古い店の筈だが、私としたことが、今まで行った事が無いのだ。
私に『初志貫徹』などと言う言葉は最初から無い。
決めた。
今日は、お好み焼きだ。
テクテクテク
・・・本日休業
フッ
こんな事ぐらいで気落ちするような、軟な私ではない。
他にも店はゴマンとあるのだ。
焦る必要はない。
更に歩く。
3号線に出るとインドカレーの文字が。
断然、カレーが食べたくなった。
猛烈な勢いで、店内に入る。
「イラッシャイマセー。」（インド人）
猛烈に・・・暑い！
何も店内環境までインドにする事は無かろう。
ここまで速足で歩いてきた私だ。既に大汗をかいている。
料理が届く前に、脱水症状に陥るのは明らかである。
胃袋は苦情を言い続けてはいるが、
「急用を思い出した。失礼！」（私）
「・・・・？」（インド人）
凄まじい形相で店を出る私。
更に歩く。
ほぼ自宅近くに来ていると言っていい。
あ、そうだ！
こんな時こそ、我らの味方、大衆食堂『ほてい食堂』があるじゃないか。
ズダダダ
もう駆け足と言っていい。
・・・神よ。
ここまでくると、昼飯難民としか言いようは無い。
自宅から3分のところにある総合文化施設エールピア。
・・・確か、喫茶スペースがあったはずだ。
そうだ、元々洋食系が今日の目標だったじゃないか。
フラフラと夢遊病者の如く自動ドアを入る。
喫茶店の洋食とくりゃナポリタンに決まってる。
「えーと、ナポリタン大盛で。」
「すみません。大盛はございません。」
「え？」
嫌な予感がした。
慌てて店内を見渡した。
厨房など無いのは明らかである。
まさか、カウンターの奥のあの電子レンジって・・・
私の絶望がお分かりいただけるであろうか。
チン
せめて、客の目の前でチンするのは止めろよ。
「お待たせしました。」
うん、全然待ってないよ。
無論、
論評などしない。
コロコロと目標を変えた成れの果ては、どうやらこうなるものらしい。
