アケボノツツジ咲く二上山から、少し時間を遡る。
五ヶ瀬方向へ向かう途中、
【天然記念物 池尻の唐傘松】
そんな文字が目に飛び込んできた。
「ふーん、唐傘か。どんな松じゃろか。」
「行ってみようよ。」
看板に導かれ、チョイと道草である。
しばらく細い道を進んでいくと、小高い丘にそれらしき姿が。
ははーん、なるほどね。
丘に登ると、短く刈り込まれた芝地に立つものは、まさしく巨大な唐傘である。
樹齢350年の赤松と書いてある。
盆栽の銘品を思わせる枝振り。
勿論、人の手は一切入っていない。
この後、前稿の二上山となる。
アケボノツツジとミツバツツジを楽しんで、次に向かった先は、
祇園の大ヒノキである。
最近、あるブログで知った巨木だ。
正しく『神の手』。
バンザイするオバサンと、大きさを比較して欲しい。
反対側から。
それにしても、どうしてこんな枝分かれをしたのだろう。
移動
次の目標地点に向かう途中、『大窪橋』という文字が飛び込んできた。
我ながら、よくもまあ色々と飛び込んでくる眼だ。
お陰で、またもや寄り道である。
国道から農道に入ってすぐに、小川に架かる、20m程の石橋が見えてきた。
砥用の惣庄屋篠原某が、嘉永二年に架橋云々と書かれている。
面白いのは、橋のたもとにある、
『車通る扁からず』と掘られた石柱だ。
車とは荷馬車の事だろうか?
どうにも惣庄屋は、橋の強度に自信が持てなかったらしい。
移動
今は廃線となった熊延線遺構。
軌道敷跡を200m程歩いて行くと、やがて奇妙な光景に行き当たる。
唐突だがここで、大昔のテレビ番組の記憶を引っ張り出したい。
かれこれ50年以上も前、NHKだったか、『タイムトンネル』と言うアメリカのSFドラマがあった。
細かなストーリーは思い出せないが、主人公らが時間移動をする際、無限に連なる輪の中に吸い込まれて・・・
そんな番組だった。
『ハイハイ、それ知ってる』
『見てた、見てた』
そんな方限定で問いかけたい。
似てね?
八角トンネル
迂闊に通り抜けたら、異世界の扉を開きそうである。
勿論用途は、崖崩れから線路を守るためだが、
何故、八角形なのか?
何故、隙間が空いているのか?
今となっては、良く分らないらしい。
八角トンネルの程近くに、二俣二橋という石橋がある。
二俣福良渡(左)と二俣橋(右)である。
架けられた場所が川の合流地点の為、それぞれのアーチが美しく湾曲して繋がっている。
こんな感じ。
石橋の下に降りてみよう。
大きく弧を描いているのが良く分る。
石橋の向こうには近代的な新年弥橋。
さらにその奥には、大正年間に架けられた年弥橋。
橋梁3段重ねである。
そして二俣福良渡の隣には、昭和初期に架けられた新二俣橋。
この狭いエリアに、江戸時代から現代まで、計5本の橋梁が集中する。
盆栽を思わせる一本松に、アケボノツツジの二上山、
神の手の大檜に、車通るべからずの石橋、
タイムトンネルに、交錯する新旧五本の橋。
その他、物産館を2軒。
忙しい一日が終わった。