左の肘が痛む。
500円玉ぐらいの限定された範囲に、打撲に似た痛みがある。
打撲ならその内に治るだろうと、高をくくっていたが、2ヶ月程経過した今、むしろ痛みが増している。
単なる打撲でないのは、あきらかだ。
しゃあねえ、病院に行くか。
ついでに股関節痛の方も、ステージが上がってる気がするし。
一緒に診て貰うか。

「これは肘の◎#▲%◇筋(何て名前か忘れた)の炎症ですな。」
院長の診断は電光石火で下りた。
「打撲じゃないんで?」
「違います。炎症です。肘を使いすぎるとこうなります。ゴルフとかは?」
「クラブすら、握ったことありゃしません。金輪際ゴルフじゃなかですな。」
「じゃあ、テニスとか、あとは・・・」
「せんです。それに先生。あたしゃ右利きですぜ。」
院長はムッとした表情で、
「とにかく炎症です。綺麗さっぱり炎症です。天地がひっくり返ろうと、断じてこれは炎症です。」
「わ、分かりました。時に先生、股関節の方も、前より痛みが増しとる気がするんですが。」
「そうですか。とにかく、肘と股関節とレントゲン撮ってみましょか。」
レントゲン室へ通され、2箇所の撮影が済むと、

「3年前まで、うちで股関節のリハビリされてますよね。途中で『痛みが引いたから』と、止められてますが。」
「確か、そのようで。」
「その時と比べたら、軟骨が少し磨り減ってますね。でもまあ、こんなもんでしょ。」
「こんなもんて、あーた。」
「手術には至らないと言う意味でさあね。取り敢えずリハビリば、また始めまっしょ。」
「ははあ。」
概ねこのような経過(会話には多少の脚色はあるが)で、今後の治療方針が決定された。
かくして明日から、面倒臭いリハビリの再開である。