いつの頃からか、近所にベトナム料理店が出来た。
「へー、知らんやった。」(家内)
「今日の昼はそこにするか。」(私)
ふぉーとー?
先ずもって、店の名が解りにくい。
看板に、フリガナを打ってはいかがだろう。
店名を広く知らしむるのが、商売の基本だと思うが。
「イラッシャマセ。」
テーブルにつき、メニューをパラパラとめくる。
大半の日本人には、馴染みが薄いベトナム料理。
なのにメニューには、料理名の羅列があるだけで、肝心の説明がない。
チンプンカンプンとはこの事である。
仕方がないので、メニューの説明を求めた。
「アー、ソレワフツウノギュウニクノフォーデッス。コッチワギュウノシャブシャブミタイナカンジ。ソンデコッチガ・・・」
「ははあ。」
「ソレゾレ、ランチセットガオトクデッス。」
「あ、なるほど。じゃあ、俺は牛のフォーのランチセットで。」
待つこと暫し。
「オマタセシマイター」
牛のフォーには、薄切り牛肉、モヤシ、スライスした玉葱をトッピング。
小鉢は揚げ春巻きと、揚げウインナーである。
お好みで、パクチーやレモン、追加の玉葱が添えらている。
澄み切った牛骨のスープに、パクチー、玉葱、レモンを全部ドバー。
何か美味しそうだぞ。
純白の米麺をば、
ズル
平打ちの麺は、ツルリとした喉ごし。
あっさりとして癖がないスープも、日本人好みかも。
よし、
こうなったら、卓上に置かれた辛み調味料をあれこれ投入し、
うんめえ!
看板やメニューへの小言はもう忘れ、
「俺、この店気に入った。牛のスープ、癖になるかも。」(私)
「そりゃ良かったな。」(家内)