そろそろ暖房の必要な季節になってきた。 この季節になると、夕方の街にさびしげなオルゴールの音色で「月の砂漠」が流れてくる。
それはあなたの街でも同じメロディかもしれない、そう、珍しくもない灯油の販売車だ。
しかし、わたしはこれを聴くと、想像力が暴走モードに突入する。
寒い異国の街の夕暮れ
細々と灯油を売りながら
とぼとぼと歩く一頭のらくだの姿
故郷の砂漠は遥か遠く、遠く・・・
その目には涙が・・・
異国の人々を暖める灯油を売りながらも、らくだは異国の寒空の下、暑い故郷を思い描く。 おうちに帰りたい、帰れない・・・悲しいよぅ・・・
と、本気で涙ぐみかけて我に返る。
わたしはいままで灯油を使ったことはない、だから販売車そのものを見ることも少ないので、よけいに暴走しやすいんだと思う。
買わないで文句をつけるのもあつかましいが、今までに聴いた中にはけたたましくて嫌気がさすような曲もあった。 灯油はなるべくしずしずと売りに来てくれるとうれしい、「月の砂漠」はかなりのお気に入りだ。