楽しい酒 良い酒 おいしい酒

酒を飲むなら、いい酒を飲みたいものです。

おいしい酒を紹介できたら良いな!

お酒のお供Y・・・143

2015-04-20 10:54:47 | 日記

近日息子

落語に出てくる若旦那とくれば、道楽者か

ちょっとピントのずれた男かのどちらか。

この話の大家の息子も相当ボーッとしている。

なにしろ、芝居好きの父親に初日がいつか見てこいと言われ、

「近日開演」と書いてあるのを明日だと勘違いしてしまうぐらい。

弁当までこしらえて芝居見物に出かけた父親は

「近日開演の意味もわからないのか」と怒るのなんの、

「他人に言われるより先に物事をやるような頭のいいやつになれないのか」

と怒鳴りちらした。  すると、息子はプイと外へ出かけ、ほどなく

医者を連れて帰ってきた。事情のわからない大家が医者に尋ねると、

息子が父の様子が急に変わったと飛びこんできたのだという。

大家は息子のボケになれっこだが、事情を知らない医者は大家の脈をとり、

変わりはないので首をかしげた。

それを見ていた息子がまた外へ。帰ってくると葬儀屋やお寺の手配をしてきたという。

医者が首をひねったものだから、父親がいよいよあぶないと思い、

言われる前に行動に出たというわけだ。

一方、長屋では一同が集まって話し合いの最中。

大家の息子が葬儀の手配をしているので、てっきり大家が死んだのだと思い、

どうやって悔みにいこうかという相談だ。

何人か集まると、たいてい調子のいいでしゃばりがいるもので、「悔みならまかせてくれ」

という男が自信たっぷりに名乗りでた。それならお前が代表でと、悔やみ自慢の男を

先頭に大家の家へいき、男がおもむろに戸を開けると、なんと目の前で大家がタバコを

ふかしている。「こんちわ。あっ、さよなら」  大あわてで戸を閉めて逃げだした。

長屋に帰って相談のやり直し。みんなは大家の姿を見ていないから、タバコをふかして

いたのは大家によく似た親戚だろうと言いだす男がいて、今度はその男が悔やみを

言うことになった。   またまた大家の家へ。戸を開けるとまた大家がいる。

「このたびは・・・・・。あっ、さよなら」

逃げようとするのを大家が引き止め、事情を聞くと、家の前に忌中の札が出ているという。

カンカンに怒った父親が息子に、「馬鹿野郎。忌中の札まで出てるっていうじゃないか」

「長屋の人もあんまり利口じゃねえな」    

「なんでだ」

「よく見ろ。そばに近日と書いてあらあ」

                           立川志の輔  古典落語100席



落語は楽しいから楽語とも呼ばれる。嘘です。すもーわん。(*’_’)



そら・あかね。

お酒のお供Y・・・142

2015-04-18 13:54:22 | 日記

火事息子

神田の大きな質屋・伊勢屋。

町内に火事があり、火の粉が飛んでくるので

主人と番頭が蔵の窓に目塗りをしていた。

番頭が二階の折れ釘につかまり、

主人が下からこねた土を投げあげるが、なかなかうまくいかない。

そのうち屋根づたいに火消し屋敷の人足・臥煙がやってきた。

いれずみを全面彫りにした体、ふんどしに腹巻、

濡れた法被を腰に巻き、じつに威勢がいい。

まごまごしている番頭の前掛けの紐を折れ釘に結び、

両手で目塗りができるようにしてくれた。

じつはこの臥煙、火消しになりたい一心で家を飛び出して勘当された若旦那。

番頭は気づいたが、軒下の大旦那はただの臥煙が手伝ってくれたと思っている。

ようようの思いで火事もおさまった。

店の中は火事見舞いの客でごったがえし、大旦那は接待に忙しい。

大旦那の前へやってきた番頭は、目塗りを手伝った臥煙を引き止めていると言う。

大旦那は「そうそう、世話になったお礼をしなくてはね」と言うが、

番頭はなんとなく会わせたくない様子。

けげんに思ってたずねると、臥煙は息子だという

(番頭がしきりに会わせようとする演出もある)。

大旦那はびっくり。今度は逆に勘当した以上、

他人だから会うわけにはいかないと言いだした。

だが、大旦那の本心を知っている番頭が、

「他人だからこそきちんとお礼しなくちゃいけません」

番頭の機転で親子は五年ぶりの対面。大旦那に呼ばれて母親もやってきた。

父親は勘当した意地もあるし、全身に刺青を彫った息子が情けないのか他人行儀で、

いきなり小言を言ったりするが、母親は「おやまあ、よくきた」と

手放しの喜びよう。法被一枚の息子に着物をやろうと言いだした。

しかし大旦那はうんと言わない。家にある息子の着物が気になるのなら、捨てろと言う。

「捨てるくらいなら、やってくださいな」と母親が言うが、

これも正面できって「やる」とは言えない大旦那の苦肉の策。

小遣いもつけて捨てれば、拾っていくという思いやりだ。

納得した母親は千両箱もつけようと大はしゃぎ。

あげくに着物は黒羽二重の紋付、仙台平の袴をはかせ、脇差を差させて、

供の者も一人つけてやりたいと大旦那にねだった。

いくらなんでもと思った大旦那が、「いったいどこへやる気だい」

「だって、火事のおかげで会えましたから、火元に礼にやりましょう」

                 立川志の輔   古典落語100席引用


たぶん、ひのもとにはちゅういしましょう。(*’_`)



ぷりっ、プリッ、ぷるる@ん、ぷりっ、そら・あかね

お酒のお供Y・・・141

2015-04-18 10:57:42 | 日記

藪入り

藪入でしばらくぶりに息子が奉公先から帰ってくるという前夜、

熊と女房は寝床に入ったもののなかなか寝つかれない。

奉公に出た子供は数年たってやっと、盆と正月の二度の

藪入りのときだけ家に帰れるという時代だから無理もない。

とくに父親の熊は寝るどころではない。

子供の好きな食べ物をいくつも並べたて、

女房にあれもつくってやれ、これも買ってこいとうるさいのなんの。

食べ物のリクエストがすんでもまだ夜が明けないから、

今度は息子と一緒に出かける場所を選びだす。

近所の挨拶回りから始めて、品川、横浜、鎌倉、はては伊勢参りまで。

それでも、まだ夜が明けない。

今から飯を炊けだの、湯へ連れていこうだの夜っぴいて

話をしているうちにようやく朝。

熊はふだんしたこともない家の前の掃除を始め、そわそわと待ちきれない様子。

そこへ、息子の亀が帰ってきた。

「ごぶさたをいたしました。ご機嫌よろしゅうございます」

と、やたらと行儀のよくなった息子に、熊はびっくりして口がきけない。

そのうち、何を思ったかカゼをひいたときに、息子からもらった便りのことを話しだし、

あのときはうれしかったと一人で感きわまって泣きだしてしまった。

涙で目が開けられなくて、子供の姿が見えないとくる。

やっと顔をあげて、「おお、ぐーんと大きくなって俺の倍はある」

「おとっつあんが座ってるんだ」と、どうしようもない親バカぶり。

やっと息子を湯へいかせ、女房とあれこれ話していると、突然、

女房がすっとんきょうな声をあげた。息子の紙入れの中に大金を見つけたのだ。

小遣いにしては多すぎるから、二人は心配になってきた。

ひょっとしたら店の金に手を付けたんじゃないだろうか。

湯から帰ってきた息子を熊が問い詰めると、

悪い病気がはやっているから、ネズミを捕まえては番所へ届けていた。

そのうちにほうびの懸賞に当たり賞金をもらった。

とりあえず店の主人に預け、藪入りだから親に渡してこいと言われたのだという話。

熊も女房もほっと胸をなでおろす。「まあ、そうかえ。ごらんなお前さん」

「何を言ってやがる。てめえが変なことを言うから俺だって。
 
 へえ、ネズミの懸賞でとったのか。うまくやりゃあがったな。

 これからもご主人を大切にしなよ。これもやっぱり忠(チュー)のおかげだ」

                    立川志の輔   古典落語100席引用

けんしょう、あたりたいものだな。(*’_`*)



うまくても、うめぇーでも、うみゃーでもそら・あかね

お酒のお供Y・・・140

2015-04-17 11:47:45 | 日記

寸善尺魔

小さな幸いが来て喜んではいけない。

そのあとにきっと大きな不幸がくるのだ、、ということです。



がんばる

祖母が大嫌いな言葉でした。

「がんばる」とは「我を張る」ことからきていて、

他人なんかどうでもいい、他人様の迷惑も考えずに自分だけが

我を張るなんてことは、女としてもっとも恥ずかしいことだ、

「がんばる」なんて言葉は女が使ってはいけないと言われてきました。



分相応

自分の身分にちょうど合った生活、これが「分相応」で、

自分の身分よりグッと贅沢な生活を「身分不相応」と言いました。



いい塩梅

何事も調子よくいっている場合を言います。

「いい塩梅に仕事も順調にいっています」などと。



慇懃無礼(インギブレイ)

慇懃というのは、へりくだった丁寧な態度や言葉遣いのことです。

「慇懃無礼」というと、口先では敬語を使って

相手を崇めているようでいながら、心の中ではバカにしていて、

これがどうしても態度や言葉に出るのです。



来し方行く末

今まで自分の来た道、

それから将来の自分の進んでいこうとする方向、

そうしたことを昔の人は「来し方行く末」と言いました。


          中村喜春  いきな言葉 野暮な言葉引用  


ズンドコベロンチョ、ペロンチョ、そら・あかねをどうぞよろしく。


お酒のお供Y・・・139

2015-04-16 11:54:41 | 日記


ぽっちり・どっさり

ホンの少しほしいときは、「ぽっちりだけ、ください」

反対に、「どっさりください」と言うのはたくさん欲しいときです。



どっこいどっこい

面白い言葉に「どっこいどっこい」というのがあります。

二つのものがほとんど同じというときに「どっこいどっこい」と言います。



―づめ

「こう雨が降りづめじゃ、いやんなっちゃう」とか、

「よく喋る人ね。さっきから喋りづめよ」などと。


                 中村喜春  いきな言葉 野暮な言葉引用

  

日本語は難しいですね。BY Tコウジ



良い事あったらそら・あかね