権助提灯
大店の旦那が別宅へ妾を囲った。普通なら本妻が嫌味の一つも
言いはじめ、夫婦仲が悪くなるものだが、焼き餅が大嫌いという
女房だから、いっこうに気にかけない。
また妾のほうも話しのわかった女で、事あるごとに本妻を立て、
わがままを言わない。じつに円満に暮らしている。
暮れもおしつまったある晩のこと。遅くまで帳簿をつけていた旦那が、
仕事を終えて寝ようとすると、女房が、今夜は風がとても強くて火事が
あるかもしれない。もし火事になっても、この家には若い者がたくさんいるから
心配ない。しかし、別宅は妾と女中の女二人きり、不安に思っているだろうから
今からいって泊まってやれと言う。さすがの旦那もこの女房の太っ腹にはすっかり感服し、
「わかった。お前がそれほど言うのなら」
と、出かけようとするが、夜更けなので誰かに提灯を持たせて供にしたい。
あいにく田舎者で気のきかない権助しか起きていなかったので、仕方なく供を命じた。
提灯の用意をと言うと、権助は高張り提灯かなどと答える。妾の家へいくのに
フォーマルな高張り提灯を出す馬鹿はいない。
家を出たら出たで、旦那に注意されるまで前を歩こうとしない。叱るとブツブツと
文句を言う。
ほどなく妾の家に着いた。ところが妾はありがたいが泊まってもらえないと言う。
好意に甘えて旦那を泊めたら、ものを知らない女だと言われ、奥さんに合わせる顔が
ないというのが理由。
仕方なく家に戻ろうと、また権助に提灯をつけさせる。権助が、女に嫌われただの、
宿なしになりそうだの言うから、旦那はすっかりくさってしまった。
家に戻ると、女房が困った顔をした。妾の心配りはとても立派、でもこのままでは
しめしがつかない。
「どうぞ今夜は別宅へ」
げんなりした旦那は権助に、
「提灯だ」
「あはは、まだ消していません」
もう一度妾の家。歩き疲れてクタクタ。でも、妾は申し訳なさそうに、
「そうおっしゃられると、かえってお泊めしにくくなりました」
旦那は半ベソをかいて、
「権助、提灯を」
「いや、もういらねえ」
「どうしてだ」
「夜が明けました」
立川志の輔 古典落語100席引用
旦那はその後どうなったのでしょうかな。
俺物語!!おもしろいっすねー。やまとーぉ、たけおくーん。
じゃいあんきょうだいのあいじょうみたいだなっとかんがえるとちこっとうけっちゃい
ますた。
たけおとりんこ、たいかくさありすぎちゃうかぁ。ふらんすぱんとばたーろーるくらい。。
そら召し上がれ
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