小言幸兵衛
麻布に住んでいる家主・幸兵衛。とても口うるさいので
人呼んで小言幸兵衛。借り手がきても、何か気にさわるとすぐに
小言を言って帰してしまうから、貸家の札がはがれたことがない。
その幸兵衛のところへ、今日もまた一人、借り手がやってきた。
借り手の商売は仕立て屋。とても愛想のいい男で、幸兵衛も最初は
機嫌よく応対し、珍しく茶菓まで出そうという気になった。
ところが、仕立て屋にできのいい息子がいて、その息子にまだ
嫁がないことがわかったあたりから風向きがおかしくなってきた。
幸兵衛のカンにさわったのは、仕立て屋の息子が二十二歳の男前で、
腕もいいのにまだ独身というくだり。そんなやつがやってきたら、
長屋に騒動が起きるというのだ。
「へえ、あたしがくると騒動が・・・・・」
仕立て屋は何がなんだかわからない。すると幸兵衛はわけを説明しだした。
長屋には古着屋が住んでいて、そこにお花という美人の娘がいる。
両親が仕事にいっていう間はそのお花が留守番をしている。お前の息子は
あつかましいから、親の留守をいいことに家にあがりこむに違いないという。
仕立て屋にはとんでもない言いがかりだが、そんなことはおかまいなし。
仕立て屋がおとなしく聞いていると、セリフまで入れながら話をどんどん
進め、お花と息子の間に子どもができてしまい、結婚させるさせないと
いうところまで話を引っ張る。 古着屋は一人娘。そうなると多分、
息子を養子にくれということになる。どうだ、お前息子を養子にやれるかと
聞かれた仕立て屋、「いえ、息子も跡取りですので、やはり嫁を迎えませんと・・」
「うんうん、そうだろう」と幸兵衛なんとなくうれしそう。
台本どおりとばかりに話を進め、親に反対された二人が心中するまでいって、
「こうなったのもお前のせいだ」と、とうとう仕立て屋を追い返してしまった。
万事がこの調子。評判を聞いた職人が、こっちからおどしてやろうと乗りこんできた。
「やいっ、家主の幸兵衛てのは手前かっ」 汚い貸家を借りてやる、家賃をとったら
承知しないなどと、ものすごく威勢がいい。幸兵衛は逃げ腰になりながら、
「ところで、あなたの商売はなんでございますか」
「俺は鉄砲鍛冶だ」
「へへ、どうりでポンポン言う」
立川志の輔 古典落語100席引用
担当のとうふです!!落語は楽語でもこってんこってんですね!
こってんこってんですね!こってんこってんですね!ついでにべたってなんですか?
ひできがこうせいろうどうしょうじゃなくてもそら・あかね!!