諸行無常の響きあり

フィリピンの小さな焼き鳥居酒屋の親父のつぶやき

暑さを乗り切ろう

2011年07月17日 16時03分33秒 | つぶやき

※カンコンのピリ辛炒め


カンコン(空芯菜)、こちらではお馴染みの野菜であるが、最近では日本のスーパーでも売られているそうだ。栄養分が豊富で、アジア全域で食されているということらしいが、ここフィリピンでも庶民は大好きな野菜である。炒めてよし、ホウレン草のように『おひたし』でもよし、『天ぷら』もいける。

市場に行けば一束が5ペソほどで売られている。日本では10円強という値段ではとても買えないだろうが、多少値段が高めでも夏を乗り切る為と思えば高くは無いだろう。うちの店の従業員の賄いも週に一度は、和名『わさびの木』と呼ばれるマロンガイの葉の料理と共によく食べられる野菜である。


※マロンガイの葉


この空芯菜であるが、味は癖が無く、食感は若干ぬめりがあるような感じがするが、調理の仕方によっては、相当バリエーションがある。お好み焼きに混ぜたり、ホウレン草のように出汁で炊いて玉子で閉じても美味しいだろう。何よりも栄養価豊富で体にいい、しかも値段が安い。

食の文化が行き渡りどんなに素晴らしい食材でも手に入る昨今、ここフィリピンでもそうした輸入食材も容易に手に入る中で、身近でさり気無く食されている野菜、これも万年気温が高いフィリピン、暑さを乗り切る為に自然と身についた生活の知恵なのか・・・・・。それと平行し、よく食べられるマロンガイ、これまた栄養価が半端ではなく高い。調べればまだまだありそうなここフィリピンの食材、これも『郷に入れば郷に従え』ということなのかもしれない。

※カンコンのおひたし



大いなる旅路

2011年07月14日 03時10分15秒 | つぶやき


これは確か相当昔のTVドラマの主題歌だったと思うが、主演は確か竜雷太、それ以前にも日本国有鉄道をテーマにした三国連太郎主演の映画などがあったようだ。

この竜雷太で思い出すのが、私と同業でもある割と近所にある『竜の子』という民芸風の食堂、このネイミングの由来はこの竜雷太だそうである。ご店主は元俳優で竜雷太とは入魂の仲、そうした経緯でこの『竜の子』を開業したのだそうであるが、既にフィリピンでは20年以上も営業を続けているそうである。

当のご本人も有名なTV番組『太陽にほえろ』などにも出演したことがあるそうであるが、私には記憶が無い。それにしても、この知らない土地フィリピンで20年以上も営業を続けることは並大抵のことではなかったろう。私も時にそこへ行くこともあるが、何かその歴史の重さを感じさせる店でもある。

そうした意味でもフィリピンで商売を長く続けること、それこそ鉄道の建設とはかけ離れた話ではあるが、この『大いなる・・・・』のようにフィリピンでの日本人の食事をある意味賄ってきたという意味では、大いなる旅路なのかもしれない。

因みにこの主題歌である小椋圭が唄う『大いなる旅路』私もカラオケで歌うことがあるが、知っている人が少ないだけにウケは悪い・・・・・・・ハハハッ、まあ色々と書いたが、実はこの唄を紹介したかっただけの話である。




翳り

2011年07月03日 20時17分40秒 | つぶやき


隣で営業する某ドーナツ店、なにやら叫び声がする。『家政婦は見た』宜しく聞き耳をたてる・・・・。
どうやら給料の未払い分を払ってくれと女性従業員がオーナーに食って掛かっている。聞きたくなくても回りは全て聞こえるほどの大声なので自然と耳に入る。何がどうなっているのか通行人まで足を止めて聞き入っている。

その女性従業員、涙をボロボロ流しながら、

『今まで我慢していたが、朝早くから真面目に来て店を開けて店番をしていたのは私だけじゃないか、あんたが払ってくれないなら、バランガイに訴え出てやる!!オーナー面して威張りくさって、給料を払ってこそオーナーだろう』

このような内容のコンプレインである。

そもそもFC料金が高い上に店の改装料もかかった筈である、1個12ペソのドーナツを、何個売れば元が取れるなどとは考えてはいなかったのだろう。この地盤はスクァッターエリアと奥に集中するビレッジのお客とが混合する地区であり、スクァッターエリアの人たちにとっては1個12ペソのドーナツは決して安くは無いだろう。それを言えば当店での食事も決して安いとは言い難い。

そう言えば以前も同じようなことがあったっけ、前面で店をやっていた際に、隣のパン屋で同じく従業員の賃金の遅滞で母親が賃金を貰いにきたのだが、オーナーが来ない為に当店で座って待っていた。ところがパン屋のオーナー、何を勘違いしたのか自分の悪口を私らに言いふらしていると思ったのだろう。

翌日から近所付き合いがギクシャクしたことがあった。まあ人目の悪さを気にするというより、従業員と向き合って話をするべきだと思うが、それが彼らのプライドなのか、言い訳をわざわざ言いにきたことがあった。その辺りの感覚を我々日本人がどう解釈するかだ。

随分と長いことフィリピンにいるような気がするが、そのプライドもどきが現実の損得をも優先するフィリピン人社会に置いて、一番の被害者はドーナツ屋の女性従業員のような人間だろう。元来、賃金の未払いなどは労働基準に沿って行われるべきであろう。

如何せんこの零細企業にも及ばない小さなドーナツ屋の出来事を誰が取り上げよう。バランガイに呼ばれ両者で話し合うことになるのだろうが、いつものことではあるが、絶対的な罰則は適用されない。無い袖は振れない、決め事は大概は遵守されないケースが多いだろう。

まあ私自身の店もそれよりも小さな規模であるが、賃金の支払いは大家に家賃を待って貰っても優先させる。それが従業員にどう映るか否かは解らないが、それは経営サイドの問題である。幸いどうにか今まではそうした問題もなくここまで来たが、今後はどうなるか誰も分からない。

その時私は丁度仕入れに行き、その際にドーナツ屋の女性オーナーが私に話しがあるといって来たそうであるが、本人とは会わず終いであった。大方店を売りたいので誰か日本人の客を紹介してくれなんていう依頼であろう・・・・・。近所の店舗が消えていくのは寂しい話であるが、時間の問題だというのが現実であろう。

















古着屋

2011年07月01日 08時08分55秒 | つぶやき

まばらに咲く火焔木の下で、UKAY・UKAYと呼ばれる古着を売る人たち。
因みに鵜飼いと読んではいけない(笑)オーカイ・オーカイという発音が近いだろう。



私も経験があるが、家で不要になった物は、こちらでは玄関先や開いた場所でとにかく露店を出す。この古着屋もおそらくクリーニング屋の閉店時に引取りに来なかった洗濯物をまとめて売っているのではないだろうか。

フィリピンにおける商店の一つのネックは先払いにしない商売の在庫である。クリーニング屋しかり、家電修理屋しかり、完了しても依頼した客はお金が出来るまで引取りに来ない。

したがって在庫は増えるが、収入にはならない。クリーニング屋などは引き取り期限を決めた伝票を発行してサインを貰えば質屋のように現物をこのようにさばけば問題は無いと思うのだが、現実にはそれもしないところが多いようだ。




以前に私の店があったビルの前の駐車場であるが、今や誰も店子がおらず、ビルそのものが売りに出されている。貸しビル業のマネージメントのまずさが祟ってか、今や廃墟ビルのようになっている。

こちらでは、少しの努力を惜しむ為に、最後に大きな問題となって帰ってくるケースが間々ある。一連のビジネスの失敗は、立地や内容も大事であるが、やはり一番の問題は人為的要素が大半を占める。

まあそれはここだけとは限らず日本でもそうであることには間違いないが・・・・・・。