長男が偏差値向上を条件に、携帯電話を買っても良いと奥さんに言われてから、父親の私から見ても彼は驚くほど頑張った。
そこまで携帯電話が欲しかったのか?と思うほど頑張った。
そして、学習塾に通い始めて、一ヶ月半位経ったある日。
『今度の期末の結果が良ければ、クリスマスに携帯が前倒しで欲しい。』
と奥さんに交渉した。
2月期の期末テストを1週間後に控えた夜の出来事だった。
最初は奥さんも難色を示したが、あまり自己主張のない長男が言っている事だった、そのため孫に甘い母は、
『頑張っているから、考えてあげて、その代わり成績は、グンとあげなきゃだよ。』
と長男に助け船を出し、奥さんも条件付きでクリスマスに携帯を買う事を認めた。
長男の誕生日はクリスマスと近いため、プレゼントは誕生日とクリスマスの、ワンセットで一つ、その代わり少し豪華にするのが、我が家の定番になっていた。
長男は、お正月までにどうしても携帯が欲しかったらしく。本当に頑張った。
そこまでして、携帯が欲しい理由があったのだ。