総務のべー太郎の進行で始まった会議は年末に向けて、営業を頑張ろうという、恫喝、もとい、決起集会であった。
7名いる、我が社の営業部の社員は、それぞれに決意表明を高らかに宣言し一定の盛り上がりをみせ解散となった。
私も当たり障りのない決意表明をした。
正直、こんな茶番劇の様な会議は意味がないとは思うが、こういう体育会系的な事をするのもブラック企業にありがちな儀式で、それ込みの営業部だと私は思っている。
会議が終わり、総務のべー太郎がヘラヘラと、クネクネしながら話しかけてきた。
『大変ですよねぇ、でも皆さんならサクサクっと軽く数字クリアですよねぇ。なにせ、我が社の営業は、やり手揃いですから。』
『べーちゃん、思ってないこと言ったろ。』
べー太郎、当然、あだ名である。
愛嬌があり、人当たりは良いのだが、本音を言っている感じは全くなく、心の中で、あっかんべー😜。をしている様なので私達は、親しみをこめて、(アッカンベーたろう)
略して(べー太郎)と呼んでいる。
もちろん彼の事は皆大好きで、愛のある呼び名であるのでパワハラではない。と思う。
とにもかくにも、年末休みまで、我々にとってはラストスパートのフリをしなくてはならない残り2ヶ月が始まってしまった。