介護というには大袈裟ですが。

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赤い月の下の誓い (4)

2022-11-12 06:16:49 | 日記
年末に向かいブラック企業の我が社の営業竹槍大作戦は最初から大きく頓挫した。しかし今の営業は3.4.5.月向けの準備であり、そこまで現場は焦ってはいなかった。少し複雑だが、我が社は年末年始、そして3.4.5月、そして夏のお盆前後、の3回が主な、かきいれどき、であり、その準備は2.3が月前にするのが年間スケジュールとなっていた。
そのため、今の仕事は3.4.5.月のための準備であり、この時期のノルマの顧客のアテは各営業マン個人個人で当然抱えていた。万が一数字が足りない時も、ノルマを達成している営業マンが貸名目で補填しあった、そうすれば誰も傷つかないし、いざとなれば助けてもらえるという計算も皆持っていた。まさに馴れ合い、もたれ合いの文化がそこにあった。
そのため口には出さないも(何とかなるさ)と皆んな営業マンは思い、たかをくくっていたのだ。しかしそれでも、思ったよりも数字の出方が悪く。皆少しずつ、アレッアレッと違和感を感じ始めていた。
そんな重苦しくなりそうな雰囲気を察したのは営業部最年長の銭出しのトッサンである。
彼は部内の空気が悪くなりそうになると、仕事終わりに一人一本ずつ缶ビールを奢ってくれ、会社の屋上でミーティングと称して、他愛もない話しをする事を提案した。いわばガス抜きである。
何やら学生が部活帰りに近くの公園でコロッケやアイスを食べながら、先輩や先生の悪口を言う構図に似ているが、私達は、この学生の様なミーティングが意外と好きだった。7人いる営業部の社員の半分以上にあたる5人と総務と人事の若手3人の計8人が、赤い月の下、屋上で、にわかミーチィングをし、年末に向け各自決意を誓いあった。