小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(80)&CG
「どうして、いままでも止めたいと思っていたのか?・・・」。
「ああ、一度や二度じゃないさ。それをサブなんかに祭り上げられたんじゃ示しが着かないだろ。下の奴等だってそうさ、始めは面白半分で入っても今は皆んな止めたいと思っているさ」。
「そうか、止めると言うとリンチがあるのか?・・・」。
「ああ、リンチなんてもんじゃねえよ。寄ってたかって袋叩きさ。そのあと脱退金を払えさ、何十万もな。そんな金払えないだろ、
だから今度の事は俺には良かったんだ。刑事さん、俺達をやった組織は族を解散しなきゃ本気で俺達を殺すつもりだ」。
その目は本当に恐れている目だった。三河は後藤の目を見ていた。
「もうお前は解散届けを出してるじゃないか。殺されないだろ。お前は本当に何も見なかったのか」?
「ええ、何度も聞かれたけど本当に何も見なかった。倉庫に来い言われて行ったら、リーダーが来ていて、意気なりリーダーが吹っ飛んで見たら頭を打ち抜かれていた。
それで逃げようとしたら太股を撃たれたんだ。真面殺されると思ったけど、それっきりだった。だから、何処から何で撃たれたかも見てないです」。
この男役者にしても良い程嘘がうまい。そう思いながら聞いていた。これなら口は割らない。そう感じていた。
「そうか、じゃあ早く怪我を治して真面目にやる事だ」。
「ええ、そうします。外の連中はどうです?・・・」。
「お前と一緒だ、何も見なかったとさ。でも酷い奴等だ。二十歳の娘も二人殺された。手段を選ばない組織だな」。
すると、近藤は身をブルッと震わせ、顔を強張らせると窓を見ていた。
三河は威しのつもりで口にしたが効果があったようだ。
そして病室を出ると別の病棟に入っている前田二郎の病室へ行った。やはり巡査が警備にあたっていた。
警察手帳を提示して病室に入った。すると家族が見舞いに来ていた。そして若い女が子供を抱いていた。
「本庁の三河警視です、少しお聞きした事がありますので御家族の方は席を外してください」。茶髪の子供を抱いた女はムッとした顔を見せた。
「洋子、もう良いから博幸を連れて帰れ」。
すると、大きなバックを肩に掛けると頭を下げると帰って行った。
「刑事さん済みません、女房の洋子と息子の博幸です。ヤンキー上がりなもので挨拶もろくに出来なくて」。
前田は外の男たちとは違って言葉使いも丁寧だった。そして足にそっと手を添えると起き上がってベッドに寄り掛かった。
「どうだね怪我の具合は」。
「はい、掠めただけで十日もすれば治るって先生が」。
「そうかね、外の人より傷が浅かったようだね。それで、もう何回も聞かれたと思いますが、犯人はどんな奴等でしたかね」。
「所轄の刑事さんにも何度も訊かれて話したんですが、暗かったし意気なりでしたから、何も見てないんです。
堤から電話があって、谷中霊園に行ったんです。そしたら意気なり加奈が倒れて自分の顔に何か生暖かい物が当たったんです。
それで手で拭いたら血でした。そしたら美里が宙に身体が浮いた感じで吹っ飛んだんです。それで近付いたら顔が割れて血が流れていました。
それで逃げようとしたら飯島が吹っ飛んだんです。胸から血が流れていました。これは危ばいって思ったら、脚に激痛が走って撃たれていたんです。ほんの数分かもっと短かったかも知れません。
だから何も見てないし、何処か撃たれたのか分からなないんです」。それは迫真に迫った顔をして三河の目をじっと見て話していた。
「どうして撃たれたと思ったのかね。現場付近の聞き込みでは銃声は誰も聞いていないんだが」。
「だって刑事さん、音はないし弓の矢も無かったし、後は拳銃しかないじゃないですか。それも音のしない器具を使って」。
「リーダーとサブがこう言う目に遭ったら中間は黙っていないだろう」?
三河は相手の出方を伺うように言葉を掛けた。
NO-80-92
「どうして、いままでも止めたいと思っていたのか?・・・」。
「ああ、一度や二度じゃないさ。それをサブなんかに祭り上げられたんじゃ示しが着かないだろ。下の奴等だってそうさ、始めは面白半分で入っても今は皆んな止めたいと思っているさ」。
「そうか、止めると言うとリンチがあるのか?・・・」。
「ああ、リンチなんてもんじゃねえよ。寄ってたかって袋叩きさ。そのあと脱退金を払えさ、何十万もな。そんな金払えないだろ、
だから今度の事は俺には良かったんだ。刑事さん、俺達をやった組織は族を解散しなきゃ本気で俺達を殺すつもりだ」。
その目は本当に恐れている目だった。三河は後藤の目を見ていた。
「もうお前は解散届けを出してるじゃないか。殺されないだろ。お前は本当に何も見なかったのか」?
「ええ、何度も聞かれたけど本当に何も見なかった。倉庫に来い言われて行ったら、リーダーが来ていて、意気なりリーダーが吹っ飛んで見たら頭を打ち抜かれていた。
それで逃げようとしたら太股を撃たれたんだ。真面殺されると思ったけど、それっきりだった。だから、何処から何で撃たれたかも見てないです」。
この男役者にしても良い程嘘がうまい。そう思いながら聞いていた。これなら口は割らない。そう感じていた。
「そうか、じゃあ早く怪我を治して真面目にやる事だ」。
「ええ、そうします。外の連中はどうです?・・・」。
「お前と一緒だ、何も見なかったとさ。でも酷い奴等だ。二十歳の娘も二人殺された。手段を選ばない組織だな」。
すると、近藤は身をブルッと震わせ、顔を強張らせると窓を見ていた。
三河は威しのつもりで口にしたが効果があったようだ。
そして病室を出ると別の病棟に入っている前田二郎の病室へ行った。やはり巡査が警備にあたっていた。
警察手帳を提示して病室に入った。すると家族が見舞いに来ていた。そして若い女が子供を抱いていた。
「本庁の三河警視です、少しお聞きした事がありますので御家族の方は席を外してください」。茶髪の子供を抱いた女はムッとした顔を見せた。
「洋子、もう良いから博幸を連れて帰れ」。
すると、大きなバックを肩に掛けると頭を下げると帰って行った。
「刑事さん済みません、女房の洋子と息子の博幸です。ヤンキー上がりなもので挨拶もろくに出来なくて」。
前田は外の男たちとは違って言葉使いも丁寧だった。そして足にそっと手を添えると起き上がってベッドに寄り掛かった。
「どうだね怪我の具合は」。
「はい、掠めただけで十日もすれば治るって先生が」。
「そうかね、外の人より傷が浅かったようだね。それで、もう何回も聞かれたと思いますが、犯人はどんな奴等でしたかね」。
「所轄の刑事さんにも何度も訊かれて話したんですが、暗かったし意気なりでしたから、何も見てないんです。
堤から電話があって、谷中霊園に行ったんです。そしたら意気なり加奈が倒れて自分の顔に何か生暖かい物が当たったんです。
それで手で拭いたら血でした。そしたら美里が宙に身体が浮いた感じで吹っ飛んだんです。それで近付いたら顔が割れて血が流れていました。
それで逃げようとしたら飯島が吹っ飛んだんです。胸から血が流れていました。これは危ばいって思ったら、脚に激痛が走って撃たれていたんです。ほんの数分かもっと短かったかも知れません。
だから何も見てないし、何処か撃たれたのか分からなないんです」。それは迫真に迫った顔をして三河の目をじっと見て話していた。
「どうして撃たれたと思ったのかね。現場付近の聞き込みでは銃声は誰も聞いていないんだが」。
「だって刑事さん、音はないし弓の矢も無かったし、後は拳銃しかないじゃないですか。それも音のしない器具を使って」。
「リーダーとサブがこう言う目に遭ったら中間は黙っていないだろう」?
三河は相手の出方を伺うように言葉を掛けた。
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