小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(71)&CG合成
「京平さん異状無しで~す。順調ですって」。
「うん、お帰り。良かったな、ちょっと出掛けて来ていいかな。マホロバのマスターが話があるって電話があったんだ」。
「うん、じゃあお義母さんと留守番している。時間かかるの」?
「そんなに掛からないと思うけど、何かあったら電話して」。京平は美保から小銭を貰うと車で出掛けた。そして喫茶店に入ると奥のテーブルでコーヒーを飲んでいた。
マスターに紅茶を頼むと席に着いた。三河警部はニヤッと笑うと立ち上がり、京平が座るのを待って座った。
「お待たせしました。女房が妊娠して定期検診なんです。それで、今度は誰です」?京平はそっと聞いた。
「そうでしたか、それは御目出とうございます」と話し掛けると店員が紅茶を運んで来た。そして置いて戻ると口を開いた。
「実は此の十二月から本庁に栄転になりましてね。一階級昇格しまして、東京から来たんです」。
「そうですか、御目でとうございます。警視ですか」。
三河は恥ずかしそうに頭に手をやり頷いていた。
「まあその事は良いとして、私に小さい方を貸して頂けませんか」そう言う三河の目は至極真剣だった。
「事情話してくれますね。そうでないとお貸し出来ません」。
「勿論です。ここでは何ですから場所を移しませんか」。
「そうですね、では別荘へ行きましょう。あそこなら誰にも聞かれませんから」。京平は紅茶を飲み干すと支払いを済ませて喫茶店を出た。
そして携帯を持つと家に電話した。そして二台で別荘へ向かった。
そして十時過ぎには別荘に着くと冷え切った室内に身震いしながら暖房に火を点けた。二人は暖炉に手をかざして暖まるのを待った。そのあいだ口を開く事もなくじっと炎を見ていた。
「紺野さん、実は暴走族のリーダーと幹部がターゲットなんです。幾ら取締を強化して検挙しても道交法だけで免許証を取り消しになっても彼等には関係ありません。見せしめの為です」。そう熱く語る三河の目は暖炉の炎が反射していっそう鋭く輝いていた。京平は計画を聞いた。
「ええ、もうアジトは調べてあります。中には暴力団とつるんでる奴もいます。それに、ああ言う奴等は人気のない所を隠れ家にしますから、こちらに執っては好都合です。全部で二十五人」。
「25人、それを一人で始末する気ですか」?
「ええ、その為に嫌いだった射撃の訓練を進んでして来ました。駄目でしょうか、貸して頂けませんか」。
「いえ。お貸しします。ちょうど弾薬を少しここへ移した所です」京平はそう言うと地下室の鍵を開けると降りて行った。
そして間もなく弾薬の箱とブリーフケースを持って上がって来た。そして手袋をすると三河にも手袋を渡した。そして銃を取り出すと消音器を装着し、カートリッジに二十発の弾をいれると装填した。
そして窓を開けると百メートル先の切り株目掛けて発射した。
三河は双眼鏡を手に切り株を見た。
「此れは凄い、私なんかとても適わんですな」。
京平は全弾打ち終わるとカートリッジを出すと代わりのカートリッジを入れ、装填して三河に渡した。
初めて持つ大型の銃に三河は慎重に切り株を狙った。そして一発づつ全弾撃って感触を見ていた。しかし腕は悪かった。
すると京平はライフルに消音器を取り付けるとスコープを着け、弾を装填した。そして三河に渡した。
三河は安全器を解除すると切り株を狙った。そして数発撃つと安全装置を掛けて京平に渡した。
「難しいですよ私にライフルは。しかし、奥さんがこのライフルを扱うとは驚きですな。私は銃の方がいいです」。
「三河さん、こう言ってはなんですが、その腕では無理です。確実性に殺らないと。いま撃った命中率は50パーセントそこそこ。もし的を外して関係の無い人間にでも当たったら大変です。自分も此れから忙しくなりますから家は明けられません」。NO-71-69
「京平さん異状無しで~す。順調ですって」。
「うん、お帰り。良かったな、ちょっと出掛けて来ていいかな。マホロバのマスターが話があるって電話があったんだ」。
「うん、じゃあお義母さんと留守番している。時間かかるの」?
「そんなに掛からないと思うけど、何かあったら電話して」。京平は美保から小銭を貰うと車で出掛けた。そして喫茶店に入ると奥のテーブルでコーヒーを飲んでいた。
マスターに紅茶を頼むと席に着いた。三河警部はニヤッと笑うと立ち上がり、京平が座るのを待って座った。
「お待たせしました。女房が妊娠して定期検診なんです。それで、今度は誰です」?京平はそっと聞いた。
「そうでしたか、それは御目出とうございます」と話し掛けると店員が紅茶を運んで来た。そして置いて戻ると口を開いた。
「実は此の十二月から本庁に栄転になりましてね。一階級昇格しまして、東京から来たんです」。
「そうですか、御目でとうございます。警視ですか」。
三河は恥ずかしそうに頭に手をやり頷いていた。
「まあその事は良いとして、私に小さい方を貸して頂けませんか」そう言う三河の目は至極真剣だった。
「事情話してくれますね。そうでないとお貸し出来ません」。
「勿論です。ここでは何ですから場所を移しませんか」。
「そうですね、では別荘へ行きましょう。あそこなら誰にも聞かれませんから」。京平は紅茶を飲み干すと支払いを済ませて喫茶店を出た。
そして携帯を持つと家に電話した。そして二台で別荘へ向かった。
そして十時過ぎには別荘に着くと冷え切った室内に身震いしながら暖房に火を点けた。二人は暖炉に手をかざして暖まるのを待った。そのあいだ口を開く事もなくじっと炎を見ていた。
「紺野さん、実は暴走族のリーダーと幹部がターゲットなんです。幾ら取締を強化して検挙しても道交法だけで免許証を取り消しになっても彼等には関係ありません。見せしめの為です」。そう熱く語る三河の目は暖炉の炎が反射していっそう鋭く輝いていた。京平は計画を聞いた。
「ええ、もうアジトは調べてあります。中には暴力団とつるんでる奴もいます。それに、ああ言う奴等は人気のない所を隠れ家にしますから、こちらに執っては好都合です。全部で二十五人」。
「25人、それを一人で始末する気ですか」?
「ええ、その為に嫌いだった射撃の訓練を進んでして来ました。駄目でしょうか、貸して頂けませんか」。
「いえ。お貸しします。ちょうど弾薬を少しここへ移した所です」京平はそう言うと地下室の鍵を開けると降りて行った。
そして間もなく弾薬の箱とブリーフケースを持って上がって来た。そして手袋をすると三河にも手袋を渡した。そして銃を取り出すと消音器を装着し、カートリッジに二十発の弾をいれると装填した。
そして窓を開けると百メートル先の切り株目掛けて発射した。
三河は双眼鏡を手に切り株を見た。
「此れは凄い、私なんかとても適わんですな」。
京平は全弾打ち終わるとカートリッジを出すと代わりのカートリッジを入れ、装填して三河に渡した。
初めて持つ大型の銃に三河は慎重に切り株を狙った。そして一発づつ全弾撃って感触を見ていた。しかし腕は悪かった。
すると京平はライフルに消音器を取り付けるとスコープを着け、弾を装填した。そして三河に渡した。
三河は安全器を解除すると切り株を狙った。そして数発撃つと安全装置を掛けて京平に渡した。
「難しいですよ私にライフルは。しかし、奥さんがこのライフルを扱うとは驚きですな。私は銃の方がいいです」。
「三河さん、こう言ってはなんですが、その腕では無理です。確実性に殺らないと。いま撃った命中率は50パーセントそこそこ。もし的を外して関係の無い人間にでも当たったら大変です。自分も此れから忙しくなりますから家は明けられません」。NO-71-69