20XX年・クエスチャン (-9-)
照れくさい様なこそばゆいような、ともかく体の節々がヒリヒリと痛み出した。
林警部「ともかく先に治療をしてもらって後で話しを聞かせて下さい」。林警部は佐伯の足元から全身を見ると、救急車に乗り込んだ。ストレッチャーの上にある毛布を取ると、ずぶ濡れの肩に掛けた。
「どうも、・・・」,言葉を返すと、僅か数分前の出来事を話した。
二人の刑事は頷きながら手帳に記している。周りには治療を終えた漁師達がいつの間にか集まって来ていた。佐伯にはまだ気になる事があった。それは突然消えた貨物船の事であった。
「刑事さん、実は・・・・」そう切り出すと話した。刑事も漁師達も半信半疑のまなざしで聞いていた。
「一応海上保安庁に連絡を取ってみます。三時半頃この用宗沖を航行したタンカーがあったかどうか。石野、海上保安庁へ連絡取ってくれ」。
「はい、3時半頃ですね」。
まだ新米刑事だろう、このクソ暑いのに汗だくになりながらスーツを着て居る、石野は軽く敬礼すると駆け出していった。治療を終え、一応の事情聴取を済ませた佐伯は消火活動と同時に行われて居る救助作業を見て居た。
港の土真ん中に墜落した航空機は跡形もなく大破し、海面らから上部が僅かに出て居る。千切れた翼は四階建ての魚協の建物を半分破壊し、粉砕して散らばっている。
海面に立ち上ぼって居た炎は化学消防隊に因って消火され、真っ白な泡が港一面を覆って居た。続々と到着する警察車両、救急車、自衛隊の車両。
墜落現場を少し離れた上空には、マスコミだろう、何機ものヘリが旋回している。
そこへ制服制帽の消防署の人間らしい、小柄な中年男が敬礼をしながら現れた。
消防隊員の誰もが直立し、敬礼している。
「ご苦労様です、南の神崎です。一報が入った時は会議で焼津だったもので。これ は酷いですな。それで生存者は」。
「今の所60体の遺体が収容されましたが男女の区別が着かない程痛んでます。不謹慎ですが、現状から観て絶望でしょうな」。
そこへ、制服の綺麗な婦警が駆け寄る。何処かで会った様な気がした。胸には田島と書かれている。神崎に一礼し、林警部には敬礼した。
そして、佐伯の顔を見ると、何故か深々と頭を下げるのだった。
「警部、分かりました。墜落機は日本製のKOMADORI555型で、札幌発静岡行き627便です。乗員10名と乗客は270人。満席だったそうです。関係者がこちらへ向かったそうです。それが変なんです」。と、付け加えた。
「・・・変・・何がどう変なんだ」。
婦警は神崎と佐伯を見上げ、ここで話して良いのか迷っていた。
「この人は墜落を皆に知らせてくれた人だ。いずれ分かる事だから話せ」。
「はい。それが、問い合わせしたら内の機は一機も行方不明になった機は無いって言うんです。全てレーダーで捕らえてると言うんです。
そしたら、無線が入ったらして。静岡から627便が到着時間が過ぎても機影が現れないって連絡があって、それで知ったと言うんです」。
「そんな事あるのか、じゃあ静岡でも墜落した事は分からなかったのか」。
「はい、双方の管制塔のレーダーにはちゃんと機影は映っていたって話しています。ネエ、変でしょう」。佐伯はその話しの内容に目を輝かせていた。
「まさか・・・相対性立体残存作用」。と、ポツリと口にした。
「エッ、相対性立体残存作用?・・何ですかそれは?・・」。
相対性とは、その昔ドイツ系ユダヤ人の物理学者、アイン・シュタインが創唱した特種相対性理論、一般相対性理論の総称である
アイン・シュタインはその後、電磁気学と一般相対性理論を統一しようとしたが解明には至らず、この世を去った。
後にアメリカの物理学者、ホーキンス博士によって一般相対性理論は解明された。
佐伯はその理論の中から、時間と空間とは密接に結び付けられていると言う4次元の空間リーマン空間を研究していて偶然発見した佐伯の理論であった。
簡単に言うと。今回の旅客機の機影が札幌と静岡の両管制塔のレーダーに映し出されていた現象は4次元の空間、リーマン空間が存在する事を実証した物でもあった。
航空機は静岡空港に接近し、自動着陸システムを作動させた。その時、磁場の関係で空路に4次元空間リーマン空間が出現したと思われる。
航空機は一種の電波の固まりと同じであり、航空機全体から発する電波と自動着陸用誘導システムの電波と空港の誘導電波とがリーマン空間を通り、機影ごとレーダーがキャッチしていた。リーマン空間に残って居る飛行機の残存機影を双方のレーダーが捕らえていた。だから墜落したのにレーダーに機影がいつまでも映っていた。
NO-9-18
照れくさい様なこそばゆいような、ともかく体の節々がヒリヒリと痛み出した。
林警部「ともかく先に治療をしてもらって後で話しを聞かせて下さい」。林警部は佐伯の足元から全身を見ると、救急車に乗り込んだ。ストレッチャーの上にある毛布を取ると、ずぶ濡れの肩に掛けた。
「どうも、・・・」,言葉を返すと、僅か数分前の出来事を話した。
二人の刑事は頷きながら手帳に記している。周りには治療を終えた漁師達がいつの間にか集まって来ていた。佐伯にはまだ気になる事があった。それは突然消えた貨物船の事であった。
「刑事さん、実は・・・・」そう切り出すと話した。刑事も漁師達も半信半疑のまなざしで聞いていた。
「一応海上保安庁に連絡を取ってみます。三時半頃この用宗沖を航行したタンカーがあったかどうか。石野、海上保安庁へ連絡取ってくれ」。
「はい、3時半頃ですね」。
まだ新米刑事だろう、このクソ暑いのに汗だくになりながらスーツを着て居る、石野は軽く敬礼すると駆け出していった。治療を終え、一応の事情聴取を済ませた佐伯は消火活動と同時に行われて居る救助作業を見て居た。
港の土真ん中に墜落した航空機は跡形もなく大破し、海面らから上部が僅かに出て居る。千切れた翼は四階建ての魚協の建物を半分破壊し、粉砕して散らばっている。
海面に立ち上ぼって居た炎は化学消防隊に因って消火され、真っ白な泡が港一面を覆って居た。続々と到着する警察車両、救急車、自衛隊の車両。
墜落現場を少し離れた上空には、マスコミだろう、何機ものヘリが旋回している。
そこへ制服制帽の消防署の人間らしい、小柄な中年男が敬礼をしながら現れた。
消防隊員の誰もが直立し、敬礼している。
「ご苦労様です、南の神崎です。一報が入った時は会議で焼津だったもので。これ は酷いですな。それで生存者は」。
「今の所60体の遺体が収容されましたが男女の区別が着かない程痛んでます。不謹慎ですが、現状から観て絶望でしょうな」。
そこへ、制服の綺麗な婦警が駆け寄る。何処かで会った様な気がした。胸には田島と書かれている。神崎に一礼し、林警部には敬礼した。
そして、佐伯の顔を見ると、何故か深々と頭を下げるのだった。
「警部、分かりました。墜落機は日本製のKOMADORI555型で、札幌発静岡行き627便です。乗員10名と乗客は270人。満席だったそうです。関係者がこちらへ向かったそうです。それが変なんです」。と、付け加えた。
「・・・変・・何がどう変なんだ」。
婦警は神崎と佐伯を見上げ、ここで話して良いのか迷っていた。
「この人は墜落を皆に知らせてくれた人だ。いずれ分かる事だから話せ」。
「はい。それが、問い合わせしたら内の機は一機も行方不明になった機は無いって言うんです。全てレーダーで捕らえてると言うんです。
そしたら、無線が入ったらして。静岡から627便が到着時間が過ぎても機影が現れないって連絡があって、それで知ったと言うんです」。
「そんな事あるのか、じゃあ静岡でも墜落した事は分からなかったのか」。
「はい、双方の管制塔のレーダーにはちゃんと機影は映っていたって話しています。ネエ、変でしょう」。佐伯はその話しの内容に目を輝かせていた。
「まさか・・・相対性立体残存作用」。と、ポツリと口にした。
「エッ、相対性立体残存作用?・・何ですかそれは?・・」。
相対性とは、その昔ドイツ系ユダヤ人の物理学者、アイン・シュタインが創唱した特種相対性理論、一般相対性理論の総称である
アイン・シュタインはその後、電磁気学と一般相対性理論を統一しようとしたが解明には至らず、この世を去った。
後にアメリカの物理学者、ホーキンス博士によって一般相対性理論は解明された。
佐伯はその理論の中から、時間と空間とは密接に結び付けられていると言う4次元の空間リーマン空間を研究していて偶然発見した佐伯の理論であった。
簡単に言うと。今回の旅客機の機影が札幌と静岡の両管制塔のレーダーに映し出されていた現象は4次元の空間、リーマン空間が存在する事を実証した物でもあった。
航空機は静岡空港に接近し、自動着陸システムを作動させた。その時、磁場の関係で空路に4次元空間リーマン空間が出現したと思われる。
航空機は一種の電波の固まりと同じであり、航空機全体から発する電波と自動着陸用誘導システムの電波と空港の誘導電波とがリーマン空間を通り、機影ごとレーダーがキャッチしていた。リーマン空間に残って居る飛行機の残存機影を双方のレーダーが捕らえていた。だから墜落したのにレーダーに機影がいつまでも映っていた。
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