おはようございます。
ついに、我が家にピアノがやってきました。
前記事でも触れましたけれど、かなり苦労しています。
そんな顛末を、どうぞ聞いてやって下さいませ。
やってきたピアノは、昭和43(1968)年製造、
なんと半世紀を超えた、54歳のピアノです。
夫は、小学生の頃、ピアノをムリムリ習わされたものの
すぐにやめたので・・・・
以来、義両親の家で放置され、ガラクタ置き場になっていました。
ほぼ半世紀後、わたしたちが敷地内別居を始めてから、
メンテナンスと調律をして、ときどき弾きましたが、
そこはそれ・・・義実家ですから・・・w
結局、自宅で電子ピアノを弾くことの方が圧倒的に多く・・・
義両親がシニアマンションに引っ越してからも、
エアコンのない、暑くて寒い、古い家で弾くのは、
ハードルが、めちゃくちゃ高く・・・なんせヘタレなもので・・・
そこで、夫にかけあいました。
うちのリビングに、ピアノを移動したいと。
我が家は構造上、リビングに置くしかありません。
夫は、部屋が狭くなるからと、仏頂面。
もう、最後は泣き落としで口説き、渋々ながら了解をとりました。
ところが・・・
そこにいたって、気づきました。
そもそも、あのピアノ、移動して大丈夫なんだろうか!?
だって、齢60近いのよ・・・弾くと、ポクポク音もするのよね。
移動しても、使い物にならなければ、ダメじゃん。
まず、ピアノの先生にご相談。
「買い換えですが、今のピアノを下取りに出せば、
中古が安く買えるでしょう。あとはリースはいかがですか?」と
教えていただきました。
先生も、お使いになっているグランドピアノは某工房のリースなのだとか。
いろいろなピアノが弾けるので、お得なだけではなく、楽しいですよ、
と、のお言葉。
このお話に、かなり心動かされたものの・・・
またも夫が難色を示します。
先立つものの問題です。
リース費に加え、工房から、我が家への移動費もプラスとなると、
数十万単位のお金がかかるでしょう・・・
そこまでしたところで、
わたしが、いつまでピアノを弾けるのだろうか?
という不安は、大人のピアノの場合、ぬぐえません。
・・・ということで、
このピアノのこれからの健康寿命?を
信頼できる方に診てもらわねば・・・
すると、先生が、「何か一曲弾いて、スマホで録音して送って下さい。
だいたいのところはわかりますよ。」と、
おっしゃってくださったのです。
感謝、感謝、ありがたや~~
早速、我がヨタヨタのショパンを弾いてお送りすると・・・
先生から、すぐにお返事がきました。
「ピアノの音は狂っていません。
確かにポクポクいうけれど、それは調律で直せるはず・・・
わたしは弾けると思います。あとは調律師さんのご意見でしょう」と。
昭和のピアノが、まだ弾ける!
・・・ほっとしました。
思えば、それは年末も近い日のことでした。
(フラットボード。後述しています)
年明け・・・
松がとれてから、いつもお願いしている調律師さんに、ご相談しました。
前回は6月に診てもらっています。
すると、「あと、5年、10年はいけると思いますよ」と、
すぐに請け合ってくださったのです。あ~、よかった。
そこからは、話が早い・・・というわけにもいかず、
今度は移動の問題が出てきました。
調律師さんのご紹介で、ピアノの運送業者さんが
下見(無料)に来てくれました。
隣から我が家への移動、ほんの数メートルの距離ですが、
どちらの家も、入り組んだ家づくりをしているので、
移動は難しいらしく・・・
当初はクレーン移動も検討されたほどでした。
「うわっ、こりゃ大変だっ!夫にも立ち会ってもらわなきゃ」と、
夫の休みの日を希望しました。
2月から引越しシーズンなので、業者さんは、既に予約がいっぱい、
結局、3月に入ってからの移動となったのでした。
いよいよ・・・移動当日。
運送業者さんは、中肉中背の、30代から60代の男性3人。
まず、ピアノの板など外せるものを外し、軽くします。
それから横長のピアノを縦置きすると・・・
最後は、なんと肩にかつぐのです。
お一人が肩に当て布(ふとん)をし、片側をかつぐと、
その後ろにサブ役がつき、支えます。
そして、残りのひとりが、反対側から、ピアノを持ち上げて・・・
力業なんですっ!
ハラハラしながら見ていましたが、最後は感動でした。
打ち合わせを別にすれば、作業時間は30分ほどだったでしょうか・・・
ピアノの重量はだいたい200㎏弱から300㎏弱くらいなので・・・
いかに、スゴ技かお察し下さいませ。
その後、点検と調律をしていただき
のべ3時間ほどで、全ての作業を終了しました。
調律師さんは、「思った以上に、良い状態でした。
まだまだピアノ自体が、弾いてほしいのかな、と思います」と
嬉しいお言葉を頂戴して、大感激♫
調律師さんのおっしゃることは、分かる気がします。
このピアノにしてみれば、
半世紀以上、義実家で埃をかぶっていただけ、
全然、本来の力を発揮していないわけでしょう?
そりゃ、楽器として、生命を全うしたいよね・・・
そんな風に思うせいか・・・
昨日より今日の方が、いい音が出ている気がします。
かつてギターを弾いていた頃、わたしのギターはアタリ!と
皆に褒められるほど、よく音の響く楽器でした。
逆にハズレの楽器を買ってしまった仲間もいたわけで・・・
楽器は、やっぱり個性があります。
そういう意味では生き物です。
実は、まだポクポクと音はします。
鍵盤を叩いても、音がうまく出ないことがあるんです。
そのあたりは、やっぱり齢60近いからかなぁ・・・
ま、人間様も、あれこれガタがくるわけで・・・
弾き手もピアノも、お互い様です!
イヤらしい話ですが・・・
リースや買い換えよりも、ずっと安い金額で済みました。
一番お値段が張ったのは、フラットボード!
防音断熱のために取り付けたのですが・・・
これが今回の移動費用の半分を占めています(*゚д゚*)
ともあれ・・・
アラ還のわたしと同じ、昭和生まれの54歳のピアノ。
我が家にやってきたことで、これからが本当の相棒です♫
本日も、長々とおつきあいいただき、どうもありがとうございました。