
『皿と紙ひこうき』に続く、石井睦美ワールドの日々・・・♫
途中、挫折した本もありましたが、続いております。
本日は、『兄妹パズル』(ポプラ社)。
二人の兄を持つ高校生の亜実を語り手に、家族のこと、
学校のことが語られます。
上の兄は大学院生、母の美貌を受け継ぎ、成績優秀、沈着冷静。
下の兄は、元サッカー少年にして、家族のムードメーカーである大学生。
亜実は、上の兄には「尊敬に近い感情」、
下の兄には「親しみに近い感情」を持っている。
ある日、下の兄が突然、家出をした・・・
月に一度、遠い街の消印を押されたハガキが届くだけ・・・
やがて亜実が、気づいたことは・・・?というお話。

幸せな日常のなかに、あるいは、どんなに明るい人のなかにも潜む、
痛みや哀しみが、鮮やかに描かれています。
そのことに気づいた、亜実は、決して逃げようとしません。
今まで読んできた『皿と紙ひこうき』の由香や
『愛しい人にさよならを言う』のいつかよりも、明るく活発、
イマドキ風なヒロインです。

でも、家族や周囲を見つめ、精一杯、心を砕く姿は同じ・・・
それは、作中の世界が、日常に根ざしているから、
読者がヒロインに寄り添うことができるのでしょう。
いつの世も、どんな時代も、十代の過ごす、いわゆるアオハルは
当人から見れば、不安な日々でもありましょうが、
アラカンにもなると、ひたすらまぶしいのでございます。
今回も、石井ワールド、堪能いたしました。

(「ひぐまのキッチン」シリーズは未読。近々読むつもりです)
さて、石井さんと言えば、
昨今では「ひぐまのキッチン」(中公文庫)シリーズが大人気。
石井さんの小説には、おいしそうな食べ物が登場するのも、お約束です。
今回は、三兄妹の「母親」が、料理上手の設定。
毎朝、食卓で「おいしい?」と家族に尋ね、その答えによって
それぞれの健康状態を確認するというくらいですからw

実は、アタクシ・・・
前記事(「便利!安心!みそ玉」)でも触れましたが、
脱水症状が尾を引いているのか・・・体調がイマイチ。
お腹は空くけれど、食べたくない、という状況が続いています。
そんなアタクシながら・・・
作中の美味しそうなものに惹かれました。
そんななかでも・・・
亜実が晩ゴハンを食べなかった日の献立!
学校で衝撃を受け、ベッドの中で悶々とした日です・・・
健康な亜実は、夜半、お腹が空きます。
漂ってきた匂いで、晩ゴハンのメニューを、
把握していたから、なおさら・・・

「晩ご飯は、大根の味噌汁に西京焼きだったんだ。
ということは、冷たい茶碗蒸しの上にかたくりの餡がかかったのも
あったろうな。...考えたら余計お腹が空いてしまった」(183頁)
亜実のこういうところが大好き!
自分に通じる気がします。
高校生の頃、周りの女子たちが、よく「一晩泣き明かした」などと言うので、
やってみたけれど、即・寝落ちした女子高生のアタクシ。
悲しかろうと、何だろうと、生理的欲求には負けるんです・・・
もちろん、食欲は、亜実に勝るとも劣らず、旺盛でした。
さすがに、アラカンともなると、睡眠・食欲共に、
そうもまいりませんで・・・
でも、このメニューならイケそうってことで、真似してみました。

ハイ、上で、お目汚しをしている画像が、それでございます・・・w
ヒラスの西京焼き・焼き甘長唐辛子の甘味噌がけ 冷やし茶碗蒸し
キュウリと茄子のヌカ漬物 大根のお味噌・・・
ついでに、夫のお土産、大好物「和菓子 紀の国屋」さんの
「あわ大福」↑もペロリ・・・
(和物なら、食べられるんですよね~~w)
ここ数日、ヌカ漬け♥が続いているので、茄子もプラスしてみました。
色止めをしていないので、ひどい色になっていますが、
お味は満足。ナス好きの夫も、にっこりでした♫
ちなみに、でっかい甘長唐辛子は、我が家で収穫しました。
体調不良で、外に出なかったら、こんなに大きくなっていて・・・
びっくり!植物ってエラい!!
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台風の情報を聞く度に、不安に駆られます。
どうか、大過なく過ぎますように。
皆様も、どうぞ、お気を付けて。
◆書影は版元ドットコムより使わせていただいております。