この時期、ちょっとした藪を見つけると「朱い実」を探しています。
アタクシにとって、「朱い実」とは、カラスウリ・・・。
石井桃子「幻の朱い実」を読んで以来、
カラスウリを探すことが、毎年のお約束になりました。
「幻の朱い実」は、児童文学者として知られる、
石井桃子さんが、大人向けに書かれた小説です。
しかも、ご自身の自伝的な・・・!
(今は「石井桃子コレクション」<岩波書店>に収められていますが、
アタクシは、初版の司修さんの表紙画が大好きです)
「幻の朱い実」を、ざっくり申しますと・・・
桃子さん自身を投影した、ヒロイン明子と、
大学の先輩で早世した、蕗子との友情物語・・・
いやいや、あの交流は、そんな言葉では言い表せません!
晩年の明子は、何十年も前に亡くなった、蕗子を
想い続けているのですから・・・
アタクシは、この小説が、胸の痛くなるくらい好きでして・・・
二人の出会いのきっかけであり、小説の最後にも登場する
「朱い実」、カラスウリに、心惹かれたのでありました。
(距離があり、精一杯、スマホで撮影したものの・・・)
去年、ご近所でカラスウリを見つけ、
そちらの奥さまにカラスウリが大好きなことをお話しすると・・・
今年の春、株を分けて下さったのです。
株を見て、仰天!
「こりゃ、象の足!?」かというような・・・
掘り出すだけで、お大変だったろうなぁと、感謝感激でした。
やはり、カラスウリの好きな母が欲しいと申しますので、
一株、母に譲りました。
今年の春、庭に植えて、夏に花が咲き、秋に「朱い実」・・・
とは、さすがになりませんが・・・
今、我が家でも、母の家でも、すっかり根付いてくれています。
(2016年夏、大分県・耶馬溪 で撮影したカラスウリの花)
ググったところ、カラスウリは、雌雄があるそうで・・・
奥さまも、雌雄までは、おわかりにならないとのこと・・・
我が家と母の株から、花が咲くかは、お楽しみです。
来年、いえ、いつかの夏には、白い花を咲かせ・・・
やがて「朱い実」をつけてくれるのを信じて♫
◆『幻の朱い実』(岩波書店)初版を持っているのですが、
著作権の問題もあろうかと、こちらへのアップを控えました。