マスネ:歌劇『マノン』より「目を閉じれば」
〘 …ジュール・マスネのオペラ『マノン』。
私が最高に好きなオペラの一つです。プッチーニにもマノン・レスコーがありますが、アリアの数々の美しさや、マノンの艶めかしさ、最高の快楽と死への凋落と、オペラとしては断然マスネの方が楽しめます。
実はかくれオペラファンですが、まだまだひよっこです。私の桐朋時代の師、林秀光先生の奥様はメゾソプラノで、外来の歌劇場オペラやMETのライブビューイングにも何度もご一緒して、教えて頂いています。マスネは『ウェルテル』もドラマティック。
さてマノンの第2幕。
マノンと騎士デ・グリューが小さなテーブルをはさんで、2つの心模様を歌い上げるシーン。
マノンは、この小さなテーブルともお別れね、とデ・グリューとの別れを歌う。これも美しいアリアです。
それを引き継いで歌われるアリアが、『騎士デ・グリューの夢「目を閉じて」le rêve de Des Grieux En fermant les yeux”』
信じられないほどの美しさなのです。
どれほど聴いても、別のフレージングや歌い口がみえてきて、また聴きたいと思ってしまう。…
…世界的なテノールの歌手たちも、みなこのアリアを歌っていて、録音はいくらでもあります。
古くは、ディ・ステファーノ、レオポルド・シモノー、ニコライ・ゲッダ、ドミンゴ、パヴァロッティ、最近ではアルヴァレス、フローレス、カウフマン、ベチャワ、アラーニャ、グリゴーロ。。。。とテナーなら誰のものでも聴くことができるほどです。
結局のところ歌手たちが、自分だけの『デ・グリューの夢』を歌い上げたくなる曲なのでしょう。
しかし、カウフマンやベチャワのような強靭で大音量のテノールは、やはりこの曲で夢を見ることはできません。
私にとっての最高のこのアリアは、マルセロ・アルヴァレスの歌唱です。アルヴァレスの暖かい声質、ビロードのさらに上をいくようなえもいわれぬ滑らかさ、叙情性豊かだけれども決して堕落はしていない、これを上回る歌唱には出会えないように思います。
お相手のマノンはルネ・フレミング。3幕の絢爛豪華さとその麗しさ、有名なガヴォットのウィットに富んだ歌唱にも引き込まれます。… 〙
〘 歌手の木村カエラ(38)が10日、自身のインスタグラムを更新。目を閉じて空を見上げるショットを公開し、「キス顔じゃないよ」とつづった。…
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