映画「阿弥陀堂だより」のロケ場所に行ってきました。
「博士が愛した数式」の監督、小泉堯史さんの2002年の監督・脚本作品。
そのものズバリ、おうめ婆さんの住んでいた<阿弥陀堂>があり、いつでも
訪れて見ることができるんですね~。
映画自体は実際にある風景や建物、施設を使用して撮影が行われたそうで、
わざわざ作られた唯一の野外セットがこの阿弥陀堂だったそうです。
飯山市の万仏山に向かう上り坂。
小さな駐車場に車を停めて、素朴な石仏や青々とした棚田を見ながら歩いて
行くと、大きな栗の木の向こうにそのセットはありました。
真夏の真っ昼間だったから日差しが明るくて、木々も元気よく生い茂り、そ
んななかで茅葺きの建物はちょこんと控えめに存在していて、ほんとに風景
の一部になっています。
廃屋とは違ってきちんと手入れされているので、人の温もりが感じられるん
ですね。なので、訪ねてみたら戸が閉まっていて、たまたまおうめさんはい
なかった~、残念。また寄りますねー、という感じ。
留守中に勝手に中を開けてはいけないと思ったので、そのまま帰途に。
(開けて中を見ればよかったとあとから気づいた~泣。)
帰り道にふと思ったのは、周りに何もないあの阿弥陀堂に真夜中に一人でい
たら怖いだろうなあってこと。風流なんてものじゃなく。
他に誰も住んでなくて、静かすぎるあの家で、聞こえてくるのは虫の音、小
動物たちの鳴き声、川のせせらぎ、木々を鳴らす風、たたきつける雨、こす
れあう落ち葉、茅葺き屋根に降り積もる雪の音・・・・・・。
「わしゃあ極楽浄土なんぞ、なくてもいいと思っておりますよ。阿弥陀仏を
唱えりゃ、木だの、草だの、風だのになっちまった気がして。そういうもん
と同じに、生かされてるんだと感じて、落ち着くでありますよ。」
北林谷栄さん演じるおうめさんの言葉です。
(映画は一度しか観ていないので、観光パンフレットからの引用。)
おうめさん、96歳。私、ン歳。なんとなく概念はわかっても、まだまだ体は
そっちに行かなくてもいいよね(笑)。
日々の暮らしを淡々と描いた映像・・・そういう種類の映画は苦手なはずな
のになぜ観る気になったんだろうって考えてみたら、映画館でこの作品を観
たばかりの友人から「よかったよ」っていうメールをもらったんだった。
私が観たのはそれからずっと後、WOWOWのTV映像で。最後まで見られたの
は、好きな女優さんの小西真奈美さんが出てたこともあるけど、とにかく風
景が美しくて、と~っても懐かしい感じがしたから。
奥信濃の自然に触れるには、本当はこれからの季節がいいのに決まってる。
●阿弥陀堂だより
ストーリーやエピソード、おうめさんの言葉が読める公式サイトはこちら。
他のロケポイントもわかる「阿弥陀堂だより」観光案内はこちら。
出演の役者さんたちがみな素敵なので、それだけでも惹かれるものがあります。
秋が深まったころ、心落ち着けて(笑)ぜひ観てみようと思います。
そうですか、ご両親がお二人でご覧になったなんて素敵ですね!
題名でもわかると思うんですが、この作品はきっと若い人が感動するようなタイプの映画じゃないと思います。「博士が愛した数式」のような盛り上がりも特にないし(笑)。静かな静かな映画。覚悟してくださいね(笑)。
でも、私はな~んか最後まで見てしまった、でありますよ。(←おうめさん口調)。