「花の武将 前田慶次」千穐楽カーテンコール

いつものように紙吹雪がキラキラ上から舞いながら降ってきた。
次々登場するキャストたちに大きな拍手が贈られる。
最後に舞台奥から登場するのは、前田慶次 by 愛之助。
西洋風のメタルな甲冑に、赤いマント♪

先に並んでいた他の出演者たちと目と目を見交わしながら前へ。
座頭として一座の真ん中に立ち、三方礼。
挨拶する方に手を大きく広げ、どうもありがとうございました、
とはっきり口で伝えながらおじきをする。
その一連の所作のなんて美しいひと。
さっきまで馬上で大声あげて傾いていたというのに。
こりゃ、どうじゃ。
と傍らの利休に思わずもらす、秀吉の気持ちがわかりましたよ。

はじめは想像の中にしか存在しなかった慶次像が、
ナマで見て感じるうちに
衣装、雰囲気、佇まい、気配、匂い、血肉、心・・・
どんどんリアルな存在になっていき、
千穐楽ではもう、そんなことさえどうでもよくて、
どこで何をしようと、前田慶次といえば目の前にいるこのひと
と、心底思えた舞台でした。
たった４回だけど、私が見た中では一番自然体で自由な感じ。
台詞にある通り、心の命ずるままに生きているような。
自由人、慶次。ますます惚れてしまったやん♪

2010年9月。
前田慶次は松竹座の舞台の上で、間違いなく生きていましたよ。

カーテンコールではいつもより１つ多く幕が上がりました。
最後は出演者の何人かが手を振ってくれたりもしました。
慶次殿もそうだったかと・・・。

とうとうすべてが終わりました。
いったんそのまま帰りかけたのですが、千穐楽に限っていつもと
違う場所からの観劇だったため、紙吹雪を一切浴びなかったこと
に気づきました。
そこで花びらを集めに舞台の近くまで行ったとき、偶然幕の向こ
うから音が。
シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン！
一本締めでした♪
思わず外からこっそり、ちっちゃな拍手を。
素晴しい舞台を。素晴しい一期一会を。
本当にありがとうございました。


その花びらで書いた「花」の字です（笑）。
まつ様がことあるごとに包みを開いて見ていた、慶次との思い出
の花びらを思い出しながら。
（本当は「愛」がむずかしかったんです。えへ。）

まだ書き残したことがあるので、またあらためて。
（ええかげん、しつこいけどね。）


●このブログ内の関連記事（観劇メモ一覧）
「花の武将　前田慶次」備忘録（４）
「花の武将　前田慶次」備忘録（３）
「花の武将　前田慶次」千穐楽カーテンコール
「花の武将　前田慶次」備忘録（２）
「花の武将　前田慶次」備忘録（１）
「花の武将　前田慶次」２・３回目観劇
前田慶次の髑髏
「花の武将　前田慶次」１回目観劇