星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

山海塾「時のなかの時ーとき」  □観劇メモ

2006-03-19 | 観劇メモ(演劇・ダンス系)

今朝8時頃、シアターコクーンの前を通ったら毛布持参の徹夜組を
含めてざっと200人以上は並んでいる。
お目当てはコクーン歌舞伎、ではない。
白夜の女騎士の一般発売日だ。
私もここに並びたかったが(笑)それはさておき。

 公演名 時のなかの時ーとき
 劇場 世田谷パブリックシアター
 観劇日 2006年3月18日(土) 15:00開演
 座席 1階 F列

まだ観劇旅の途中だけど、この気持ちが消えてしまわないうちに昨日の
山海塾のことを。
昨秋の「偶然の音楽」以来の世田谷パブリックシアター。
そのときと同質の幸せな思いをまたかみしめることができた。
舞踏には言葉がないし、色もほとんどない世界。だから、静か。
静かで、とても熱い時間を味わったと思う。

新作のテーマは「時のなかの時ーとき」。
太古の昔の生物をイメージしたような群舞から始まり、全7シーン。
シーンごとに時が移ろってゆく。

こういう舞踏では感情のほとばしりみたいなものがあまりなく、どちら
かといえば理性で肉体をコントロールしているのではないかと勝手に思っ
ていたのだけれど、そうじゃなかった。
天児牛大さんのソロを見て<感情>という言葉を思い出した。
この人が出てくるだけで空気が変わるのがすごい。
「金柑少年2005」では演出のみだったので、私自身は「ひよめき」以来、
本当に久しぶりに天児さんが踊っている姿を見た。
特に激しい動きや、見た目に異常な体勢をとっているわけではないと思
うのだけれど、大地や自分自身や前方に突きつけるその指先の形や強さ、
体勢から体勢への流麗な移動に私は引き寄せられ、つい前のめりになって
見てしまう。
怖いくらい強い意思を持っているようなのに哀しげに見える眼。
(この人の眼は眼そのものに独特の表情がある。)
その表情や動きからは理性ではなく内面の感情が噴出しているように見え
て、私もつい自分の感情をそこに重ねようとしてしまう。
この人にしかできないオリジナルなものがいま見られていると思うと熱い
ものがこみあげる。
今回は最前列で見られたことがよかったのかもしれない。

作品のラストの舞踏が美しかった。
ひたすらスケルトンな体がいくつも目の前で動く群舞。(白塗りを施した
上半身は肋骨がいっそう強調される。)
それぞれバラバラの個体がスローモーションのようになって絡み合い、ま
とまり、全体がひとつの有機体のように見える。
加古隆さん、YAS-KAZ、吉川洋一郎さんらが担当する音楽もとてもよかった。

今回は新作のアフタートークに参加できないのがとても残念。
少しは謎解きができると思うのに。
舞台の天空から吊るされた金の輪は太陽なのだろうか。
あの日時計のようにも見える7枚の黒い板は何だったのか。
その下に斜め一直線に敷かれた道は何を意味しているのか。
天空から降りてくるポールの存在は何?
お釈迦様のように時おり指し示していた指にはどんな思いがこめられている
のか。等々。
ブログめぐりをしてアフタートークと残りの公演のレポを待つことにしよう。
後日、公演の劇場ポスターの写真もアップしたいと思う。

<劇場メモ>
○今回の公演パンフレット 1000円
○作品のCD 各2200円
 (金柑少年のCDもあったので、私は迷わず購入。)
○公演チケット
 今公演以後のチケットも劇場前の特設売り場で購入できる。


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