星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

第45回功名が辻 おぼえがき

2006-11-14 | 復活「2006功名が辻~今週の一豊さん」

第45回「三成死すとも」(11月12日放送) ●公式サイト
「2006限定~今週の一豊さん」は毎月曜日に更新予定。週末に予定が入った場合は遅れることもあります。

敗走中に東軍に捕えられ移された大津城で、淀への遺言を一豊に託す三成。
その伝言を千代から聞き、自分の代わりに三成の最期を見届けてほしいと頼む淀。
家康らが大坂城で戦勝報告をした後、三成は六条河原で斬首。
今週の一豊さんは、関ヶ原から大坂の屋敷に凱旋。戦いの虚脱感を千代のもとで
癒した後、論功行賞により土佐二十万石を賜り、ついに国持ち大名に!!

今週も歴史の裏側でうごめく人間たちの細やかな心の動き、人と人の感情の絡み
合いが面白くて。
今回はちょっと、登場人物が流した涙について考えてみました。

■三成~忠義半ば無念の涙
東軍の宿所である大津城の門前に囚われの身となった三成。
諸侯たちの前に縄目姿をさらさせるという残酷な発想は、家康によるものか?
そんななか、細川忠興が立ち止まって一礼するのと、一豊が自分の羽織を着せか
けるシーンが印象に残りました。
本心から相手が憎いわけじゃなく、武将たちは自分自身の生き残りを懸け、東西
に別れて戦い抜いただけ・・・。その結果の、勝ち組と負け組。
武将たちの必死のサバイバル戦に、「義」という、いわば武士の美意識を最後ま
で貫き通そうとした三成。もともと武家の出ではないがゆえに、義に憧れ、信じ
る気持ちが強かったのではないかと私には思えました。
でも、「義」だけでは人の心は掴めなかったようで。
その点、たとえ利のために集まった集団であろうと、豊臣家への忠義という体面、
逃げ道をちゃんと用意して諸侯を束ねた家康は良くも悪くもすごいなあ、と。
数の原理で「利」がいつのまにか「理」に変容してしまった感があるし。

いつもクールな鉄仮面で、感情など持たないかのように見えていた三成が、淀へ
の遺言を一豊に伝える瞬間にあふれた涙には驚いてしまいました。
この人が初めて見せた、最初で最後のナマナマしい感情。いいシーンでした。
(そんないい場面に、選挙の当選速報を入れるなんてユルセナイ~!!)
豊臣家を守り抜くという忠義が、目的半ばで断たれるという無念さ。その遺志を
どうしても淀に託したいという思いがこもった熱い涙。
一豊の「承ってござる」の返事に、涙が再びツーと流れたのは安堵の表れだった
のでしょうか。
小早川秀秋への「聞こえたかーーーっ!!!」も恐いほどの迫力だったし、家康
と対面した時の無言の睨み合いにもびっくりしました。
いやはや、今週の橋之助さん、素敵でした~~~♪

■一豊~途方もなくこみあげる虚脱感の涙
戦いが終わってから、大津城の宿所で一人きりで香を焚き、戦勝を祝う輪にも加
わらなかった一豊。(このときの殿の横顔、その美しさにドキンとしました~。)
大坂の屋敷に戻った時の第一声が、千代への「よう生きておったなあ!」
いま一豊の精神状態がどれほど死に近い場所にいるかが伝わってくる声であり、
言葉でした。
星明かりの庭。「わしはただただ運がよかっただけじゃ」と、戦いの後の寂しさ
を語った後、歌ってくれと千代に頼み、舞を踊り出す一豊。
その動きが止まり、後ろ向きになり、おそらく涙があふれるのを堪えようとする
仕草。(あ~ん、こういう姿たまりません~。)再び舞を続けようとして、殿、
とうとう地面に倒れ込んでしまうのでした。
「千代、敗れていった者どものためにもっと歌ってやれ!」
仰向けの顔から再び涙が。千代の前ですべてをさらけ出してしまう殿が好き♪
それにしてもあの踊り。決して悲しくなさそうな振りなのに、虚しさを体中にま
とった舞はとても切なく、つらく、優し~く見えました。

■淀~同志への祈りと女の愛の涙
「たとえ徳川様に屈するとも、秀頼様と豊臣家はお守りください。」
三成の遺言を千代から聞き、初めは気丈に振るまうも、やがてうつむき肩を震わせ
涙する淀。長年の支えであった三成の最期を思うとき、どんな感情が去来したのか
は想像してみるしかないのですが。
ただの家臣としてではなく、前線で共に戦った同志への祈りが半分。残り半分はや
はり三成への愛があふれた瞬間だったのだと思いたいです。そうじゃないと茶々さ
んの人生、花がなさすぎ。
「この世に生まれたことを悔やむことなく、静かに生涯を閉じられるように祈って
ほしい」なんて、女らしい言葉じゃないですか~。
大坂城で家康以下、諸侯を前に毅然とした態度で総括する淀。三成のためにせめて
一矢を報いた、という感じで天晴でした。

■祝♪ 土佐二十万石ゲットだぜい!!
今回の論功行賞はプロ野球の契約更改みたいに一人ずつだったんですよね。
その内容を聞き、目をまんまるくしたままフリーズする殿の顔、久しぶりっ。
家康は小山評定での功績に触れ、またまた一豊さんの手をとり、二人して感涙・・・
のいいシーン。一豊さん、感極まって涙がポロッとこぼれちゃうんですねー。
(でも、六平太によれば、こんな時でも家康の本心はわからないみたいで。)
皆に出迎えられて「おめでとうございます」と言われた時の顔、ホントに嬉しそう
でした。今回の報賞を「千代にもろうた国じゃ」と言ってしまうところ、好き(笑)。
天に向かって「吉兵衛ーっ、どうじゃ、見えるかーっ!」と大声で報告するところも
一豊さんらしい!!
大きな杯で夫婦してお酒を一気のみしちゃうシーンも、豪快でいいですよね♪
・・・と、ここまで上げ潮にのって意気揚々の山内家なのですが。
上りきったジェットコースターはすごい勢いで下るしかないのでしょうか。
(コワイよぉ~。)


今後のメディア情報 次回の記事アップまで随時追記中。
TV
★気になる共演者・関係者出演番組
 
●土曜スタジオパーク NHK総合 12月2日(土) 14:00~15:00(←11/15追記)
大河ドラマ「功名が辻」総集編
※「土曜スタジオパーク」は毎週要チェック。

雑誌・新聞
●「NHKステラ」11/24号(11/15発売)
<表紙>上川隆也さん
<功名が辻>3ページにわたって、上川隆也さんのインタビューと最終章のみどころ。
●「TVJapan12月号(11/15頃発売)(←11/15追記)
千代と一豊に訪れる最後の試練と夫婦の絆に迫る最終回特集。
上川隆也さん、仲間由紀恵さんにインタビュー。
●週刊朝日ムック「週刊 司馬遼太郎」(11/15発売)(←11/15追記)
戦国夫婦「出世の階段」「功名が辻」の世界
(「週刊朝日」8/18・25合併号~9/29号に連載された記事をまとめたもので、
記事もインタビューも既出の内容。ただし、写真とイラストがカラー。
なお、同誌には他の司馬作品に関する記事もいろいろあり。)
●「NHKステラ」12/8号(11/29発売)(←11/15追記)
<功名が辻>上川隆也さんにインタビュー。
●「NHKステラ」12/15号(12/6発売)(←11/15追記)
最終回を迎える大河ドラマ<功名が辻>を大特集。
「NHKステラ」には毎週、功名が辻の記事が掲載されています。その中の
ステラ「先物」情報
もチェック。
※「TVガイド」「歴史読本(月刊)」でも毎号、功名が辻の記事を掲載。

 
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4 コメント

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涙もいろいろ、ですね (しろう)
2006-11-14 23:51:14
今回の切り口は「涙」でしたか。いつもわたしとは違う切り口の感想に、毎度なるほどな~~と感心しきりで読ませていただいてます。それもあとわずかですね、さみし~。さて涙。涙ってすごいですよね。言葉なくとも、いろいろな感情がどんどん伝わってきちゃいますものね。(伝えられる涙を流せる役者さんがすごいってことかな。)
橋之助さんの三成、よかったですね~。でも上川さんと向きあうとやっぱり「た~かもとぉ」って聞こえてきちゃいそうなんですけどね(笑)橋之助さんの秀吉は、どうもまだ見られません。

上りつめたジェットコースターはすごい勢いで落ちるしかない、ですか。いい得て妙です~。ほんと、そんな展開しかない残り数話が・・複雑な気分ですねえ。もうそろそろほっこり幸せにしてあげたいのにね。
返信する
つい、ハズしちゃいました・・・ (ムンパリ)
2006-11-15 01:44:45
しろうさん、こんばんは。
今週はどうやら「義」がメインのお話だったようなのですが、皆さんのそれぞれの涙がグキグキッと心に刻まれたもので。イカンと思いながらも、それにしか目がいかなくて(笑)。役者さんたちの涙博覧会、すっかり堪能させて頂いてます。
申し訳ないけど、橋之助さんは秀吉役よりも三成や元就のほうがずずずっと素敵ですね(ここだけの話)。今回の再共演で、上川さんとの絡みがいっぱい見られてよかったですよねー!!
で、山内家。ほんとにこのままいつまでも幸せにしておいてほしいです~。来週が来てほしくないよぉ。
返信する
こんにちはぁ☆ (bluestar1719)
2006-11-15 10:48:17
こんにちはぁ☆
cocktail-lightのbluestar1719です。
"やっと"来ましたね。「一国一城の
主」吉兵衛が願った殿の出世がかない
ましたね・・。
でも名実ともに「一国」の主となるに
は、旧主の下にあった領民ともうまく
やらなければいけないわけで・・。
反発→粛清の「黒歴史」は描かないワケ
にはいかないでしょうが、見たくない
ですね・・。

(ワタシも橋之助元就は大スキでした☆
妻、息子と娘、家臣たちもいい感じだ
ったんで・・。)
http://tb.plaza.rakuten.co.jp/bluestar1719/diary/200611120000/9a607/


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一国一城ですが・・・ (ムンパリ)
2006-11-15 22:22:52
bluestar1719さん、こんばんは。
一豊さん、ようやく国が持てるんですね。名目上は。
今回の大河は「一国一城」の夢が終わりのほうで叶うので、今なおハラハラドキドキしながら引っ張られています。
最終章にきて暗黒のエピソード~、とは思いますが、やらないことには終わりませんものね。どんな後味になるのか少し心配です。

毛利元就は天下人にはならなかったけれど、あれはいいドラマでしたね。私も好きでしたヨ。
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