第47回「種崎浜の悲劇」(11月26日放送) ●公式サイト
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今週の一豊さん。土佐入りはしたものの、一領具足の反乱が各地で続く日々。
千代までもが一豊のやり方に不満を抱き二人の間に距離ができ始めるのでした。
一方、家康からは急いで土佐を平定するようにとのお言葉が。
そんななかで起こったのが、一領具足の長を皆殺しにするという種崎浜の悲劇。
惨劇中に新一郎が死に、後から六平太も自害。そして、千代は一豊に・・・。
土佐の「一領具足」は今年はじめて知った言葉。なので、個人的にこのドラマ
は歴史の勉強にもなっています。ただ、史実については言及できるほど知識が
ないので、いつものようにドラマのストーリーに従うだけですが。
涙々の今回は私、登場人物の「目」がとても気になりました。
とりわけ、一番こわかったのはそりゃアァタ、ラストの千代さんの目ですわな。
■ダーティー六平太~闇に生きる者の孤独な目
種崎浜で惨殺におよぶ前、六平太が新一郎にいみじくも言った言葉。
「泥は俺がかぶればいい」。「祖父江家の跡取りが名前を汚してはならぬ」。
やっぱり、汚れた部分を一身に引き受ける覚悟で土佐に来たのね、六平太。
六平太が発案し、遂行した事は、人の道として絶対にあってはならないこと。
嘘をついて人を集め、根絶やしにするという考え方は、ホロコーストとなんら
変わりはないのだと今の私たちには想像がつくけれど・・・。
でも、それが六平太の任務。六平太の生き方。
あー、なんて非情で、孤独で、悲しすぎる選択なんだろう。
なぜか六平太、人と目線を合わさずに話しているイメージが強かった。(実際
にはそればかりではないけれど)。光の側にいる他者とはつねに一線を画した
感じ。それでよかったのかもしれない。千代さえいてくれれば。
新一郎が刺されて死んでしまったことだけが六平太の誤算だったようで。
何の感情も見せず自ら采配をふるった大量殺戮の現場で、新一郎一人の死にう
ろたえ、感情を露にする六平太。人としての心を垣間みせた一瞬でした。
<子々孫々のことよりも今目の前のこと>を解決しなければ。
いま千代を守らねば。
千代を守ることが何らかの形で悲劇につながることを六平太は知っていたから。
だから、山内家の家臣になる時に涙をこぼしたのだとようやくわかった私。
「死ぬときだけはお前の腕の中と決めていた。そのために土佐に来た。」
一人の女性を守るために生きて死んだ男、六平太。ううっ、なんてヤツなんだ。
あの孤独の戦士の目をきっと私、しばらく忘れられないと思う。
六平太役の香川照之さん。いつも唸るような演技で魅了された役者さんでした。
■一豊~後ろめたさと闘う自失寸前の涙目
土佐に来てから、まるで催眠術にかかったかのように六平太の意見を取り立て
る一豊。ナンカちがう感があったのはたしかなんですよね。
どうしようもない何かに突き動かされているというか。
焦りがあったというか。自分を失いつつあったというか。
まず、長宗我部の残党の抵抗にあい、浦戸城にさえ密かに入城したこと。
千代が狙い撃ちされたこと。
大坂城で家康に再度プレッシャーをかけられたこと。
そんな状況で六平太から聞かされた、一領具足の長の惨殺計画。
下知をしなかったからといって、国主なんだから、知りませんでした~ではす
まされないのは当然で。あの一豊にそんなことをさせてしまうほど、よほど厳
しい戦況だったとしか思えないのですが。
そんな事をしたら子々孫々にまで伝えられ、いつか復讐される、という一豊の
言葉。そういう時間の観念があるなら、本当は戦は起きないと思うんだけれど。
思うに今週の一豊さんは、見た目以上に心の中はきっと満身創痍だったはず。
どの顔を見ても私にはずうっと涙を流しているように見えました。
国主の妻を狙った男の処分について、千代本人に非難されたときも。
惨殺計画を聞いた夜、千代のそばで幸若の舞の一節を口にするときも。
千代に「行くなーーーっ!!」と叫んだときも。
千代に対して「猶予がない」とか「ゆるせ」とか、そんな言葉しか返せない
一豊さんを見ているのはつらかったなー。
亡くなった新一郎を前に、新右衛門に対してわびる殿が小さく見えました。
長年行動を共にした新一郎。殿を諌める言葉も父親にそっくりだったのに。
最後の「殿の・・・お顔を、殿の・・・お声を・・・聞きたい」のシーンが
もーねー、たまりませんでした。ううう~、お疲れさまでした。
「人間五十年 下天の内をくらぶれば夢幻のごとくなり・・・」
(幸若の舞「敦盛」)
上川さんファン的には、えー! いまここで? 一豊さんが? と驚いてしまった。
それは1月に信長として踊るはずじゃあ・・・。いいんですけどね(笑)。
苦悩の顔にも年齢と経験がそこに感じられる上川さんの一豊。きっと身も心も
一豊と一体化しちゃってるんでしょうね。
煮詰まった場面ではあるのだけれど、ん~、つらい表情もいいお顔です♪
■千代~清く正しい妻が放つ軽蔑の目
ごもっとも。はいはい。その通りでございます。
と思わず殿の代わりに言いそうになる、ビューティフルでパーフェクトな千代
の正論。理想と現実の間にあまりにも大きな隔たりがあるんですよね。
それがそのまんま、千代と一豊の隔たりなのね~。
でもさー、最初は千代さん、六平太のことも非難してたじゃないですか。
それなのに、六平太が自害した途端、そのことさえ殿のせいのようになって。
一領具足の惨劇も、新一郎の死も、六平太の死も。すべて一豊さんが悪い、と。
なんかすごくかわいそうだよ、殿。
ただ、女が男を軽蔑する時、男に冷める時、ってこうなんだろうなとも思うし。
生き方、価値観の相違っていうのは決定的なんだよね、うん。
それを我慢していっしょに生きるのはつらい。それもわかる。
だからといって、あの目。さーっと引いて、横目で見下したような、あの目。
一豊さん、あんな目であんなこと言われたら、もう生きていけそうにないよっ。
ヘルプ・ヒム。殿に愛の手を。
今後のメディア情報 次回の記事アップまで随時追記中。
TV
★気になる共演者・関係者出演番組
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ゲスト:上川隆也さん。
※「土曜スタジオパーク」は毎週要チェック。
雑誌・新聞
●「月刊TVnavi」1月号 11/27~12/31(発売中)
P.16~17 「上川隆也の 辻の向こうから」最終回(スーツ姿の上川さんの写真が3点)
●「NHKステラ」12/8号(11/29発売)
<功名が辻>上川隆也さんにインタビュー。
●「NHKステラ」12/15号(12/6発売)
最終回を迎える大河ドラマ<功名が辻>を大特集。
※「NHKステラ」には毎週、功名が辻の記事が掲載されています。その中の
ステラ「先物」情報もチェック。
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cocktail-lightのbluestar1719です。
いつもありがとうございます。
>女が男を軽蔑する時、男に冷める時、
確かに。こういう目をするんでしょうね。
「この人には何を言っても響かない。」
と言う感じかな。
千代の考え「円満に」「争わないで」
っていうこの時代だとある意味難しい。
今回のような殺戮は日常茶飯事。
武士と結婚した時点で覚悟していたは
ずなのにね。
http://tb.plaza.rakuten.co.jp/bluestar1719/diary/200611260000/2488d/
殿、たしかに相当焦って行き詰まっていますよね。でも殿は、六平太だからすべてを呑んだと思います。彼が仕官を願い出たときの態度、表情から、そして千代の言葉から、六平太は必ず山内家を守る、と殿は確信したと思いました。ま、なにしろこのふたり、究極の目的は同じですからねえ。微妙な三角関係のうえに成り立っている堅固な信頼関係(笑)
殿、今回はどんなにつらくても、涙を流していないんですよね。涙を心いっぱいに溜め込んじゃっているようだから、余計に苦しそうで。
よしよし、あちきの膝で泣きなんし。(こらーーっ!)
>「この人には何を言っても響かない。」
あ、それ、きれいな表現ですねえ~。誰かにそう思われたらコワイ気がしますが(笑)。
> 千代の考え「円満に」「争わないで」っていうこの時代だとある意味難しい。
千代さん、武士に嫁いだうえに今や国主の妻なのに、今さらという気もしますよね。夫が新しい任地を死守しようとしている時に、自分の信念だけを貫こうとする妻はワガママとしか思えな~い。
ましてや、この時代にね、ほんと同感です。
今回は殿、国主としてがんばったんですよね。涙を流していないのに、涙を流しているようにしか見えなかったのは不思議な感覚だわ~。殿は六平太を信頼してたんですね。催眠術ではなく(笑)。
> 微妙な三角関係のうえに成り立っている堅固な信頼関係
そーそー、ソレソレ!!(笑)。この心地よいバランスがくずれると、女はたいがいああいう「目」をするんですね。つまり、千代さんも六平太のことを幼なじみ以上に好きだったわけで。とすると、土佐に来てから三角関係を保てない状況を作った殿を単に恨んだだけだったりして。価値観の違いなんかじゃなく(笑)。あっはっは。そっちのほうがスンナリ受け入れられるわ、私。
六平太の銃弾の誓い&涙は、今回の毒をこめた銃弾につながるんですよね。何かあれば千代のためにいつでも死ぬ覚悟があると・・・。その場所が土佐になるという直感、本能が働いたのかな、って思いました。
> よしよし、あちきの膝で泣きなんし。(こらーーっ!)
こらーーっ!!!(笑)