後期高齢者医療制度（その５）

　「高齢者差別の医療制度は廃止しかない――撤廃の一点での国民的共同をよびかけます」は、次のような特徴があります。
　政府・与党も制度の一部「見直し」などを言い出していますが、「小手先の『手直し』ですむような問題ではなく、撤廃するしか解決の道はない」ことを強調。「制度撤廃」の一点で、政治的立場の違いを超えた国民的共同を広げて、制度を廃止に追い込むことをよびかけています。
　その理由は三つです。　①医療費削減のための高齢者差別法は許されない　②制度が存続すればするほど、国民を苦しめる　③すべての世代に重い負担と医療切り捨てを押しつける制度。　どんな理由があれ、医療という人間の命にかかわる問題で、高齢者を差別する制度は許されません。保険料が二年ごとに際限なく値上げされ、高齢者への差別医療を将来的に拡大するレールが敷かれており、「制度の『延命』自体が、耐えがたい負担増と給付減につながる」ものです。
　また、この制度は「団塊の世代」を最大の標的にしており、現役世代に新たな負担増を求めています。現役世代にとっても、この制度は、現在も将来も災厄をもたらすものであり、「世代の違いをこえた共同」することが重要です。
　国民が安心できる医療制度をどうつくるかについて、財源問題を含め、国民的な討論によって合意をはかる必要があることを強調しています。