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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.1.4 Newsモーニングサテライト

2017年01月04日 15時27分08秒 | MS
■マーケット

NY株  揃って反発
年明け初日はもたつき気味。トランプ新政権への期待が現実に変わるのか?市場も少し冷静になっているかもしれません結局2016年内の2万ドル突破はなりませんでした。市場参加者が少ないうえに、材料も少なく、エネルギーにかけました。年明け最初のダウは上昇も午後に入り、やや失速。中国の製造業指標が予想を上回った事は安心感も良好なアメリカの指標を受け、世界的に見たドルが14年ぶりの高値を付けた事は、重石になったかもしれません。この為替の動きをはじめ、今年は、物価や金利の動きに絡んだ、FRBの采配にも市場は注目しています。株価終値です。ダウは119ドル高の1万9,881ドル。ナスダックは45ポイント上昇のの5,429。S&P500は19ポイントプラスの2,257。
 
  
【NY証券取引所中継】「1月効果」あり?
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏

--午後に入ってちょっと勢いが沈んでいますね。
朝方は好調な経済指標に支えられまして、ダウは一時170ドル上昇する場面もありましたけれども、現在は原油価格がやや下がってきたことで、ほぼ100ドル高くらいになっています。

--さて株式市場には「1月効果」という言葉がありますよね。
そうですね。年末までに損失を確定させて株式売却すると、通常所得と3000ドルまでは相殺できるほか、売却益(キャピタルゲイン)とは無制限に相殺できますので、年内に損失を実現してしまうという動きが出ます。その動きが年を開けると無くなりますので上昇しやすい。これが株式市場の「1月効果」と言われるものです。

--それで気になる今年の傾向はどうでしょうか。
トランプ政権で税率が低下すると言われていますので、売却損を出すなら年末までの方がよかったんです。今回は特に税率の変更が予想されるので、去年の末までに売りが多く出た可能性があります。ですのでその反動もこの1週間ぐらいでかなり出やすい時期だったということです。あとは1月は低税率なので、税を確定してしまおうという人もいるかもしれませんけれども、実は過去に低税率は3月まで施行されなかったケースもありますので、今はまだ売っても仕方がないということです。
 
 
 
【NY証券取引所中継】米法人税減税 注意点は?
解説はホリコ・キャピタル・マネジメントLLCの堀古英司氏

--大引けにかけて少し戻しましたね。
堅調な経済指標、原油高を受けまして、結局ダウは120ドル高となっております。

--さて株式市場では法人税減税の期待が株高を支えている面もあるんですが、注意点もあるみたいですね。
法人税減税は企業の税引き後の利益がふえるので、これはそのまま株式市場全体にいい材料です。ただこれに伴って共和党の案では、2つ控除できなくなるものがありまして、①借入金の利息、②輸入品の仕入れ、が費用計上できなくなるかもしれないということなんですね。

--まず、①借入金の利息、これはどういうことなんですか。
普通は銀行からお金を借りてその利息が発生すると、それを費用計上できるんですけれども、一方で株式で株主に渡す配当というのはもちろん費用計上できないですよね。株式というのはもともとリスクもあるのに費用計上できないので不利だということで、これを公平にしようということで、借入金の費用も認めなくするという案が出ています。

--一方、②輸入品の仕入れ、農法はどういうことなんでしょうか。
今だいたい原産地ベースで課税されているんですけど、これを最終需要地ベースにしようという案が出ていまして、これになると輸入品が非常に不利になるんですよね。輸入企業にとってはあたかも輸入品の他国との交渉なしに輸入品に大きな関税をかけるという効果があるので、こうなると輸入企業にとっては不利で、為替ではドル高の要因になります。
こうして借入金の多い企業とか、輸入企業とか、この辺にとっては不利な税制になるかもしれませんので要注意です。
 
 
 
 

【為替見通し】注目ポイントは「FOMC 議事要旨」
解説はみずほ証券の鈴木健吾氏
 
--NY市場は値動きの激しい展開でしたね。
中国製造業 PMI の強さを受けたリスクオンムードに加え、NY時間には 12月の ISM製造業指数が約 2年ぶりの良好な数字となったのを受けて、ドル円は 12月の高値とほぼ面合わせの 108円60銭近辺まで上昇しました。しかしその後は米株が伸び悩み、金利も低下に転じると、ドル円も 117円台半ばまで反落しています。

--今日の予想レンジは、117.00円 - 118.50円です。
昨日は上下に振られる展開となりましたが、本日は相場に徐々に厚みが戻る中で比較的静かなスタートになるとみています。

--注目ポイントは「FOMC 議事要旨」です。
本日 NY時間には利上げに踏み切った 12月の FOMC議事要旨が公表されます。この FOMC では 2017年に 3回程度の利上げを示唆していますが、そこに至るまでの議論の内容に注目しています。基本的にはタカ派的なトーンが強いとみられ、ドルの下支え要因になると考えていますが、これまでのイエレン議長の発言にあるように雇用指標の改善を特に重要視していた場合、金曜日に控える雇用統計待ちの雰囲気が強まりドル円の動きが限定的になるのではないかとみています。
 
 


 

【日本株見通し】
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏マネックス証券の広木隆氏野村証券の若生寿一氏インベストラストの福永博之氏ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏大和証券の石黒英之氏

--実は今日年まで3年連続で大発会は下落して取引を終えていますけれども、今日はどうなるでしょうか。
 
 
 
 





■ 2017年株大胆予想スペシャル

2017年。日本株はどう動くのか?モーサテが誇る6人のスペシャリストが大胆予想します。今年の年末の株価予想で多数派を占めるのはアベノミクスの高値である2万868円を大きく超えた2万2,000円や2万3,000円といった予想。一方で、円高予想で、1万9,000円台と予想する声もあります。他にも今年のモーサテ版5大リスクやスペシャリストたちが注目するセクターなどを紹介、今年の投資戦略を考えます。


(1) 2017年、日本株はどう動くのか。

6人のスペシャリスト:インベストラスト・福永博之、ニッセイ基礎研究所・井出真吾、大和証券・石黒英之、三菱UFJモルガンスタンレー証券・藤戸則弘、マネックス証券・広木隆、野村証券・若生寿一が大胆予想。

問題「今日の予想私は自身に満ち溢れている」。
回答:福永×、井出○、石黒×、藤戸○、広木○、若生×。
問題「今年の年末の日経平均株価はアベノミクス相場の高値。2015年6月24日に付けた2万868円を超える」。
回答:福永○、井出×、石黒○、藤戸○、広木○、若生○。


今年市の株価水準どの程度までいくのか、6人が1年間のチャートの推移を予想。

《三菱UFJモルガンスタンレー証券/藤戸則弘氏》
(17000~2万1500円)
トランプに対する期待感、それによって需給相場がいま行われていますけれども、春ぐらいまでは続く可能性が高い。ところがシラフに戻ってくる時が出てくる、現実に直面する。そこから調整に入っていくということだと思いますね。夏場あたりには、先ほどもいくつか出ましたけれども、貿易摩擦が日米間でも出てくるという形になって調整して1万7000円程度まで行く。但しトランプの政策の中で大幅減税というのは実現する可能性が高い。それで実体経済が拡大してい行って、めでたく年末に2万1500円まで行くと考えています。

《野村証券/若生寿一氏》
(17500~2万2000円)
転換点のイメージというのはその(藤戸氏)通りなんですが、水準感のイメージとしては、私がいつもお話ししています『EPS×PER』というPERのレンジでかんげるべきなんだろうなと思います。13倍~16倍というのがこの3年ぐらいのPERのレンジです。ですからいったんこれで115円ぐらいの業績を織り込みながら15倍に到達するというのが2万を超え2万1000円、これが春先ぐらいのイメージですね。そのあと期待感が剥落する中で13倍を確認しに行くというのが安値のイメージで、ただそのあと2018年を織り込みに行く中で、もう一回年末には15倍に戻る。そうすると2魔2000円というイメージになってくるということですね。

--ですから企業業績というところに結構大きく比重を置いていらっしゃる。改善するというふうに見ていいらっしゃるんですね。こうしてみると皆さん春先まで上昇していって、いったん下げて年末に上がっていくというチャートの推移を多く出していらっしゃうるんですけれども、こういうのがみなさんのメインシナリオなんですか。

《大和証券/石黒英之氏》
だと思いますね、今年は特に期待先行でトランプ相場が進んでいますので、5月あたりにその選考相場がいったん一段落するという風に思いますね。

--ただ皆さん株高予想が多い中で、一人だけ井出さんは、1万7000円~2万円、年末には19000円くらい、何故なんでしょうか。

《ニッセイ基礎研究所/井出真吾氏》
さっき藤戸さんが仰ったようにトランプへの期待が剥がれ落ちるというのもあると思うんですけど、他にも今年は欧州がテーマだと思っているんですね。いろんな国で選挙が行われますよね。もう一つ忘れてはいけないのがギリシャの債務返済問題が再燃しそう。となるとユーロが売られて円高、これも日本企業にとってディフェンシブになってきますので、EPSがあまり伸びなくなるという風に考えています。

--業績に関してでは一株利益は若生さんとどのくらい水準感が違うのかなと思うんですけれども・・・。

《井出氏》 今期は円安のボーナスで業績はある程度上振れがあると思うので、来期の発射台が高くなるので来期はあまり伸びない。5%ぐらいしか伸びないんじゃないかなと思っています。EPS1300ぐらいとみています。

《若生氏》 円安になり始めたのがごく最近ですから、実際企業も115円は織り込んでいない状況ですので、今期の影響についてはそんなに大きく出なくて、むしろ来期と2期平均ベースだと1400円ぐらいのEPSになるのかなというふうにみています。


【モーサテサーベイ】28人回答
 

 

(2) 2017年、為替の水準は?

福永 120円台
井出 105~110円
石黒 120円前後
藤戸 高値123円ぐらい、年末は120円前後
広木 130円
若生 120円前後
 
 
 


(3) 2017年5大リスク

強気な株価展望を覆すリスクはどこい潜んでいるのか。モーサテサーベイで番組出演者に聞いたマーケットをかく乱する要因上位5つ 
1位 米トランプ次期大統領の経済政策
2位 新興国経済急激な減速
3位 米国長期金利急上昇(FRBは年3回の利上げ見通し)
4位 反EU勢力の台頭
5位 中国バブル崩壊、欧州金融システム不安

モーサテ5大リスク・米国・トランプ政権の行方は
ゲストの皆さんはどう見ているのか。
問題「今年一番の懸念はトランプ次期大統領の経済政策だ」
回答:福永○、井出×、石黒○、藤戸○、広木○、若生×。

《マネックス証券/広木隆氏》
「リスクというと株が下がるとか景気が悪くなるとか、うまくいかないということだと思うんですけど、僕は逆に強くなりすぎてしまう、トランプ氏の経済政策が効きすぎるほうのリスクだと思う。上振れシナリオだと思う。ただでさえアメリカの景気がすごくいいので、そこにトランプ大統領が打ち出す経済政策が出てきたら過熱しすぎてしまうのではないかと思う。例えば財政拡大ができないのではないかと言われていますけれども、確かに共和党がそんなにすんなり議会が財政拡大をさせるかというのは分からないんですけれども、民間の資金を使うという話も出ています。今度のトランプ政権の顔ぶれを見ると、実業家とかウォール街出身者ばかりでたぶんそういう金集めがうまい人たちだらけなので、すごいアメリカに投資マネーが投下されて加熱しすぎてしまうというのがリスクだと思うっているんです。」

《三菱UFJモルガン・スタンレー証券/藤戸則弘氏》
「それもありますけれども、私はいま期待感でマーケットが動いているので、それができることと出来ないことがいずれ見えてくる。その時の反動というのがかなり大きくなってしまう。したがってマーケットは今年も上下にぶれる大きな展開となる。上がるときもトランプ、下がるときもその期待の剥落で、やはりトランプということで、1位にトランプの経済政策でよいと思います。」

--ただ景気が過熱するかも、という広木さんの指摘というのは実は、この5大リスクの3位「米長期金利の急上昇」といったところに不安が表れているのではないか。

《野村証券/若生寿一氏》
(フリップ:米金利上昇は住宅等のリスク要因)
「私は実はこの3番目が一番大きなリスクだと思っている。ですから広木さんが仰った通り景気が過熱してしまうことによって、長期金利が急に上がってくるというようなことになると、やはり実体経済にどこかで影響が出ているんですね。例えば過去、住宅着工と長期金利の関係を見ると、逆相関的な動きをすることがよくあって、10年債利回りが上がると、住宅着工が抑えられるとか、そういった形になることもよくあります。」

《インベストラスト/福永博之氏》
「米長期金利が上昇すると、先ほどもメキシコからアメリカ国内に工場を移すとかいう話がありましたけれども、そうなりますと調達コストが上がることになります。調達コストが上がるということはそれだけ企業負担が増える。なおかつそうした中で金利が上がると、これはオーバーキルと言って、景況感を殺してしまう状況になりかねない。ですから一番いいのはユーフォリア状態になっている中で、金利が上昇してそこで企業の業績がついてこないというのが一番怖いのかなと思いますね。年3回ぐらい、0.25%の利上げ予想ですから3.25を超えて3.5%~4%に近づくとちょっと厳しいのかなと思う。ただ一方で企業側の体力がありますから、3%を超える段階で企業の体力がちょっと持たないとなりますと、その場合には株価の急落というのに近づいていくのかなと思いますね。」



 
(4) 今年のテールリスク
--様々なリスクがあるわけですけれども、そういった中で実は『テールリスク』、起きる確率は低いけれども、起きたら影響が甚大だというリスク、実は去年もたくさんあったわけですけれども、今年のテールリスクを皆さんにも聞いてみました。

(フリップ:番外編2017年テールリスク)
《藤戸氏》 「地政学的リスク(中東・アジア)」
《広木氏》 「地政学的リスク(南シナ海・北朝鮮)」
《若生氏》 「地政学的リスク(米中関係)」
《福永氏》 「コントロールが効かなくなる地政学的リスク(米中関係)」
《井出氏》 「日銀ETF減額」
《石黒氏》 「日本企業に失望」

・解説
《井出氏》 「日銀ETF減額」
「これは私の予想に反して株価が順調に言った場合、それから日本国内の経済もうまくいったときに、そろそろ日銀のETF買いって意味あるのか、という話が出かねない。それは当然日本株にとってマイナスですから、確率は低いですけれども、一応頭の隅っこには置いておきたいと思います。」

《石黒氏》 「日本企業に失望」
(フリップ:日本企業の現預金過去最高水準)
「日本企業というのはキャッシュをずっと貯め込んでいまして、非常に円安依存の収益体質から抜け出していないわけです。まだ企業の収益改革が進んでいないわけです。ですから今は日本株堅調という形にはなっているんですけれども、入れがいったん円安が止まって、再び円高になった時にキャッシュを有効活用せずに収益体質が弱いままで稼ぐ力が弱いところに海外投資家の焦点が当たってしまうと、失望を招くリスクはありますので、注意しておいたほうがいいと思います。」

《広木氏》 「地政学的リスク(南シナ海・北朝鮮)」
「トランプ政権の経済のほうはいいんですが、やはり外交のほうが不安であるのと、東アジアの地政学リスク、思わぬところの軍事的な衝突とか、これはもうまさに予想できないので、テールリスクだろうと思います。」
 
 


(5)2017年の投資戦略・○○に注目する

新春・株・大胆予想。
今年私なら○○に注目する。
(フリップ:2017年、私なら○○に注目する!)
《藤戸氏》 「日本株」
《広木氏》 「日本株・米国債ベアファンド」
《若生氏》 「日本株・露ルーブル・インド株」
《福永氏》 「日本株・海外資産・債券ベアファンド」
《井出氏》 「日本株」
《石黒氏》 「原油・エネルギー関連」

・解説
《藤戸氏》 「日本株」
「FA(ファクトリーオートメーション、工場の省力化・無人化)関連企業、キーエンス、ファナック、三菱電機、オムロンなど」
(フリップ:新興国の賃金、上昇続く)
これは先進国ではもちろんなんですが、実は新興国でも賃金の上昇というのは非常に問題になってきている。
グラフを見ていいただければわかると思うんですけれども、中国の深?が沿海部で4割ぐらい上がっている。中国はあまりにも賃金が上がり過ぎたので、今度はアセアンにみんな逃げている。その結果ベトナムのホーチミンを見ていただくと、12年比でもう5割上がっている。ですからいずれこうした新興国、中国はもちろんなんですけれども、このFAの投資というのはどんどん出てくる可能性がある。それから日本でも今まで円高で設備投資を控えていた企業経営者がマインドを改善してきていますから、国内もスタートする。従ってFA関連の代表のキーエンス以下は今年のスターになるというふうに考えています。」

《広木氏》 「日本株・米国債ベアファンド」
 
(フリップ:金利はトランプ前から反発)
「銀行株、今年一番確信度が高いのはアメリカの金利が上がるだろうということです。これまで長く続いてきた低金利時代が、去年大底を打ったんじゃないかと思う。今年のテーマは世界的な金利上昇だろうと思う。日本も日銀がイールドカーブコントロールをやってますけれども、長期金利ゼロという水準が多分年内で変わってくると思う。そうなってくるといよいよ銀行株が本格的に買われる時代じゃないかなと思います。」


「自動車部品株、電子部品株、これは第3次産業革命の流れの中の大きなテーマだと思いますし、最後のところはアメリカのインフラ投資が出てくる。こういった中でアメリカに子会社・関連会社を持っている企業が有利になるんじゃないかと思います。」





《若生氏》 「日本株・露ルーブル・インド株」
(機械・自動車・電子機器・商社・銀行・保険)
「日本株:考え方は円安とアメリカの景気と広木さんが仰った金利の上昇、それらの恩恵を受けやすいところ、もうちょっと先になるとガバナンス改革などを踏まえて連続増配できそうなところ、大きなテーマは藤戸さんが仰ったことと絡むんですが、人で不足にどう対応するか、対応できる企業を選んで行きましょう、セクターで行くとこんな形になるのかなと思います。」
「露ルーブル:ロシアに関しては米ロ関係が改善しそうだということろ、それから原油価格が上がってきているということ、そして10年債の利回りが8.5%で相対的に高いということ、でちょっと狙ってみようかなと思います。」

《福永氏》 「日本株・海外資産・債券ベアファンド」
(日本株:自動車・商社・銀行)
「一般的な話で自動車・商社、金利が上昇するとなると、銀行は利ザヤを稼ぐということで銀行ですね。」
「債券ベアファンドは金利上昇で価格が低下すると、それによってファンドの価格が上昇する。価格と逆相関のものになりますので、一つの手かなと思います。」

《井出氏》 「日本株」
(輸出・インフラ関連)ファナック・キャノン・信越化学・トヨタなど
「日本株の中でもトランプ相場の恩恵がありそうな輸出・インフラ関連です。ただ私は今年は政治の年だと思っておりまして、結果がどうなるか分からないので、もしリスクが顕在化したときに円高になった時にでも業績が悪くなってもある程度配当を出せるとか、もしくは自社株買いできる、セクターの中でもキャッシュリッチなところがいいのかなと思っています。」

《石黒氏》 「原油・エネルギー関連」

(フリップ:今年は原油の供給不足に)
「日本株というわけではなく、世界の資源関連といったところですね。いまOPECの減産もあってだいぶ原油の需給バランスが改善してきている。今年の1-3月期あたりから原油の供給不足になっていく。これまでは供給過剰だったので原油が下がりやすかったんですけど、これは供給不足で原油が上がり易い状況になってきます。くしくも資源開発投資というのは原油安局面でかなり滞っていましたので、ここから徐々に増えていくだろうということですね。ですから原油関連のETFとか、商社やアメリカの機械関連などを中心に見ていきたいと思います。」
 










(6) 2017年○○に要注意
(フリップ:2017年○○に要注意!)
《藤戸氏》 「グローバルREIT」
《広木氏》 「米国債」
《若生氏》 「長期国債・金」
《福永氏》 「国内外債券」
《井出氏》 「新興国株・欧州株」
《石黒氏》 「新興国株」

《藤戸氏》 
(フリップ:グロ-バルREITに注意)
「金利上昇というのは皆さんが仰っているんですけど、それに一番ダメージを受けるのがREITなんです。特にグローバル。アメリカもそうですし、昨日出たドイツのCPI、これは前年比で1.7で非常に高い。ということは金利商品であるREIT、特にグローバルREITはダメージを受ける可能性がある。」

《広木氏》 「米国債」
「さっきから言っているように、金利上昇というのが今年の最大のリスクでありテーマであると思います。」

《若生氏》 「長期国債・金」
「ドルの逆相関ということですね。ドル高を見るんだったらやっぱり金利は要注意ということだと思います。」

《石黒氏》 「新興国株」
「アメリカの金利上昇もありますし、あとは世界的に物価が上がりやすくなっていますから、アメリカが次の出口戦略に動き出したり、ECBのテーパリングとか、そういうところも出てきますので、過剰流動性相場の終焉というところになってくると、新興国からは資金が逃げやすいと思います。」

--中国は本当に今年は腰折れさせないと皆さん言いますが・・・。

《藤戸氏》 
「政策で公共投資をやって、小型車減税でもう半分になりましたけれどもまだ維持すると・・・。政策対応はやってい売るんですけれども、一方で新築価格が急上昇していわゆるバブルの状況です。これはいつ引き金が引かれて崩壊してもおかしくない。中国も押さえておかないといけないと思います。」
 






 
 
■日刊モーサテジャーナル

米国・共和党議員・早くもロシアで対立
ウォールストリートジャーナルは、議会の過半数を占める共和党内でロシアをめぐり対立が深まっている、トランプが掲げる減税や財政出動を達成する上で課題が見え隠れしているとしている。共和党議員は2グループに分かれていて、一つはロシアは米国と民主主義に脅威と考えトランプに批判的。もう一つはイスラム過激派打倒など世界秩序を保つため、ロシアの協力は不可欠とみるグループ。焦点はプーチン大統領と親密なエクソンモービル・ティラーソンCEOを上院が国務長官に承認するか。ワシントンポストによると、この機に乗じて民主党が承認の投票を遅らせるように画策している。
 



2017年のマーケット・8つの注目材料とは
ウォールストリートジャーナル。2017年のマーケットを占う上で注目すべき8つの材料を紹介している。①銀行セクター、②中国経済、③薬価問題が議論されている医薬品業界、④ベットの中立性を巡る規制に揺れる通信業界、⑤商品市場の回復はあるのか、⑥失業率はどこまで下がるのか。そして⑦世界のマーケットは、トランプ次期大統領とFRBのイエレン議長は主役になると見ていて、とりわけ米国の金利上昇による中国からの資金流出を懸念している。⑧最後に、物価。最近にわかに物価上昇の期待が高まっているが、記事は、先進国の政治が不透明で借金が増え続ける中、賃金の上昇が伴えば、安心感につながると伝えている。
 
 




■ニュース

米フォード メキシコ工場移転を中止
アメリカの自動車大手フォードモーターは3日、メキシコへの工場移転を中止すると発表しました。海外移転に対するトランプ次期大統領の批判に、対応したものとみられます。メキシコの新工場は総工費16億ドル、およそ1,900億円をかけ、来年から稼働する予定でした。一方でフィールズ社長は、ミシガン州にある既存の工場に7億ドル投資し700人の新規雇用を創出することも発表しました。これらの見返りとして、トランプ政権と議会が今後、税制優遇などで自社の国際競争力を守るよう支援を要請しています。
 

 
トランプ氏「GMメキシコ生産車に高関税」
トランプ次期大統領は、GM=ゼネラルモーターズがメキシコで生産する小型車に対し、国内で生産しなければ高い関税をかけるとツイッターに投稿しました。トランプ氏が名指しで批判したのは、GMがメキシコで生産しているシボレー・クルーズです。これに対しGMは声明を出し、アメリカで販売されているシボレー・クルーズのほとんどは、オハイオ州の工場で生産されていると反論しました。
 
 

米USTR代表に対中強硬派を起用へ
アメリカのトランプ次期大統領は3日、USTR=通商代表部の代表に、80年代レーガン政権で次席代表を務めたロバート・ライトハイザー氏を起用すると発表しました。ライトハイザー氏は当時、鉄鋼協議で日本に輸出自粛を認めさせた人物で、最近は中国の鉄鋼に反ダンピング関税の適用を求めるなど対中強硬派として知られています。
 
 

米12月製造業景気 2年ぶり高水準
アメリカの製造業の景況感を表す去年12月のISM製造業景気指数は、54.7と、2年ぶりの高水準となりました。また、市場予想も上回りました。新規受注と生産が大きく上昇し、全体を押し上げました。また、18業種のうち11業種が「業況は改善している」と答えています。
 

 
米11月建設支出 10年7ヵ月ぶり高水準
アメリカの去年11月の建設支出は、前の月より0.9%のプラスとなり、金額ベースでは2006年4月以来、10年7ヵ月ぶりの高水準となりました。一戸建て住宅の建設が増え、民間部門が1%のプラスとなったほか、公共部門も0.8%増えました。