風を読む-Newsモーニングサテライト-

モーニングサテライト・ウォッチ

2016.7.29 Newsモーニングサテライト

2016年07月29日 07時00分00秒 | MS
■マーケット

NYダウ、小幅に4日続落
27日のFOMCの結果、大手企業の決算、さらには、原油価格の動向など、様々な材料が絡みあい、NY市場の株価は結局、高安まちまちでした。原油価格はほぼ1ヵ月半ぶりの6日続落。供給過剰の懸念は依然として解消されていないようです。株価は、27日に好決算を発表したフェイスブックがしっかりとした値動きだった一方、自動車大手のフォードが大幅安と、業績にも振らされる展開。また今週のもう一つのビッグイベント、日銀の金融政策決定会合の結果待ちのムードもただよい、結果的に前日比ほぼ変わらず近辺で取引を終えました。株価の終値です。ダウは4日続落、15ドル安の1万8,456ドル。ナスダックは3日続伸、15ポイント上昇の5,154。S&P500は反発、3ポイントプラスの2,170。28日のセクター別騰落率です。上昇したのは生活必需品や公益などのディフェンシブセクター。低金利がしばらく続くとの思惑で、高配当の連想も働いているようです。下げ率トップは電気通信でした。0 指標.jpg








【世界の株価】
28日の終値

























【NY証券取引所中継】米外食決算を分析
解説はマキシム・グループの久野誠太郎氏

--結局終わってみれば、先日終値近辺でしたね。
はい、自動車大手のフォードやスーパーマーケットのホールフーズの企業決算が嫌気されるなど、株式市場は軟調な推移で始まりました。また金融政策の先行きも不透明なことから、小幅な動きに終始していましたが、インターネット関連企業の業績への期待から、引けにかけて指数はプラスに上昇、ナスダック市場は3日続伸、ダウのほうは小幅続落で終了しています。

--さて決算は続いているんですが、先日の外食大手は厳しい内容でしたね。
特に国内の既存店売り上げで見ますと、マクドナルドは1.8%増、スターバックスは4%増と伸びたものの、市場予想を大きく下回りました。客数の減速が要因の一つです。また6月の小売売上高の外食関係は前月比で0.3%減とさえない結果で、足下レストラン株価指数は大きく下げています。ny1.JPG

--これは消費に勢いがなくなってきているのでしょうか。
確かのその懸念が株価の下げを誘発している可能性はあります。ただスターバックスの既存店売り上げを見ますと、購入1件当たりの金額は上昇しています。今日発表されました新規失業保険申請者数を見ましても、トレンドを示す4週移動平均では前年比でみて低下傾向を維持しています。こうした雇用市場の堅調さ、またガソリンが低水準を維持していることなどが今後の消費支出を下支えすると考えております。





【NY証券取引所中継】フェイスブック好決算の秘けつ
解説はマキシム・グループの久野誠太郎氏

--昨日引け後のフェイスブックの決算はよかったですよね。この強さの秘訣は何でしょうか。
着実なユーザー数の伸びに加えて、そのユーザー1人当たりの平均収入も38%増と強い成長がみられ、収益化の面で成功を収めています。この場合の収入とは広告収入やゲームアプリなどの販売手数料収入も含まれます。さらに携帯端末での利用が増えることで、月次の利用者に対して毎日利用する人の割合も66%まで増えています。

--この勢いは続きますか。
実はフェイスブックのCFOは今後売り上げの増加率は頭打ちしてくると警告しています。ここまでの成長が高かったことで、クリアするハードルが上がっていることやこれまでのペースで広告の数を増やせないことを指摘しています。

--となると対策は打たれているのでしょうか。
実は足下で写真投稿サイト「インスタグラム」を中心に動画の投稿や視聴が増加しています。ザッカーバーグCEOも「5年以内にもオンライン上では動画がほとんどを占めるようになる」としておりまして、対応を急ぐ構えです。例えばデータセンター拡充のための設備投資を前年比25%増やしたり、今後の収益化が期待できるメッセージアプリのメッセンジャー向けなどに動画機能を導入していくとしています。来年にはオンライン向け広告支出がテレビ向けを上回ると予想されていまして、これもフェイスブックの業績を後押しすると考えております。ny2.JPG











【為替見通し】注目ポイントは「日米金融政策」
解説はフィスコNYの平松京子氏

--ニューヨークはドル高円安の動きですね。
まず英国が EU離脱決定後のユーロ圏の景況感が予想を上回ったほか、ドイツの失業率が過去最低となるなど、良好なユーロ圏の指標でユーロは強含みました。ドルは FOMC で次回の利上げを特に示唆しなかったため、軟調推移が継続、円は日本の財政、金融の追加刺激策発表を期待する動きは引けにかけ軟調となりました。

--今日の予想レンジは、104.80円 - 106.80円、注目ポイントは「日米金融政策」です。
本日は日銀金融政策の結果や米国の GDP を受けて、荒い展開が予想されます。ここ最近でも最も重要な日本の金融政策決定会合の結果に注目が集まります。政府の経済対策の方針を受けた日銀も追加緩和に踏み切るとみています。ただヘリコプターマネー策の発表でもない限り、円安への影響は限定的となる可能性があります。

--そして日銀だけでなく、今日はアメリカにも注目なんですね。
米国は FOMC声明文を受けても市場の金利見通しに大きな変化は見られません。9月の利上げの可能性を探るには今後の経済指標が重要となります。まず 29日に発表される 4-6月期 GDP に注目が集まります。先行して発表された米国の 6月の貿易赤字が予想外に拡大、4-6月期 GDP で成長が 2%を割り込む可能性が指摘されています。2%に満たなかった場合は 9月の利上げ確立を弱め、ドル売りに拍車がかかることになるため注意が必要でしょう。0 為替.jpg















【日本株見通し】注目ポイントは「“3月・月中平均”が重し」
解説は三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏

--今日の予想レンジは、16300-16700円です。レンジを広く・・・
今日は会合の結果次第で上にも下にも振れるので、正直フタを開けてみないとわかりませんと・・・、こんな感じですね。

--そして注目ポイントは「“3月・月中平均”が重し」です。nk1.JPG
日本の機関投資家の大半は、3月に簿価の洗い替えということをやります。つまり去年1000円で買った銘柄でも、3月の月中平均が800円だったら、800円がこの4月からの新しい簿価にする。そういう会計システムを採っているんです。ですから去年いくら高いところで買っても、ポイントは今年の3ン月の株価の値段です。それを日経平均で見ると、16897円、実際は個別銘柄でやるんですけれども、これを見ているとこの近辺に来ると、手の内が良くなってきて利益が出るので売るということも出てきやすいということですね。4月以降でこの値段を超えたのが10営業日しかないです。つまりこの近辺になると機関投資家がヤレヤレということで売りを出すということなんで、ここに需給面の大きな壁がある。この会計システムからこの壁ができている。これを押さえておかないといけない。

--これを上抜けるにはどうしたらいいのでしょうか。
外国人投資家を魅了してもう一回、この国内勢が売るのを買ってもらうしかないです。そのためには景気対策あるいは追加緩和、これをがんばってやっていただく。

--そういう意味ではヘリマネという言葉も外国人投資家を刺激するわけですよね。
投資家を魅了していると思います。






■【プロの眼】経済対策は「真水」が鍵
政府の経済対策は事業費規模で28兆円、「真水」(国・地方が直接負担する財政支出額)は来年度以降も勘案して6兆程度と報じられている。おそらく単年度では3兆円規模。事業費規模の中には、財政投融資、政府系金融機関による融資枠の増額等が20兆円以上含まれており、経済対策の評価は支出が確実な「真水」の金額が鍵となる。「真水」÷事業費規模で算出される「真水比率」が低ければ実効性は薄い。1993年以降の景気対策と日経平均の相関性を見ると、「真水」5兆円以上の景気対策では、株価は大きく上昇するパターンが確認されている一方、「真水」が5兆円以下の景気対策では、実体経済はもちろん株価への影響も限定的。マーケットは大規模な景気対策への期待が強かっただけに、現状のままでは失望感から反落するリスクが高まると思われる。安倍総理のさらなる英断を期待したい。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券・藤戸則弘氏が解説。

--経済対策の規模について、連日報じられていますけれども、今日は真水がカギだということですね。
いろんな表現があるんですけど、「真水」というのは国や地方自治体がお金を出す、それによって公共投資をやっていく、まさに新しい財布からお金を出します、というもの、これが経済効果が一番大きい。もう1つ、よく言われているのが「事業費規模」です。事業費規模の中には財政投融資、政府の融資とか政府系金融機関、これの融資枠の拡大、これの枠だけ拡大するんですよ。問題はその雄姿を利用して実際にそれを使う事業主体が出てきたら、経済効果が出てくるんですけど、融資枠を膨らましただけでは、実際の経済効果はないんですね。

--ニーズがあって初めて効果があると・・・。pro1.JPG
今回の場合は28兆円、すごい大きな経済対策だ、と言うんですが、では真水はどうなんですかということを見ていかないといけないということになります。
(フリップ1:「真水比率」が重要)
これは1990年の平成バブル崩壊以降の経済対策です。これを見ていきますと、水色の部分が「事業費規模」、今回でいえば28兆円ということです。そして濃い青色の部分がいわゆる「真水」、本当に政府がお金を使う金額ということになるわけです。その比率を私は真水比率と名付けて出してみました。それぞれの局面でいろいろあるんですけど、非常に少ない10%台というのも結構あるんですね。ところが2013年の補正予算の時は偉業規模が20.2兆円で、真水が13.1兆円と、つまり真水比率が6割を超えている。つまりアベノミクス相場がスタートした2013年、日本が景気が浮揚していって、そして株も大きく花開いた、これに大きく寄与した、つまり魂がこもった経済対策だったと思うんです。それが真水比率6割だということです。

--今回は計算してみますと・・・。
問題は、いま真水というと、今日の日経新聞を見ても7兆円と書いてある。問題は単年度ではなく、複数年度、来年度以降もということになっていますので、今年度だけということで見ると、おそらく3兆円前後。そうすると28兆円の対策だと言っているが、実際の経済効果があるのは3兆円分ぐらいじゃないか、ということですね。

--真水比率でいうともう10%前後ぐらいですね。
何故こうなったかというと、今の現状認識が政府はそれほど悪くないと見ているんだと思います。IMFはすごく厳しく見ているんですけどね。

--ですから財政健全化を捨てていないということですね。pro2.JPG
そうです。2本、両取りで行っているということですね。

--ただそういった場合に株価への影響がどのぐらい出てくるのかということなんですが、真水が5兆円以上か、以下かでだいぶ違うんですね。
これは日経平均で見た場合、はっきりしているんですね。5兆円以上だった場合には、大体2ヶ月半ぐらいで平均で2割ぐらい上昇するんです。アベノミクスの時は4割近く上昇しているんです。逆に5兆円未満の場合というのは横ばいで、効果があるのかどうかさえ分からない。だから真水を頑張ってください。

--大規模な経済対策を期待しているということは、本当は真水を期待しているということですね。
これを重要視してくださいということです。







■【中国NOWCAST】「六中全会」10月開催へnc1.JPG

《中国ウォッチャー:SMBC日興証券/肖敏氏》

(1)「六中全会」10月開催へ

27日の人民日報で、中国共産党は中央政治局会議を開き、共産党大会に次ぐ重要会議である党中央委員会第6回全体会議、いわゆる「六中全会」を10月に開催すると発表しました。SMBC日興證券の肖氏は共産党に対するガバナンスを強化する狙いがあり、いままで習近平氏が取り組んできた汚職腐敗の撲滅の方針を今後は制度化して防ぐのが狙い、と見ています。このほか中央政治局会議では資産バブルの抑制について言及したことで、今後不動産投機や理財商品に対する取り締まりがこれから厳しくなる可能性があるということです。肖敏氏に聞きました。

「共産党に対するガバナンスを強化する。言い換えますと、今まで習近平氏が取り組んできた汚職腐敗の撲滅、これを今後、制度的にどう防ぐかが狙いだと思うし、来年17年秋に共産党第19回大会が開催予定なので、それまでにはこれからおそらく人選が始まる。つまり人事レースが始まる可能性がある。」

今回の中央政治局会議では、このほかにも習近平政権にとって重要な方針を示したといいます。

「私が注目したのはまず『資産バブルの抑制』にはっきり言及したので、これから不動産や理財商品などに対する取り締まりが厳しくなる可能性は高い。2つ目は国有企業改革をはじめとする供給側の構造改革、(9月の)G20首脳会議が終了した後、たぶんこういった改革やバブルつぶしの動きが本格化する可能性が高い。」

--これは秋以降に具体的な動きが出てくる可能性があるということなんでしょうか。
こうした政治局が決めた枠組みに基づいて、具体的な動きが出始めたというのが、次のトピックスです。

(2)「不動産税」導入に言及

先週末中国の成都で開かれていたG20で、中国の楼継偉財政相は不動産税の導入を実現させるべきと発言しました。この発言のポイントを肖敏氏にききました。

「先進国では例えば相続税とか固定資産税など、つまり不動産を保有する場合にはコストがあるが、中国では残念ながら無いので、したがって今回は楼財政相が発言した一つの背景としては、まず皆さんの不動産保有コストを増やすことで、不動産バブルを抑制する狙いがあると思います。これだけ不動産を持つ人が増える中で、政府は安定した税源を確保したという狙いもある。」

(3)シャドーバンキングつぶしに本腰かnc2.JPG

さらにシャドーバンキングにもメスを入れていくようです。中国最大の商業新聞「21世紀経済報道」は27日、中国の銀行業監督管理委員会が銀行の理財商品に関する史上最も厳しい規制を導入する意向と報じました。このニュースを受け27日の上海市場は節目の3000を割り込みました。

「理財商品はシャドーバンキングを通じて(売られ)そこから銀行資金が不動産市場や株式市場に流入してきた。新規性が実現すれば、シャドーバンキングは相当抜本的にこの問題に歯止めをかける可能性が高いと思います。」






■【コメンテーター】三菱UFJモルガン・スタンレー証券/藤戸則弘氏が解説

・原油相場に黄信号、資源国への影響警戒
--アメリカのエネルギ関連企業の決算はやはり厳しくて、原油の動きが最近また気になってきましたね。
そうですね。2月に26ドルで原油先物がボトムアウトして、50ドルを超えるところまで行ったんですけど、また42ドル。問題はアメリカのシェール生産がどんどん落ちて行って減る傾向があったんですが、生産自体が日量847万バレルでボトムアウトして、最近わずかながら増え始めているんです。石油掘削のリグの数も増えてきているんです。そうするとロシア、サウジといった大所はどんどん増産しているから、アメリカが減らないということになると、再び需給悪化で原油が下がる可能性がある。つまりこれは資源国の通貨であるとか、資源国の成長率にも影響を与えるので、大きく注目しておかなければいけない点だと思いますね。



・日経朝特急/日銀、追加緩和を議論へ
--政府と協調という期待もあるようなんですが、実際どういう判断になるか。
「今はもうマーケットの8割が追加緩和と見ていますけれども、メニューは同じですよね。いままでのノリを超えないような範囲内なのか、あるいは新しい機軸があるのか、それによってマーケットの反応は全然違う。従来通りの手法だと短期に好反応した後にまた反落する。株価や為替もそういう状況になると思います。」




・日刊モーサテジャーナル/ドイツ銀行決算、政治・経済の不安で大打撃/欧州の銀行の不良債権処理進むか
--ヨーロッパの銀行も厳しい状況なんですね。
「ドイツ銀行ですが、要は中銀の預金金利をECBが4回も下げた。その下げる度にヨーロッパの銀行株価は急落している。だから今日の日銀の会合でも私は株式の立場からはマイナス金利深掘りはやめてもらいたい。そうしないと銀行・保険はもう一段下がるリスクが出てくる。利ザヤが縮んでしまって本業で儲けられなくなってしまう。その現状がヨーロッパの苦境に現れていると思いますね。」



・中国NOWCAST「六中全会」10月開催へ
--あまりに厳しい規制によって、去年起きたような株式市場の崩壊とか、中国の懸念はありませんか。
そこまではいかないと思います。ただブラックホールのような状態ですから、さすがにこれをどんどん膨張させるのはまずいということで、政府のほうも歯止めをかけようという意思は出してきている。ただ本気でやると世界が大混乱になる可能性があるので、とりあえずポーズという感じがしますね。



・今日の経済視点 「新幹線」
今回の景気対策の中でも安倍総理が急にリニアの8年前倒しとか、整備新幹線の加速とか言い出したんですね。実はいま内閣官房参与に京都大学大学院教授の藤井聡教授という方がいる。この方は日本中を新幹線網で覆ってスーパー新幹線が日本を救うという著書まで書いている。つまり東京一極集中を分散できる。地方の分権化も図れる。国土強靭化の点からいっても良いと言っている。その意見が参与にいるのでどうも政策に盛り込まれ始めたということだと思う。あとは実際どれだけお金が付くかという問題はあるですけど、おそらく今回新幹線というのはキーワードになってくる。ということはこれはジョイントベンチャーで必ず大手ゼネコンが中心になってやるんです。ゼネコン株が非常に強いですけど、今後も堅調じゃないかなと思います。






■今日の予定

日銀金融政策決定会合の結果発表
6月消費者物価指数、鉱工業生産など
決算(シャープ、ソニー、NTTドコモ)
GPIFの15年度運用実績発表
欧州銀行のストレステスト結果発表
ユーロ圏4-6月期GDP





■ニュース

クリントン氏 まもなく受諾演説へ
アメリカ大統領選挙に向けた民主党の党大会は28日、アメリカの主な政党としては初めての女性大統領候補に指名されたクリントン前国務長官が指名受諾演説を行います。党大会の会場にいる内田記者の報告です。

《中継:ペンシルベニア州/ワシントン支局の内田広大記者》
先ほどから党大会の最終日がスタートしました。クライマックスを迎える氏名受諾演説を前に、代議員たちが続々と集まってきています。順調に進めば、クリントン氏の指名受諾演説は日本時間の午前11時ごろに始まる予定です。演説でクリントン氏はアメリカをさらに発展させる変革者として、女性の地位向上や教育問題、中間層の生活向上などに取り組む考えを強調する見通しです。候補者指名を争ったサンダース氏の支持者の一部は、クリントン氏の指名に反発を続けていて、クリントン氏が演説を通じて党を団結させられるかが焦点となります。これに先立って27日にはオバマ大統領が演説し、クリントン氏への支持を訴えました。党大会を締めくくる指名受諾演説、大統領選の行方に大きな影響を与えそうです。中継でした。





米フォード決算 増収減益 独VW 純利益↓57%
アメリカの自動車大手フォードモーターが発表した4月から6月期の決算は増収減益でした。売上高はおよそ395億ドルと1年前に比べ6%上昇しましたが、純利益は主力のピックアップトラック市場での激しい販売競争の影響やブラジルなど新興国での販売が伸び悩み9%の減益でした。さらにフォードはアメリカ市場での新車需要が鈍化しているとして次の7月から9月期の業績も非常に弱いものになると警告しています。一方、排ガス不正問題で多額の対策費用を必要とするドイツの自動車最大手、フォルクスワーゲンの4月から6月期の決算は純利益が一年前より57%減少しました。
《米フォード 4-6月期決算(前年比)》
売上高 394億8500万ドル(+6%)
純利益  29億7200万ドル(-9%)
1株利益      49セント(予想下回る)




米コノコフィリップス 赤字6倍
アメリカのエネルギー関連大手、コノコフィリップスの4月から6月期決算は原油安が業績を直撃し、赤字額は1年前の6倍に膨らみました。1株損失は79セントで市場予想を超える赤字でした。また、あわせて発表された16年通期の設備投資額の見通しは、従来の57億ドルから55億ドルに引き下げられました。下方修正は今年3回目です。
《コノコフィリップス 4-6月期決算(前年比)》
売上高  55億7500万ドル(-36%)
最終赤字 10億7100万ドル(赤字6倍)
1株損失      79セント(予想超の赤字)
16年設備投資額見通し 55億ドル(従来比 -2億ドル)




新規失業保険 1.4万人増
アメリカ労働省が発表した先週1週間の新規失業保険申請者数は前の週から1万4,000人増加の26万6,000人で、市場予想を超える増加となりました。一方、中長期的な傾向を示す4週移動平均は25万6,500人で、前の週から1,000人減少しました。



低所得者に1万5,000円
政府与党は、来週取りまとめる経済対策の中で、低所得者に対して1万5,000円を給付する方針を固めました。給付の対象は住民税が非課税の低所得者およそ2,200万人となる予定で、14年に消費税率を8%に引き上げた際に導入した、「簡素な給付措置」を拡充する形です。低迷する個人消費の底上げにつなげる狙いで、消費税率を10%に引き上げ、軽減税率を導入する19年10月に終了する方向です。これに対して、民進党の岡田代表は記者会見の中で、「検討されている給付金は一時的なばらまきにすぎず、それがなぜ投資なのか、非常に違和感を覚える」と批判しました。新たな経済対策について、安倍総理大臣は事業規模で28兆円以上とする意向を示していて、来月2日に閣議決定する見通しです。



ソニー 電池事業を売却
ソニーはきのう、業績が悪化していた電池事業を村田製作所に売却すると発表しました。今後、価格交渉などを進め、来年3月末までの譲渡完了を目指します。ソニーは1975年に電池事業を始め、91年にはリチウムイオン電池を世界で初めて商品化しました。しかし、最近は韓国勢の台頭で価格競争が激化し、収益が急速に悪化していました。



アローラ氏 退職金68億円
ソフトバンクグループはきのう、6月に退任したニケシュ・アローラ前副社長への退職金として、およそ68億円を4月から6月期の決算に計上したことを明らかにしました。金額については、「契約に基づいて決めた」と説明しています。アローラ氏の役員報酬は、入社時の契約金を含めるとおよそ245億円で、アローラ氏は今回の退職金と合わせて、2年の在籍で300億円以上を受け取ることになります。一方、この日発表の4~6月期の決算は、純利益が2,541億円と、1年前からおよそ19%増加しました。保有していた中国・アリババグループの株式の一部売却などが利益を押し上げました。



東電 政府に追加支援要請
東京電力ホールディングスはきのう、福島第1原発事故による賠償や除染、廃炉にかかる費用が想定を上回る可能性が高まったとして、政府に追加の支援を要請する方針を明らかにしました。廃炉に関しては、東電が2兆円を手当てすることになっていますが、今後、溶融燃料の取り出しなど作業が本格化すると、これを大幅に上回るとの見方が強まっています。



国内自動車生産 ↓3.1%
大手自動車メーカー8社が発表したことし上半期の国内自動車生産台数は、前の年に比べて3.1%減の424万2,869台となりました。上半期としては2年連続のマイナスです。4月以降に三菱自動車とスズキの燃費データの不正問題が相次いで発覚したことが軽自動車の生産減少に拍車をかけたほか、熊本地震の影響でトヨタ自動車の生産が落ち込むなど8社のうち5社が減少しました。



アルファベット 増収増益
グーグルの持ち株会社アルファベットが先ほど発表した4月から6月期決算は増収増益でした。売上高は1年前に比べ21%の増加、純利益は24%増えました。また、1株利益は市場予想を大きく上回りました。ネット検索と連動した広告収入の伸びを示すペイドクリック数は29%の増加、クリック単価は7%下がりました。この決算を受け、アルファベットの株価は、時間外取引で、一時6%を超える上昇となりました。
《アルファベット 4-6月期(前年比)》
売上高 215億ドル     (+21%)
純利益  48億7700万ドル(+24%)
1株利益   8ドル42セント(予想上回る)
ペイドクリック数(+29%)
クリック数(-7%)




アマゾン 増収増益
ネット小売り最大手アマゾン・ドット・コムが発表した4月から6月期の決算は市場予想を大きく上回る増収増益でした。売上高は1年前に比べ31%上昇、純利益は9.3倍の8億5,700万ドルでした。またアマゾンが力を入れる、クラウドと呼ばれるネット上で情報を管理する企業向けのサービス部門の売上高も1年前より58%増加しました。アマゾンの株価は時間外で一時、2%以上上昇しました。
《アマゾン・ドット・コム 4-6月期決算(前年比)》
売上高 304億 400万ドル(+31%)
純利益   8億5700万ドル(9.3倍)
1株利益   1ドル78セント(予想上回る)
《アマゾン・ウェブサービス売上高(前年比)》
4-6月期 28億8600万ドル(+58%)




17人は首に致命傷 安倍総理「再発防止に全力」
相模原市の障害者施設で入所者19人が殺害され26人がけがをした事件で、犠牲者のうち17人が首に致命傷を負っていたことがわかりました。犠牲者のほとんどがベッドや布団の上で死亡していたことから、植松聖容疑者は入所者が寝ているところを次々と襲ったとみられます。また、植松容疑者が夜勤の職員5人程度の手や指を結束バンドで手すりに縛りつけて通報などができないようにしていたこともわかりました。警察は植松容疑者が犯行に使った5本の刃物の入手経路などを調べています。一方、政府はきのう、事件を受け関係閣僚会議を開きました。安倍総理大臣は「事件を徹底的に究明し、再発防止・安全確保に全力を尽くしていかなければならない」と強調しました。その上で、塩崎厚生労働大臣らに対して、施設の安全確保の強化や、精神疾患による「措置入院」のあり方の見直しなどについて、早急に対策を検討するよう指示しました。



国連で「アフリカ平和構築」討論
ニューヨークを訪問している日本の岸田外務大臣が28日、国連・安全保障理事会の討論に臨みました。公開討論のテーマは「アフリカの平和構築」で、7月の安保理議長国である日本が主催する形で行われました。議長を務めた岸田外務大臣は、アフリカのテロ対処能力向上のため、2018年までに3万人の人材育成を含む140億円相当の支援を行う考えを表明しました。






■日経朝特急

①三菱UFJ信託が買収
三菱UFJ信託銀行は世界最大の米国投資信託市場で資産管理業務に参入する。年内にも日本の銀行として初めて米国の大手資産管理会社を約200億円で買収。買収後の管理残高は約39兆円となり、総合的な管理を手がける金融機関で世界6位になる。日本の銀行の海外進出は採算が悪くなった投融資から、安定収益を見込める資産運用管理へ広がってきた。



②日銀、追加緩和を議論へ
日銀は追加金融緩和を議論し、きょう判断する。大規模な経済対策を打ち出す政府と協調し、デフレ脱却へ強い姿勢を示すべきだとの声が高まっている。物価上昇率がマイナス圏に沈み、目標とする物価2%上昇の達成が危うくなっている。このままではデフレ心理が再び広がりかねないとの危機感も強まりつつある。追加緩和に踏み切る場合、マイナス金利政策を深掘りできるかが最大の焦点だ。





■日刊モーサテジャーナル

①クリントン政権はオバマ政権の3期目
各紙は民主党大会でオバマ大統領とクリントン候補が抱擁を大きく掲載している。これについてニューヨークポストは「OBAMA3.0、もしクリントン政権が誕生したとしても、それはオバマ政権のいわば3期目」との指摘。普段は民主党寄りのニューヨークタイムズも「国内で賛否両論のオバマ路線と訣別し、新たな政治の1ページをめくることができなかった」と伝えている。全国紙のUSAトゥデイも「オバマ大統領の支援はクリントン候補にとって助けにもなるが痛手にもなる。米国人の6割近くが次の大統領に大きな変化を求めている」と指摘している。

一方、ライバルの共和党のトランプ候補が民主党のクリントン候補が消去した私用メールを見つけ出すよう、ロシアに求めるような発言をしたことについて、デイリーニュースは「刑務所に閉じ込めろ」という見出し。大統領候補が政敵を倒すために外国政府にスパイ活動を要請するとは前代未聞だ、との専門家の声を掲載している。



②ドイツ銀行決算、政治・経済の不安で大打撃(ウォールストリートジャーナル)
27日に発表されたドイツ銀行の決算を受けて、「ヨーロッパの銀行が政治・経済の不安から打ちのめされていることが分かった」、と報じている。ドイツ銀行4-6月期決算は純利益98%減、今年に入って株価は年初来45%下落している。記事は、ヨーロッパの銀行がマイナス金利や不良債権、ブレグジットなど、政治的な不透明要素からの打撃を受けていることの表れで、同じ時期にトレーディング部門が好調だったアメリカの銀行とは明暗が分かれた、と指摘している。




③自動運転車の普及は保険業界に逆風?(ウォールストリートジャーナル)
もし将来、自動運転車が普及したら、保険業界にとって逆風になるかもしれない、と報じている。米国の自動車保険料は15年2000億ドル。しかしある調査によれば、自動運転車の普及で事故が激減するという見方が浮上。数十年で保険料の8割がなくなってしまうとも考えられる。さらにこれまで保険会社は交通事故の確率や修理費などから保険料を計算してきたが、記事は、自動運転車が普及すれば、例えばハッキングされやすいかどうか、またグーグル製とテスラ製の違いなど、複雑な計算が必要になるとみていて、保険業界はこうした問題にまだ対応できていない、と伝えている。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿