給料日の後のオフの日。
支払いという支払いを済ませて、残った生活費とにらめっこ。
「はあ、今月も苦しいなあ・・・・・・・・・」
とかなんとか呟きながら、それでも支払いの帰りに祥一郎に電話する。
「昼飯、マクドナルド食べる?」「なんか買っていくものある?」
祥一郎からは「うん、食べる。照り焼きバーガーセットとコーヒー。」「うーんと、あ、入浴剤とシャンプーが無い。」
などというやりとりがいつものことだった。
そしてその日の晩飯は、ちょっと贅沢に海老フライやカキフライ、豚肉のしゃぶしゃぶや薄い牛肉で鉄板焼きなんていうメニューになる。
ささやかな、本当にささやかな給料日後の贅沢。
生活は確かに苦しかったけれど、それでも二人で過ごすため何とかやりくりし、小さな小さな二人の温かい暮らしがあった。
今は一人で支払いを済ませ、誰かに電話することもなく、極端に少なくなった買い物もついでに済ませ、晩飯のメニューを考えることもなく、誰も居ない部屋で漫然と過ごす。
何も食いたいとも思わず、ぼーっと祥一郎のことを考えながら、ひとしきり咽び泣いた後、風呂に入り、冷たい寝室に横たわる。
まだ正気でいるのが不思議なくらいな、生活の激変。いつまで耐えられるのだろうか・・・・・・・・・・
祥一郎・・・・・・・・・・
毎月の支払いは減ったよ。お前はもう風呂にも入らず、電気を点けることなく、暖房にあたることも無いからね。
そのかわりにおっちゃんに増えた物は・・・・・・・・・・・・・・
大きな真っ暗な穴に真っ逆さまに落ちて行くような孤独感、胸から血が大量に吹き出しそうな悲しみ、頬が炎症を起こすほどの大量の涙、そしていつやってしまうともわからない自死願望。
あんまりじゃないか。
少しばかりの支払い減と引きかえに、増えたのがそんなものとは。
あまりにも価値がアンバランスだよね。
こんなことになるのなら、もっと収入が少なくともお前と二人で居たかった・・・・・・・
お前との20数年間の温かい暮らしは、僅かな支払い減なんかと引き換えになど出来ない。
おっちゃんはあといつまで働けるかわからない。
でも給料日の度に、そんな思いをすることになるんだよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小さな公園に、きょうが卒業式だったのだろう、沢山の中学生達が未来を夢見て喧しくしている。
その公園の汚れたベンチに座りそれを横目で見ながら、私はその場で絶え逝ってしまいそうになりながら、そんなことを考えた給料日後のオフの日だった。
支払いという支払いを済ませて、残った生活費とにらめっこ。
「はあ、今月も苦しいなあ・・・・・・・・・」
とかなんとか呟きながら、それでも支払いの帰りに祥一郎に電話する。
「昼飯、マクドナルド食べる?」「なんか買っていくものある?」
祥一郎からは「うん、食べる。照り焼きバーガーセットとコーヒー。」「うーんと、あ、入浴剤とシャンプーが無い。」
などというやりとりがいつものことだった。
そしてその日の晩飯は、ちょっと贅沢に海老フライやカキフライ、豚肉のしゃぶしゃぶや薄い牛肉で鉄板焼きなんていうメニューになる。
ささやかな、本当にささやかな給料日後の贅沢。
生活は確かに苦しかったけれど、それでも二人で過ごすため何とかやりくりし、小さな小さな二人の温かい暮らしがあった。
今は一人で支払いを済ませ、誰かに電話することもなく、極端に少なくなった買い物もついでに済ませ、晩飯のメニューを考えることもなく、誰も居ない部屋で漫然と過ごす。
何も食いたいとも思わず、ぼーっと祥一郎のことを考えながら、ひとしきり咽び泣いた後、風呂に入り、冷たい寝室に横たわる。
まだ正気でいるのが不思議なくらいな、生活の激変。いつまで耐えられるのだろうか・・・・・・・・・・
祥一郎・・・・・・・・・・
毎月の支払いは減ったよ。お前はもう風呂にも入らず、電気を点けることなく、暖房にあたることも無いからね。
そのかわりにおっちゃんに増えた物は・・・・・・・・・・・・・・
大きな真っ暗な穴に真っ逆さまに落ちて行くような孤独感、胸から血が大量に吹き出しそうな悲しみ、頬が炎症を起こすほどの大量の涙、そしていつやってしまうともわからない自死願望。
あんまりじゃないか。
少しばかりの支払い減と引きかえに、増えたのがそんなものとは。
あまりにも価値がアンバランスだよね。
こんなことになるのなら、もっと収入が少なくともお前と二人で居たかった・・・・・・・
お前との20数年間の温かい暮らしは、僅かな支払い減なんかと引き換えになど出来ない。
おっちゃんはあといつまで働けるかわからない。
でも給料日の度に、そんな思いをすることになるんだよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
小さな公園に、きょうが卒業式だったのだろう、沢山の中学生達が未来を夢見て喧しくしている。
その公園の汚れたベンチに座りそれを横目で見ながら、私はその場で絶え逝ってしまいそうになりながら、そんなことを考えた給料日後のオフの日だった。