全くその通りで三百坪の屋敷は周囲を塀で廻らしています。
門家(もんや)は一日締め切っていてはいけません。
朝6時に開けて、夕方6時には閉めてという規則通りの生活があります。
日曜日など朝寝を楽しみたいと思っても、6時に門家をがらりと開けなくてはならず、開けたら最後用事のある人が入ってこられるし、主婦はもう起き出さないといけないので大変です。
だから、嫁を働きに出すというのは家の恥という考えがおばあちゃんたちには残っています。
「門家を締め切って、嫁まで働きに出して生活に追われている姿は、ご先祖様に申し訳ない!」と何回も聞かされました。
私は主人が難病を患っていたので、子供が授かったと分かった時にすぐに奈良県の採用試験を受けました。
中学校の国語の教師になるためです。
嫁は働きに外に出てはいけないと聞いていましたから、調布の方は退職していました。
主人の万一の場合に備えて、私がスペアとなり3人の子供を育てる義務があります。
長男、二男と授かる内に、一人を実家の養子にするためには、3人の子供が欲しかったのです。
4人姉妹だった私は男の児が3人も授かったことは、とても自慢で嬉しいことでした。
お父さんも三男坊が実家の跡取りに来てくれるとうすうす思っていたらしく、肩車をしたり抱っこをしたり、特に可愛がっていたなあと私は感じていました。
ありがとうございました
門家を入ると表前栽(おもてせんざい)があります。
ツゲ、金木犀、皐月などが植えられていますが、樹齢三百年以上の霧島ツツジは圧巻でした。
3メートルほどの高さで、1本の株の根元から二十本くらいの幹を出し、塀の上から道行く人を見下ろしています。
4月下旬には座敷の中までも照り映えるほどに真っ赤になり、奈良県内でも珍しい樹齢の霧島だと植木屋さんが手入れに見えて、褒めてくれます。
老舗の料亭の庭に二百五十万円で売って欲しいという話が何年か前にあったほどです。
霧島ツツジを掘ると塀も壊れてしまうし、それを守り育てていくのが子孫の役目だとお断りしました。
霧島ツツジと並んで樹齢三百年以上といわれているモミジの木が中前栽にあります。
ここには松、イブキ、ツゲ、平戸、金木犀などが燈篭を中心に石庭となっている庭です。
本家(ほんや)と離れの間にあります。
離れと奥離れの間にあるのが奥前栽で、ここには椿、梅、コブシ、花ミズキ、ロウバイ、スオウなどの花木があります。
屋敷の中の右半分が住居、左が穀物の干し場でした。
農業は他人に委託しサラリーマンに転じた我が家ですから、干し場の部分が私の園芸の用地として、花のステージにしていました。
園芸歴は30年以上で花に癒してもらいながら第1幕を無事に終了できたと喜んでいます。
母の介護に専念するために奈良を離れていますから、私の園芸の舞台はすっきり形を変えて、今は連れ合いが日本庭園に作り変えたようです。
朝夕2回の水遣りは花の好きな私が居なかったら維持できませんものね~
淋しいけれど仕方のないことです。
写真で見せてもらいましたが凝り性の彼らしく高価な石灯篭を何本か入れてしっとりとした自慢の庭に仕上げていました。
私を思い出すものを消してしまいたかったのか、それは定かではありません。
私に負けず劣らず花好きの大分の母に花いっぱいの庭を作り喜ばせてあげようと、前庭に「野草の丘」と「花庭」と「花木の庭」を作りつつあります。
もう5年目ですから、かなり大きく生育して楽しみを与えてもらっているのですよ~
花を楽しむ生活はこれからは大分の別荘が最適になることでしょう。
地植え中心ですから水遣りは1回で充分ですし、奈良に帰ったときも野草の丘なら強かに育ってくれるはずですからね~
たくさんの花の友達が出来て奈良とはまた違った楽しみを与えてもらい癒されています。
どこで暮らしても同じだけの幸せは形を変えて降り注ぐと実感している毎日です。要は両親に陰徳を積んでもらったおかげで安心を授かっているのですよね ~
お父さんに恩返しはなにも出来なかった分、母に誠心誠意返しますからね~
ありがとう~
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もっちゃんです
tuyosi
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