ここ最近、20代、30代前半のいわゆる若年層の方がバス運転士を転職先に選ぶケースが、以前よりも増えてきています。
本当にここ半年位の傾向です。このまま若い人がバス業界に就職していただくことは、業界としても嬉しい限りです。
しかし、この傾向に異論を唱える中高年の先輩運転士も、少なくないのは事実です。
理由は、若いバス運転士の就職後の定着率にあります。概ね、1年から3年の間に給与の良いバス会社に転職したり、他の業界に転職したりします。
他のバス会社に転職することに対しては、給与や福利厚生など会社の今後の改善課題として前向きに捉えることも出来ます。
しかし、他の業界への転職については、バス業界が与えられるキャリアプランの限界を感じざるを得ません。
他の業界ならば、バス運転士で得られないキャリアを得ることも出来ますし、若い人にはそのチャンスも充分にあると感じます。
選択肢の多い若いうちに、多くの経験をしたい気持ちは、否定することは出来ないと思います。
今は、昔のように一つの仕事を定年まで続けないと、社会的信用が著しく欠損する世の中ではありません。
そう考えると、比較的に選択肢の多い若い人の定着率が、比較的に選択肢の少ない中高年に比べて低いことは、自然なことと思います。
私はむしろ、選択肢の沢山有るなかで、よくぞバス運転士の仕事を選んで頂き、尚且つ、1年から3年でも勤務してもらえる稀有なことに感謝すべきと感じます。
例え、バス会社を辞めても経験者として多くの同年代の若者に経験をベースにバス運転士の仕事を説明できる広告塔になる可能性すら感じます。
バス運転士にさえなれば、今の世の中でも公務員並みの待遇で、生活に困らない給与と社会的地位を得ることは可能です。
現在は、インターネットの時代です。一人の若者でも、多くの若者に情報発信をすることは可能です。
今後の業界のことを考えても、若者を粗末に扱うことは、ためになら無いと感じます。
何故ならば、選択肢の少なくなった中高年になり、バス業界に戻ってくるのは若い頃にバス運転士を経験した人間からだからです。