以前、路線バスの発進保護についてブログで言及いたしました。
実はバス会社では、新人研修で発進する際は普通車が完全に通り過ぎてから行うようにと指導されます。
法律では路線バスの発進保護が道路交通法により明記されているにも関わらずです。
これには、大前提として「路線バスは絶対に事故を起こしてはいけない。」という考えが根底にあります。
路線バスの運転免許は、大型二種免許です。この免許は、運転免許の中で最上位免許として位置付けられています。
逆にいえば、最上位免許の人間が事故や違反をする場合、悪質性の疑いが発生する場合があるためです。
悪意なくやった証拠がなくても、「わざと違反や事故をしてないよね?」と、普通に警察官云われたりもします。
これは普通免許との大きな違いです。
その為、路線バスの発進保護の規定があっても、それを以てバス運転士の責任を免れることは極めて0に近いということです。
「会社は安全配慮義務を怠っていないか?安全確認はバス運転士として当然行ったか?」など、徹底的に会社やバス運転士の過失がないか調査されます。
これはバス運転士が担うべき安全意識が、一般ドライバーとは異なるためです。
仮に発進事故が起こっても、発進保護の規定違反よりもバス運転士の安全確認を怠ったことの方が大きいと判断されれば、バス運転士側に過失があったとみなされる場合も想定できます。
これぐらい路線バス運転士の事故に対する評価は厳しいです。
下手に優先意識を振り回した運転をして事故をすれば、確実に運転士側の過失になる場合が考えられます。
未熟な優先意識はバス運転士の事故を誘発するため、徹底的に排除が必要と考えます。