一般的に多くの日本人は、18歳から30歳の間に自動車の普通免許を取得すると思います。
これは社会人として会社に就職する際に必要なものであり、また就職後もどんな方でも使用頻度の多い免許だからです。
そのため取得資格を聞かれた際に、普通免許だけとこたえる方も少なくありません。
基本的に今の日本では、仕事さえ選ばなければ普通免許一つで一般的な生活を営むことは可能であると思います。
さて、昨今の景気の状況や産業のホワイト化、市場の縮小化傾向、増税などを総合的に鑑みて、普通免許一つでは充分な稼ぎが得られるかは微妙です。
特に中高年の場合は、2024年問題も相まってドライバー業界などでは稼ぐのが難しくなると感じます。
ドライバーの給与が最初からそこそこの給与がもらえる理由は、残業ありきでした。
しかし、その残業に規制がかかると、昔ほど稼げなくなると感じます。
中高年になり転職活動が上手く行かず、しばらくドライバーでもやろうかと思っても、昔の感覚では痛い目に会う可能性大です。
今の時代、大型免許でないと昔の感覚の給与を得ることは、難しいのではと感じます。
そのため、将来に対して不安を感じる中高年の方は、大型免許の取得をお勧めします。
ちなみに、大型免許で給与が最初からよく、かつ、未経験でも大手企業に就職しやすいものは、以下の3つが現実的に考えられると思います(ドライバー未経験者に中小企業はお勧めしません。)。
(1) 石油タンクローリードライバー
ガソリンなどの石油製品を、ガソリンスタンドなどの給油施設に運搬する仕事です。
必要な免許は、第一種大型自動車免許と第一種けん引免許、丙種危険物取扱者になります。
50歳位までならば、比較的大手や地方の中堅企業には就職しやすいですが、危険物取扱者は乙種4類以上が就職で評価されやすいです。
しかし未経験の場合は、車両感覚のセンスなどがしっかりしていないと、横乗研修で本採用を断られることもあります。
給与は、最初から40万円から35万円(手取33万円から28万円)位が平均と思います。
ちなみに、私は大型経験が4年6ヶ月になりますが、例えけん引き免許が取れても業務をやれる自信はありません。
(2) 冷凍車、保冷車ドライバー
冷凍車食品などの要冷凍、冷蔵製品を、倉庫や販売店舗に運搬する仕事です。
必要な免許は、第一種大型自動車免許とフォークリフト免許です。
こちらも50歳位でも大手や中堅企業に就職しやすいですが、未経験の場合は現実的に体力を相当使うため、40代位までには就職しておいた方がよいです。
給与は、石油タンクローリーと同じで、最初から40万円から35万円(手取33万円から28万円)位が平均と思います。
(3) 路線バス運転士
云うまでもありませんが、いわゆる近所のバス停を通過する路線バスのドライバーです。
必要な免許は、第二種大型自動車免許のみです。
こちらは未経験の場合は、免許があれば55歳位でも大手や中堅企業に就職は可能です(55歳以上でも採用はされますが、嘱託勤務の場合が多いです。)。
また、50歳までならば養成運転士として入社が可能で、免許取得費用を会社が負担してくれます(ただし、勤務5年未満で退職する場合は、免許取得費用の返還義務が発生します。)。
給与は、最初から30万円から25万円(手取25万円から20万円)位が平均と思います。
しかし、福利厚生が公務員並みに充実していて、住宅費、家族補助、生命・疾病保険、退職金制度など通常の手取りにプラス5万円から10万円位のお得感はあります。
最後に、上記の3つならばどれを選んでもよいと思いますが、未経験者が現実的に勤務しやすいものは、(2) 冷凍車、保冷車と(3)路線バス運転士であると私は考えます。
(1) 石油タンクローリーは、最初から給与もよく、その後のスキルアップとしてトレーラー車での高収入(月収70万円位)を狙うことも可能です。
しかし、けん引車は大型車の車体感覚を完璧に身に付けたドライバーの、次の選択肢と感じます。
まずは、(2) 冷凍車、保冷車のドライバーか、(3) 路線バス運転士で3年程経験してから適性を見極めてからでも遅くないと感じます。
そんなこんなで、大型免許さえあれば中高年でも給与のよい会社に就職が可能です。
そのため、40歳を過ぎたらどなたでも大型免許を取得することをお勧めします。