バス会社の退職者の中央値は、概ね3年から5年位と云われています。
「養成運転士の5年縛りの関係があるのか?」と云うこともあると考えられます。
懲役5年の刑は、お勧めしません。 - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)
「懲役5年」と聞くと、何か悪いことをするのかと普通は想起されると思いいます。しかし、バス業界で云うところの「懲役5年」とは、養成運転士として入社する...
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しかし、そうではなく「辞めるヤツは、辞めたいときに辞める!」と云うのが正しいように思います。
養成運転士の運転免許代も概ね30万程度です。
これは、バス会社が提携している教習所ですので、かなりの割引がかかっていると思います。
変な話、退職時に返還を求められても、30万円程度なら貯金で返したり、親類に借金したりしても大したことはありません。
合わない会社で居続けるよりは、大型免許を活かした就職をすれば、直ぐに挽回できます。
そんなこんなで、若い人特有の「仕事が合わない。」や「人間関係。」などの、良くある退職理由の場合は、1年以内から2年位で辞める人が殆どです。
バスの仕事は、1年以上勤務できれば、一生勤務出来ると云います。
そんなことから、他の業界に比べ10年選手から30年選手がゴロゴロいます。
意外と本人が続ける気があれば、長く続けられる業界でもあります。
しかし、そんな状況の中でも3年から5年位で辞める人は後をたちません。
別に、バスの運転が嫌で辞めるのではありません。
理由は、「一定の経験を積んだため、条件の良いバス会社に転職する。」が一番多いです。
未経験では入社が困難だった大手有名バス会社や、移住を希望する地方の有名バス会社への転職が多いです。
中には、公営バスの試験を受けて、中高年から公務員として採用された方もいます。
都心では、小田急バスと都営バスが、最も待遇がよく安泰な就職先として知られています。
次に多いものが、「運転の仕事だけしたい。」と云う退職理由です。
新たに入社してか3年後位から、コアなメンバーとして認められますが、その分会社の仕事を任されたりもします。
例えば、運行管理者などの内勤業務や、指導運転士の補佐業務で新人のサポートしたり、副班長として班の雑務を取りまとめたりなどが考えられます。
長く一つの会社に勤める場合は、当然経験すべきことですが、運転だけしたい人からは苦痛でしかありません。
こういう人は、3年から5年程度でバス会社を変える「渡り鳥」のような転職をし、最終的には田舎の中小バス会社に落ち着きます。
バス業界は、こう云った「渡り鳥」みたいな人でも業界にさえ居れば、比較的安定した人生を送ることが出来ます。
やはり、大型二種免許と3年以上の経験は、普通の人が保有しない稀有なスキルなのかもしれません。
とはいえ、この「渡り鳥」の様な人も50歳位から、一つの会社に居着くことを考え出します。
理由は、バス業界は基本的に55歳以上の新しい採用は、正社員としての待遇で採用しないためです。
55歳以上で、バス業界に入る場合は、基本的に嘱託社員かパート勤務になります。
私は、独身で本人さえ良ければ、渡り鳥の様に全国各地のバス会社を渡り歩くのも、楽しい人生として良いのではないかと思います。