
(写真は、迎賓館赤坂離宮の正面。)
迎賓館・赤坂離宮の通年公開が、今年の4月から
始まりました。

それまでは、限定的な公開だったのですが、観光
立国化への後押しもあり、迎賓に支障のない範囲
で、通年公開される事になりました。

赤坂離宮は、明治42年、紀州徳川家の中屋敷の
一部に、皇太子用の御所(赤坂離宮)として、
片山東熊の設計により建てられました。
しかし、豪華過ぎたこと等により、天皇家が利用
される事はほとんどなかったそうです。

第二次大戦後、赤坂離宮は、皇室から国に移管
されて改修されたのちに、昭和49年に迎賓館
として開館しました。

本館、正門、噴水池等が国宝に指定されています。


現在は、世界各国の国王、大統領などの国賓が
ここに宿泊し、国際会議、歓迎式典、首脳会談
などが行われる外交活動の表舞台となっています。


ちなみに、フォード大統領、チャールズ皇太子と
ダイアナ妃、エリザベス女王などが、ここに宿泊
されています。
見学は、「事前申込み」と「当日配布」に分かれ
ます。
事前申込みは、インターネットのみ、先着順で
1日に1,500名、6週間前に当選通知メールが
あります。
事前申込みは、2ヶ月近くも前の申込みが必要で
面倒なので、私は当日の8時から配布の整理券を
求めて、夏休み中の平日に行って来ました。
当日配布の整理券は、1,000枚のみです。

迎賓館赤坂離宮は、四ツ谷駅から約400メートル
です。
平日とはいえ夏休み中なので、相当の混雑を覚悟
して出かけたのですが、意外と空いていて
拍子抜けしました。
整理券を受け取った8時から、入場可能な10時
まで、四ツ谷駅周辺の喫茶店で時間を潰しました・・・

私が、見学を終了した11時30分頃にも、未だ
整理券を配布していましたので、慌てる必要は
ありませんでした・・・

(8月4日~30日は、夏休み特別企画として、
事前の予約又は当日の整理券なしで、直接
正門前で料金を払って入場できるそうです。)
また、定例休館日は水曜日ですが、迎賓のための
閉館日も多いので、閉館日をインターネットで
確認してから出掛ける必要があります。
正門の脇の写真の赤丸印の場所で、当日の整理券
を受け取り、学習院初等科の門の向い側にある
迎賓館の西門から入ります。
(参観料金 1,000円、 公開時間 10:00~17:00)



入館の手荷物検査の際、ペットボトルや水筒は、
警備員の前で一口飲んでみせなければなりません・・・

本館内は写真撮影禁止なので、館内の様子に
ついては、館内で販売している以下の絵葉書の
写真(500円)をご覧ください。

上の写真は「彩鸞の間」です。
彩鸞の間は、来客の控えの間ですが、条約の
調印式などのテレビ撮影用の部屋でもあります。

白い天井と壁は、金箔が施された石膏の浮彫りで
装飾され、10枚の鏡が部屋を広く見せています。
鏡の上と暖炉の脇に、金色に浮彫りにされた架空
の鳥「鸞(らん)」があることが部屋名の由来
です。
下の写真は「花鳥の間」です。

花鳥の間は、最大130席が設けられ、国賓の公式
晩餐会が催されています。

天井の36枚の絵、壁面の30枚の七宝には、花や
鳥が描かれています。
下の写真は、その壁面の楕円形の七宝の中の1枚
です。

部屋の四隅には、晩餐会の食材となる鹿、猪、鳥
などが描かれていて、厳粛な雰囲気の部屋で、
思わず笑ってしまいます。

下の写真は「朝日の間」です。

朝日の間は、表敬訪問や首脳会談等が行われる
国賓用のサロンです。
国賓の賓客の宿泊の際は、天皇皇后両陛下が
この部屋に来られて挨拶をされます。

周囲の16本の円柱の大理石はノルウェー産です。
壁には、京都西陣製の立体感のある「金華山織」、
それに陸軍の象徴である「鎧兜」と海軍の象徴
である「船」の浮き彫りが掛けられています。
そして、桜のイメージの絨毯は、47種類の紫の
糸で織られています。
家具は、明治42年創業当初にフランスから
取り寄せたものを修復しています。
天井に描かれた「朝日を背にして女神が香車を
走らせている姿」が部屋名の由来です。

下の写真は「羽衣の間」です。

東京サミットの舞台ともなった羽衣の間では、
晩餐会の招待客に食前酒などが供されています。

正面の中二階は、オーケストラボックスがあり、
舞踏会場として設計されています。
3基のシャンデリアは、バカラの7,000個もの
部品で組み立てられており、壁は楽器等を
あしらった石膏の浮彫りで飾られています。
謡曲の「羽衣」の背景を描いた天井絵が部屋名の
由来です。

迎賓館の内部の目を見張る様な豪華絢爛な内装は、
昔訪れたベルサイユ宮殿を思い出しました。
公式晩餐会や首脳会談などが、現在どの様な部屋
で行われているのか見ることが出来て感激です。

皆さんも、ぜひ一度見学されることをお薦め
します。
ps.
迎賓館の「和風別館」は、上記の本館とは別途、
インターネットによる事前申込が必要です。
(参観料金 1,500円)
こちらは、6回の各時間帯ごとに20名を定員
としたガイドツアー形式(所要40分)なので
倍率が高そうです。
和風別館の見学後は、引き続き上記の本館見学も
可能です。