ひろさちやさんの著書『宗教練習問題』(新潮文庫)に「宗教の勧誘を受けたら…」という章がある。宗教団体と思しき人からその宗教の信者にならないかと勧誘されたら、あなたならどうしますか?との問で始まっている。結論から言えば、即座に断るのが正しいとひろさんは言っている。
宗教の勧誘とは、彼方が信じている宗教は邪教だから棄教せよとケンカを売っているも同じであり、例えれば彼方の配偶者は問題があるので別れて私の勧める人 と結婚しなさい、と言ってるようなものだ、基本的におかしいともひろさんは書く。しかし日本人は大抵が宗教を持っていないので、宗教の押し売りがなされる のだと。せっかく声を掛けてくれたのだから一応話は聞いてみる、またはその教団の主宰する会を見学する、という態度では大体底なし沼にはまり込むそうだ。
宗教の勧誘は利益誘導であり、インチキ宗教が多数の信者を獲得するセールスポイントは貧・病・争の 三本柱だと言われる。彼方がこの教団に入信すれば金持ちになれる、病が治る、人間関係のトラブル(争い、例えば嫁姑)が解消されるなどの「ご利益」を利用 して、インチキ宗教は繁盛するのだ。もちろん「ご利益」は巧妙にカムフラージュされており、彼方が先祖(水子)供養を怠ったから不幸な目にあうなど脅した りする。この種の供養はビックビジネスになっているではないか。
ひろさんが大学生の頃(昭和11年生まれなので50年ちかく昔)、彼の下宿に当時猛烈な勢いで信者を獲得していた新興宗教の信者たちが折伏に来たそうだ。まず代表格の者が口火を切った。「あなたは不幸だと思っておられますよね」。
大抵の人間は何らかの不幸を抱え込んでいるので、彼らはそこから攻撃するという。不幸だから易で手相を見てもらうのであり、幸福な人は易者に相談しない。東大文学部印度哲学科に在籍していたひろさんは、すかさず反論する。
「いや、私は幸せなんです。幸せで幸せで困るくらいです。これは私がインドのサッダルマ・プンダリーカ・キョウを信じているためです。あなたにその教えを教えてあげましょうか」
さすがに相手は面食らったが、彼らもサッダルマ・プンダリーカ・キョウなどインチキに決まっている、そんな邪教など信じないで私たちの宗教を信じなさいと 食い下がる。そこでひろさんは「サッダルマ・プンダリーカ・キョウ」と紙に書き、帰ってこの言葉を教団の幹部の人に見せて、これを「邪教」と言ったがそれ でよろしいか聞いてごらん、と言った。
その後、信者たちは2度と来なかった。“サッダルマ・プンダリーカ”とは彼らが信奉してるという「法華経」の梵語の名だ。
宗教の勧誘は「ご利益」の押し売りで、押し売りならぴしゃりと断るのが被害に遭わない秘訣とのことだ。ただ、欲があればセールスにやられてしまう。おかしな宗教の誘惑に負けるのは、負ける人が悪いと厳しい。
カルトなどはこの勧誘に実に長けている。宗教と初めは名乗らず何かの趣味のサークルで取り込むから、ますます騙しが狡猾になっている。ネットでも怪しげなサイトがある。私のブログを含め所構わずTBを送っていた『心の幸福と宗教の世界』なるものがあるが、これぞ宗教の押し売りだった。宗教に関するブログの割に「賢者と宗教」の記事を見れば宗教の基本にも疎いようだが(ソクラテスやプラトンを否定したのがキリスト教)、宗教に帰依すれば心の幸福が得られるなど説くのは、カルトの常套手段である。
◆関連記事:「カルト」
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宗教の勧誘とは、彼方が信じている宗教は邪教だから棄教せよとケンカを売っているも同じであり、例えれば彼方の配偶者は問題があるので別れて私の勧める人 と結婚しなさい、と言ってるようなものだ、基本的におかしいともひろさんは書く。しかし日本人は大抵が宗教を持っていないので、宗教の押し売りがなされる のだと。せっかく声を掛けてくれたのだから一応話は聞いてみる、またはその教団の主宰する会を見学する、という態度では大体底なし沼にはまり込むそうだ。
宗教の勧誘は利益誘導であり、インチキ宗教が多数の信者を獲得するセールスポイントは貧・病・争の 三本柱だと言われる。彼方がこの教団に入信すれば金持ちになれる、病が治る、人間関係のトラブル(争い、例えば嫁姑)が解消されるなどの「ご利益」を利用 して、インチキ宗教は繁盛するのだ。もちろん「ご利益」は巧妙にカムフラージュされており、彼方が先祖(水子)供養を怠ったから不幸な目にあうなど脅した りする。この種の供養はビックビジネスになっているではないか。
ひろさんが大学生の頃(昭和11年生まれなので50年ちかく昔)、彼の下宿に当時猛烈な勢いで信者を獲得していた新興宗教の信者たちが折伏に来たそうだ。まず代表格の者が口火を切った。「あなたは不幸だと思っておられますよね」。
大抵の人間は何らかの不幸を抱え込んでいるので、彼らはそこから攻撃するという。不幸だから易で手相を見てもらうのであり、幸福な人は易者に相談しない。東大文学部印度哲学科に在籍していたひろさんは、すかさず反論する。
「いや、私は幸せなんです。幸せで幸せで困るくらいです。これは私がインドのサッダルマ・プンダリーカ・キョウを信じているためです。あなたにその教えを教えてあげましょうか」
さすがに相手は面食らったが、彼らもサッダルマ・プンダリーカ・キョウなどインチキに決まっている、そんな邪教など信じないで私たちの宗教を信じなさいと 食い下がる。そこでひろさんは「サッダルマ・プンダリーカ・キョウ」と紙に書き、帰ってこの言葉を教団の幹部の人に見せて、これを「邪教」と言ったがそれ でよろしいか聞いてごらん、と言った。
その後、信者たちは2度と来なかった。“サッダルマ・プンダリーカ”とは彼らが信奉してるという「法華経」の梵語の名だ。
宗教の勧誘は「ご利益」の押し売りで、押し売りならぴしゃりと断るのが被害に遭わない秘訣とのことだ。ただ、欲があればセールスにやられてしまう。おかしな宗教の誘惑に負けるのは、負ける人が悪いと厳しい。
カルトなどはこの勧誘に実に長けている。宗教と初めは名乗らず何かの趣味のサークルで取り込むから、ますます騙しが狡猾になっている。ネットでも怪しげなサイトがある。私のブログを含め所構わずTBを送っていた『心の幸福と宗教の世界』なるものがあるが、これぞ宗教の押し売りだった。宗教に関するブログの割に「賢者と宗教」の記事を見れば宗教の基本にも疎いようだが(ソクラテスやプラトンを否定したのがキリスト教)、宗教に帰依すれば心の幸福が得られるなど説くのは、カルトの常套手段である。
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キリスト教(ユダヤ、イスラムも同じ)的解釈では、厄災に遭うのも救いが得られるのも神の御意志となるはずですが。そして、異教徒は救いの対象外で、地獄に落ちると聖書やコーランにちゃんと載ってます。唯一絶対神は他の神を拝んだ者は許さない。
異教徒と戦え、とも聖書、コーラン共に記載がありますから、一神教の教義は極めて好戦的です。
ただ、全ての宗教の教典など人間の作品に過ぎません。開祖たちがもっともらしく神の啓示と戯言を並べているのです。
「ブローク~」ではコメント&TBありがとうございました。
>“サッダルマ・プンダリーカ”
痛快ですね。こんな風に論破できないのですが、私も何度か勧誘を受けたことがありまして(某有名キリスト教ですが)勧誘する人が決まって言うのが「入信しないと厄災に遭った時に(神の)助けが受けられない」って言うんですよ。なので、私は「あなたの神は自分を信じない者は救わないって一言でも言ってますか?人間の業を全て引き受けて死んで(復活してますけど)いったんじゃないの?助けを求める者へ無慈悲で傲慢な神様は、こっちから願い下げです。」と言い返しました。どんな宗教の神様だって、他宗教の者と争えとか、信者以外は救わないなんて、一言も言ってないと思うんですけどね~私は無神論者なんで、キリスト教の解釈もとい宗教の解釈を間違ってるとは思いますが、彼らの手前勝手な解釈にはムカつきます。
私も昨日そのニュースを知りました。異端の禁書となって当然の内容ですね。「ナショナルジオグラフィック日本版」は28日に日本発売ですか、面白そうです。
今後のカトリック側の対応が関心あります。これは贋作、間違いだと凄まじいキャンペーンをするかもしれません。あらゆる手段を駆使して封じ込めを図ると思います。
統一教会に限らず、朝鮮系のカルト宗教には困ったものです。北朝鮮に拉致された日本人よりも数が多い。
行政にもカルト宗教政党がしっかり食い込んでますからね。せめて宗教組織の息のかかっている者は選挙で落選させるようにしたいです。
>キモトさん
「法華経」が信奉だから、この新興宗教団体名が分かりますね。
私の家にも怪しげな宗教団体が勧誘に来ますが、ドアホンで「興味ありません」と断ってます。
『〇ホバの証人』かどうかは分かりませんが、入信してこんな活動をさせられるとは割にあいません。
先日の読売新聞によると、2世紀に異端の禁書とされた「ユダの福音書」の写本が解読されたそうですね。
それによると、ユダは裏切り者ではなく、唯一イエスのお墨付きをもらった弟子であり、イエスが官憲に自分を手渡すようにようにユダに指示した、と描かれているようです。
そのときのイエスの言葉では、ユダは、「お前は、真の私を包むこの肉体を犠牲とし、すべての弟子たちを超える存在になる」とのこと、とても興味深い表現ですね。
詳細は、28日発売の「ナショナルジオグラフィック日本版」に掲載されるそうなので、ぜひ購入してみたいと思います。
僕もよく『〇ホバの証人』の勧誘を論破するのを楽しみにしてりします。
しかし『また勉強してきます』と言って二度と同じ人物が来ないのはちょっと…ヾ(-.-;)
子供も出来て逃げ場無しなんて考えたら・・・。一生目覚めなければいいんでしょうが、現地で目が覚めた人たちもいるでしょうね。(ため息)
行政頼りというわけじゃないですが、カルト宗教防止法のようなものがあってもいいんじゃないかな?