『君戀しやと、呟けど。。。』

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『残り香』 ~結末~

2009-02-01 11:22:49 | 作品b 【掌編】
 殺人を犯したわけではなかった犯人は服役期間を短縮され、街に戻ってきていた。
 しかし警察は、そのことを教えてはくれない。不幸な偶然が重なり合って、美沙は再び奴と遭遇してしまう。

 更生する気持ちがあったというのか。
 奴が懐に忍ばせた刃は、美沙の体を傷つける。
 そして彼奴が逮捕された時、すでに美沙の命は尽きていた――。

 待ち合わせの場所、そこには人だかりができていた。
 近づく救急車のサイレン、自転車で駆けつける警官。不吉な予感に走り出す。
 血まみれになった美沙は、俺の名を呼び続けていたという。
 同じ顔を持つ犯人は、何を考え刃を振るったのか…

「安らかに眠れ。優しい香りとお前自身を、俺は決して忘れない」
                      【終わり】

                           著作:紫草
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