『君戀しやと、呟けど。。。』

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『危うさ』

2013-11-16 00:06:46 | 作品b 【掌編】
 昨日と同じ今日があったように、今日と同じ明日があると信じてる。
 否、信じていることすら忘れていて、今から繋がる時間を絶対に在ると思ってた。

 でも違った。
 今に繋がる次の瞬間、その時刻さえ曖昧に問いかける。
 これまで無駄にしてきた時はなかったかと。
 親は生きていて当然の存在で、兄弟は何を言っても許されると思ってた。

 今、私は独りだ。
 帰る家も、頼る知り合いも、そして過去の全てを忘却の彼方へ。

 何処に行けばいいのだろう…
 たった一歩の歩みを踏み出せず、ただ立ち尽くす初冬の宵闇である――。

                       【終わり】

                             著作:紫草
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