『君戀しやと、呟けど。。。』

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『あきら Ⅶ』

2005-08-13 00:22:59 | 小説『あきら』
「いつか、俺のものになってくれる?!」

 俊が、そう云ってKissをした――。

 ひとしきり泣いた後、私達はマスターの云う通り、その場を離れ駅裏のビジネスホテルへとやって来た。
 とにかく臭かったのだ。俊が折角買ってくれたブラウスも、そのまま着てしまったら、同じこと。そこでシャワーを浴びる為、ホテルへの移動となったのだった。

 シャワーを浴びベッドへと腰を下ろす。俊が濡れた髪をタオルで拭いてくれて、そのまま私を押し倒した。

 優しい気持ちのこもったKiss。払いのけることは・・、出来なかった――。

「どうして私に、こだわるの?」
「分かんない。でも今まで寄ってくる女は多かったけど、自分で好きになった人いなかったと思う。冬子さんは無くしたら、きっと後悔する。それは分かるもん」

 俊は、そう云う。
 でも私に、そんな価値があるとは思えないけど。。。

「そうね。いつか・・なら。でも、その前に。俊が恋人作る努力を怠らないことってのが条件」
「何だ、それ」
 俊は云いながら離れてゆく。
「ごめんね。でも私は、二人の人を愛せない」

 初めて俊に向かって答えを出した。
 いい男、連れて歩くには最高の。
 でも、俊が望むものと、私が望むものは違う。不倫はしたくないから。

「分かった。いつか、だよ」
「うん」
 私は品のいい、薄茶のブラウスに袖を通した。

 ホントだ。サイズ、ぴったり。

「有難う。私、そろそろ帰らなきゃ」
「分かってる。子供が帰ってくるんだろ」
「ご名答」

 俊は黙って支度をし、私も倣って身支度を整えた。
 扉の前に立ち、俊が云う。
「冬子。俺のことって、どんな対象かな」
「年下の男の子」
 私は、昔聞いたアイドルの曲名を引用して答えておいた。。。

 嘘ばっか。。。

          To be continued
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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2005-08-14 00:39:12
うふふ、murasaki-souの本領発揮だね
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2つめのコメント (natu)
2005-08-14 00:41:00
また、やってしまった・・・

名無しのごんべは私です。



続きを楽しみにしてるよ
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>natuちゃんへ (紫草)
2005-08-15 21:30:32
 もう‘ショートショート’ではなくなってますが(爆)、このまま、突っ走っていく予定です
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この展開は・・・ (あきら)
2005-08-16 15:56:11
ますます 続きが気になる!

次行きます^^
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Re:あきら様へ (紫草@管理人」)
2005-08-18 08:25:41
 おやおや、はまってしまったようですね。

 有難うございます。



 赤ちゃん、元気ですか
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