『君戀しやと、呟けど。。。』

此処は虚構の世界です。
全作品の著作権は管理人である紫草/翆童に属します。
無断引用、無断転載は一切禁止致します。

『穢れ』の結末

2009-10-24 23:34:45 | 作品b 【掌編】
「知らないわよ、そんなこと。だって未知と仲良くないもん。あの子、嫌いなんだよね。いっつも私のこと、馬鹿にしたような目で見んの。イライラしちゃう」
 妻である瑞穂のその言い草に、お前が馬鹿なのは本当だろうと突っ込みたくなった。

「誰から聞いた?」
 瑞穂のなかでは終わったらしい話題に、俺は食い下がった。
「何よ。気になるの?」
 その顔には嫉妬の表情を浮かべているが、今更何だと言ってやりたい…
「ほら。結婚式の直前に喧嘩売りにきた子がいたでしょ。今日、ランチ食べに行ったお店で彼女を見たの。そしたら未知と知らない男も入ってきて、結婚の話をしてたから」

 今、自分の恋情に嫉妬の嵐が吹き荒れている。もう二度と戻らない未知という女を、誰よりも愛していると感じる。
 未知を奪っていく男を、消してしまいたいと思う程には――。
                       【終わり】

                            著作:紫草
コメント    この記事についてブログを書く
« 『穢れ』2 | トップ | 『穢れ』その後 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

作品b 【掌編】」カテゴリの最新記事