『君戀しやと、呟けど。。。』

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『残り香』2

2009-01-27 22:33:30 | 作品b 【掌編】
 世の中には似た人間が三人はいる、と聞く。
 その話が本当か嘘かは、どうでもいい。少なくとも、私は今日実感した。
 派遣されたパーティ会場で、目を奪われた。

 私の人生を変えた男と、瓜二つといってもいい程の男。
 でも、その顔がどんなに似ていても、彼は違う人…

 レイプという犯罪は何故、被害者が身を隠すように暮らさねばならないのか。
 悪いのは私じゃない。
 でも、それを言う勇気はなかった。

 これから先も世の中に怯えながら、私は息を潜めて生きる。
 救われることなどない、心に闇を抱えながら――。

                  【終わり】

                     著作:紫草

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