独占欲には限りが無い。それは、はっきりと分かっていた。
理穂を自由にはしてやれない。
でも頭の何処かで、警鐘が鳴っていたのも事実だ。理穂も自分も駄目になる、と…
離れていこうとした理穂を、婚姻という紙切れで縛りつけ、そして閉じ込めた。
文字通り、自宅の地下に軟禁し誰の目にも触れさせることなく、そして独占した。
理穂は最期まで、笑いかけてくれた。
好きにしていいからと、笑ってた。
何度も何度も、手離そうと思った。
でも…、できなかった。自分は、すでに壊れていたから。
理穂が死んで初めて、本当に彼奴を手に入れたと喜んだ自分が恐ろしかった――。
【終わり】
著作:紫草
理穂を自由にはしてやれない。
でも頭の何処かで、警鐘が鳴っていたのも事実だ。理穂も自分も駄目になる、と…
離れていこうとした理穂を、婚姻という紙切れで縛りつけ、そして閉じ込めた。
文字通り、自宅の地下に軟禁し誰の目にも触れさせることなく、そして独占した。
理穂は最期まで、笑いかけてくれた。
好きにしていいからと、笑ってた。
何度も何度も、手離そうと思った。
でも…、できなかった。自分は、すでに壊れていたから。
理穂が死んで初めて、本当に彼奴を手に入れたと喜んだ自分が恐ろしかった――。
【終わり】
著作:紫草