天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

7/24国立劇場『歌舞伎鑑賞教室 身替座禅』

2010年07月26日 | 歌舞伎
一昨日(7/24)国立劇場の歌舞伎鑑賞教室へ行ってきました。

地下鉄永田町から歩いて10分くらい、もううだる暑さで
すでに会場に着いたときには汗だくでした。

10時過ぎに着きましたが、なにやら小学生のちびっ子たちがいっぱい。

「うわぁ…。」(-"-)と思ってしまったのですが、いらぬ心配でした。

イヤホンガイドもあって、お子様用なのだとか。
ちょっと気になりましたが、やっぱりナシで。

20分の幕間1回しかないのに、お弁当屋さんがいたりしました。


10時半すぎ、開場。

ロビーには獅子の精の人形がバーンとあったり、お土産さんがあったり、
DVDや関連書籍の販売があったりして、なかなか楽しいところでした。

11時開演。

1.「歌舞伎のみかた」その1(~11時40分)


舞台にスクリーンがあって、案内人の壱太郎くんと隼人くんが
外から劇場に入ってくるという演出。

「踊る大走査線」の音楽をバックに、お二人客席からの登場でした。

私は2階席の上手側だったので、残念でした。

どこかのHPでみた「きれいめカジュアルな」お衣装とのことで
お二人のお衣装すごく楽しみにしていました。

壱太郎くんは白のデザインシャツにグレーのパンツ、赤いスニーカー。
隼人くんは白いシャツに黒のベスト、ベージュのパンツに黒のスニーカーでした。

普段、TVで見かけない(と思う)お二人なので、むちゃくちゃ新鮮。
しかもかわいい。

壱太郎くんは出待ちしたことがあるので、なんとなく知ってましたが、
隼人くん、16歳ということもあるけれど、かわいい。
ジャニーズっぽい。ほんとかわいい。歌舞伎俳優にしとくのもったいない。
もっとアイドルで売り出せばいいのにとか思っちゃいました。

お二人の自己紹介なんかがあって、

「僕たち、スクリーンがあるので舞台に上がれません。
『舞台を開放せよ!』と叫んでください。」なんて壱太郎くん。

えぇ、言うかあ…

と思っていたら、


「舞台を」


「カイホーせよっ!」


元気なちびっ子たちの声。

す、すごい。東京のちびっ子は。


そして、何にもない舞台にお二人が立ったら…

舞台が回り始めました。

直径20メートルあるとか。

2階席だったので、お二人ぐるぐる回ってるのがよく見えました。


その後は、セリの説明。

隼人くんが、セリにのって上下。
国立劇場には17個あるとか。
階段状に大小のセリが上下して、その上を歩く隼人くん。

場所を移して、今度はスッポンの説明。

壱太郎くんと隼人君が交互に七三で、出たり消えたり。
その様子に笑いが起きました。

黒御簾の内側を紹介されたり、

歌舞伎の歴史をイラストや昔の絵で紹介されたり、

最後は、スッピンの隼人くんが女形の化粧をする様子を
壱太郎くんの解説でスクリーンで紹介。

隼人くんの顔が真っ白になったときは、会場大笑いでした。

全部知識としては知ってましたが、何もない舞台がまわったり、
セリがあんなにたくさんあるんだとか、
黒御簾の中はあんなに狭いのかとか、
勉強になりました。


2.身替座禅(12時~12時50分)

上手、下手両側に電光掲示板。
【常磐津】【長唄】とそれぞれ歌詞が表示されて、踊りがすごくわかりやすかったです。
これは、どの劇場でも設置して欲しいものです。

中村錦之助さんの山蔭右京。
初役だそうですけど、私のイメージピッタリ。
品がよくって、あのきれいなお衣装がお似合い。

やっぱり花子に会いに行った後、鬢がパラっとなってふらふら花道を歩く件が
良かったです。
花子の小袖がきれいですよねえ。

観ていて楽しかったのが、さっきのお二人が侍女で出てきたとき。
ちびっ子たちが「さっきのあのお兄ちゃんたちだよね」みたいに
ざわざわざわっとしたり、

身替座禅がばれたときには、笑いが起きたり、

親御さんはお休み中なのに、ちびっ子が「ねえねえ、あの…」って
起こしたり…。

隣の女の子は、むちゃくちゃ拍手してましたし。

こんなに気持ちのいい観劇は初めてかも。


壱太郎くんはやっぱり、女にしか見えないし、
隼人くんはさわやか美人系だし、二代目錦ちゃんはきれい。

よかったなあ。


3.「歌舞伎のみかた」 その2(12時50分~13時15分)

終わりかと思ったら、まだ続きがありました。
今度は二人のお兄ちゃん、袴姿で登場です。

さっきの「きれいめカジュアル」と違って、またかわいい。

所作板の説明、松羽目物の説明、そして長唄の方たちの紹介がありました。

面白かったのが、狂言からきているということで
「にほんごであそぼ」の野村萬斎さんのテープ(?)が流れて
それにあわせてお二人が踊られたときに、会場がざわつきました。
すごいですね。この番組。みんな見てるんですねえ。
わたしも見てますけど。

最後に、「棒しばり」の一部分、お酒を飲んで踊りだすという件を
披露してくださって、幕となりました。

壱太郎くんが棒にしばられて、隼人くんは腕をしばられてました。

壱太郎くん、扇を片手から片手へ放り投げるのも上手く決まって、大喝采。

いや~、3,800円。お値打ちでした。


きっと、今日のちびっ子たちは「かぶきって面白いよ。」なんて
おともだちに話してくれるだろうな。

大きくなっても「歌舞伎ってわからなくて、つまんない。」なんて
いわないだろうな。

また、観たいって思ってくれてたらいいな。


いつもと違う歌舞伎鑑賞でございました。
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7/18松竹座『七月大歌舞伎』夜の部

2010年07月19日 | 歌舞伎
昨日(7/18)大阪・松竹座『七月大歌舞伎』の夜の部を観てきました。

1.双蝶々曲輪日記 三幕四場
(井筒屋 米屋 難波裏(16:00~17:20)引窓 17:30~18:43))

三月に角力場を見ていたので、なんとなくわかっていたのですが
これで、あらすじがすっきりしました。

しかしまあ、指を切らせたり、人殺しさせちゃったり
ホクロをそぎ落とすとか、えげつない話ですわ。

吾妻の春猿さんと与五郎の愛之助さんのいちゃいちゃ、
ラブラブっぷりにはもうわたし、メロメロでした。
久しぶりに、なよなよっとした愛之助さん観れました。
やっぱり、かわいいなあ。
春猿さんもかわいすぎ、キレイすぎ。
写真が撮りたくて仕方なかったですよ。これは。
すごい、すごい、いい時代になったもんです。

濡髪長五郎の染五郎さん、時たま幸四郎さんに声が似ていて
ゾクっとしました。
以前テレビで幸四郎さんの濡髪を観たことがあるので。
何しても、染五郎さんはかっこいいや。

引窓では、与兵衛の仁左衛門さん登場。
やっぱり、すごいです。舞台がピシッとなりますね。

この場は、なんか長かったです。
与兵衛は濡髪を路銀も置いて見逃す、といってるのに
濡髪はつかまろうとする、
濡髪の母親は逃げろ、いや、やっぱり引き渡すという。
最後は与兵衛が逃げろといって、濡髪逃げる。
これまでは結構スピーディーに話が進んでいったので余計に
長く感じてしまったのかもしれません。

路銀の袋を窓から投げて、それがホクロにあたって取れちゃうって
めちゃくちゃやわ~。

とりあえず、もう一回角力場が見たいと思いました。


2.弥栄芝居賑 道頓堀芝居前(19:13~19:33)

ずっと「幹部俳優出演」としかなかったので、一体なんぞやと
ワクワクしていました。

設定は道頓堀の芝居小屋の前。そこへ色んな人がやってくる。
「大手笹せ」の提灯や幕もかかって、上方色満載。

大店の母親の笑三郎さんの手に引かれた春猿さん。
とび職の段治郎さん、芸者吉弥さん、若旦那の染五郎さん。
団子売夫婦の孝太郎さん、愛之助さん。
芝居茶屋の夫婦に左團次さん、竹三郎さん。
太夫元に仁左衛門さん。

順番に出てきて、ちょっと踊りを見せてくれたり、
団子売が出てきたところで、手ぬぐい投げ(?)がありました。
(後ろのほうの席だったので、届かなくて残念でした(T_T))

横一列にずらっと並ばれて、一言ずつご挨拶。
竹三郎さんの大阪弁ばりばりで、「福山竜馬より面白い」みたいなことを
言わはって、場内大爆笑。
最後に、上方締めで場内一体となって、幕となりました。

仁左衛門さんの「毎月関西で歌舞伎が打てるように」というのが
嬉しかったですし、そうなればいいなと思いました。


3.竜馬がゆく 風雲編(19:53~21:00)

竜馬が脱藩して、武市半平太は切腹、薩摩藩邸で西郷と仲良くなって
寺田屋で襲われるところまで。

ひと言、歌舞伎ではなかったです。

暗幕に「竜馬がゆく」という幕がかかって始まり、
音楽はテープ、立ち回りも時代劇、見得もなし。
台詞は土佐弁やら薩摩弁ありの時代劇そのまま。
幕も緞帳が下がりました。

観る直前まで、原作(?)のTV時代劇を見ていたお陰で
すっと、お話に入っていけました。
というより、TVそのまんまでした。

面白かったのは、寺田屋でおりょうが「大変大変」と
捕り手がやってきたことを知らせてきてるのに、
竜馬が「はにぃむう~んじゃぁ」とおりょうを抱きしめて
それを三吉が「こんなときに何をしてるんだ」みたいな突っ込み台詞。

猿弥さんの西郷どんと、吉弥さんのお登勢さんがよかったなあ。
吉弥さん、観るたびにお気に入りになっていくような気がします。


三十周年記念とは言わず、毎年この豪華さでお願いしたいものです。
あ~、楽しかった♪
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7/11松竹座『七月大歌舞伎』昼の部

2010年07月11日 | 歌舞伎
今日(7/11)大阪・松竹座『七月大歌舞伎』の昼の部を観てきました。

今日は桟敷席に祇園のお姉さま方がずら~っと。
顔見世みたいな雰囲気でよかったです♪

1.妹背山婦女庭訓 三笠山御殿(11:00~12:20)

初めて私が歌舞伎の本興行で観た演目が、この妹背山。
('91年2月中座 淡海・橋之助、橘姫・孝太郎、お三輪・浩太郎、鱶七・智太郎)
「なんで飛鳥時代やのに、江戸時代の格好なんや~」とか、
「最初なに言うてるかわからんけど、後のほうはわかった」とか、
観劇後の感想は「えげつない話やなあ。」と、当時のメモ。

もう観始めて何年も経ってますが、やっぱりこれ、「ヤマトタケル」みたいな
飛鳥時代の装束でやってほしいと思います。

今回は何と言っても、橘姫に春猿さん、淡海に段治郎さんという
おもだかやペアに注目。
まさかですよ、大阪で、こんな配役なんて。嬉しいったらありゃしない。

春猿さん、数年ぶりに観たんですが、さらに美しさが増してるような気がしました。
段治郎さんとの告白の件、ず~っと観続けたかったです。
綺麗でキレイで。

孝太郎さんのお三輪は、かわいかったです。
一途に淡海を追いかけて、嫉妬して、女官(?)に意地悪されても耐えて、耐えて。
孝太郎さんは、かわいい役が好きです。

翫雀さんのおむら、おもしろかった。
コミカルな演技がほんと上手いですね。

お三輪をブスっと刺してしまう鱶七に愛之助さん。
悪役の声もぞぞぞってきますね。
上手いですほんと。
足の親指、ずっと上げたまんまでした。しんどくないかなあ…。

やっぱり、感想は前回と変わらず、「えげつない話やなあ」。


2.大原女 国入奴(12:50~13:10)

大好きな長唄の踊り。
おかめのお面をかぶった大原女が、引き抜きで奴さんに。
毛槍を持って軽快に踊られてました。
あっという間の20分でした。


3.元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿(13:30~15:08)

六代将軍候補の徳川綱豊の妾の兄・助右衛門が、吉良も参加のお浜遊びの見物を申し出る。
綱豊と助右衛門の腹の探り合い。

三場の御浜御殿殿元の御座の間の、綱豊と助右衛門の長台詞はただ、ただ圧巻というか、
仁左衛門さんの「はっはっは~」と笑ったり、感極まって怒鳴ったり、ほんと圧巻です。
おいくつになってもほんと美しいですね、仁左衛門さん。

染五郎さんもやっぱり上手いです。
敷居をだだだだだって、入ってしまうところがもう良かった良かった。
男前さんお二人に、かわいい孝太郎さんのお喜世。
最高でしたね。

忘れちゃいけないのが、笑三郎さん。
御祐筆の江島を演じてらっしゃいました。
助右衛門を綱豊卿にあわせるきっかけをつくる、重要な役どころ。
仁左衛門さん、竹三郎さん、孝太郎さん相手に、堂々と。
笑三郎さんは、ちょっと大人びたというか、品のある偉そうな役がお上手なんですよね。
すごいなあ、いや~。いい時代になりましたねえ。

今回は私の好きな役者さんが、イメージピッタリのお役で演じられてて大満足。
顔見世みたい。
2万円出してもいいかもって思いました。

夜の部も楽しみです♪
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5/23松竹座『團菊祭五月大歌舞伎』夜の部

2010年05月24日 | 歌舞伎
昨日(5/23)大阪・松竹座『團菊祭』の夜の部を観てきました。

あいにくの本降りの雨でしたが、お着物姿の方、多数お見受けしました。
私も雨でも、さささっと着てお出かけできるようになりたいです…。


1.本朝廿四孝 十種香(16:15~17:05)

切腹した武田勝頼の偽者の妻と一緒に上杉家に潜入してるっていう時点で
バレバレやろうって思ってしまいます。

蓑作(実は勝頼)の中村錦之助さん、ピッタリ。品のあるお殿様がほんとお似合い。
八重垣姫の時蔵さんが、「ねえ、ねえ、あなた勝頼さまでしょう、そうなんでしょう?。」って
言い寄られても、かたくなに「違う。花売りの蓑作です。」という表情がたまりませんでした。

腰元に化けている濡衣の尾上菊之助さん、夫が勝頼に似ているからと、おいおい泣く声が
ほんとは泣いてはいけないけれど、泣いてるっていう感じがしました。
気丈な女性が似合うのかなあという気がしました。

八重垣姫の中村時蔵さん、赤姫好きです。かわいいです。
おいおいと泣く声がまた、かわいらしい。

義太夫さんにのって、この3人のやり取りがほとんど。
美男美女なので、もうたまりません。
濡衣の黒の腰元のお衣装、勝頼の紫の袴、八重垣姫の赤姫と
舞台上の色もきれいで、夢の世界というか、なんというか。

贅沢な気分にさせていただきました。

あと、しょーもなぁいことが気になったんですが、一人の後見さん
勝頼に合引(?)腰掛みたいなものを持ってきて
ずーっっと10何分も影で丸っこくなっていらしたんです。
同じ体勢のままの錦之助さんも大変だと思いますが、後見さんすごいなあって。


2.京人形(17:25~17:55)

昔、孝太郎さんの京人形を見て、ずーーーーーっと見たいと思っていました。
それが今回、菊之助さんということで、楽しみで楽しみで仕方ありませんでした(*^_^*)

彫物師の左甚五郎、廓の太夫そっくりの人形を相手に酒を飲み始めると
人形が踊りだす。

「京人形」と書かれた箱のカギをあけた瞬間、客席から「うわぁ~(キレイ)。」と
感嘆の声がしました。私もその声の一人です。

衿も桃色にお花模様でかわいいし、髪に挿してある手鏡(?)も
紐かなんかでできた松やら扇やらの絵がついていてすごくキレイ。
もちろん、菊之助さんが美しいのは言うまでもありません。

最初はロボットみたいなカクカクした踊り、
甚五郎と同じ男の踊り、
そして手鏡を懐に入れられると、急になよっと女に。
見返り美人みたいな腰をひねった振りが、なんとも色っぽい。

甚五郎の坂東三津五郎さんも踊り上手ですし、菊之助さんはキレイで、
もう楽しくて楽しくて。
あっという間の15分間でした。
甚五郎に箱になおすな~!って言いたくなりました。

そして、なぜか舞踊劇にはつき物(?)の立ち回り。
右腕をやられた甚五郎が、左手だけでノミやカンナで立ち回り。
おしまいは4人(?)の肩車みたいなのに乗っかって見得。

あ~、もう10回くらい見たいなあ。
菊之助さん、やっぱり大好きになりました(*^_^*)

今度壱太郎くんで見てみたい。(何回も言ってるなあ…)


3.髪結新三 三幕六場 白子屋見世先より閻魔堂橋まで(18:25~20:35)

駆け落ちしようとしている材木屋の娘と手代。そこに出入りする髪結の新三が
手代をそそのかし、娘をかどわかす。そこへ町の親分源七や家主の長兵衛が
あれやこれやと、娘を助けようとするが…。

新三に尾上菊五郎さん、源七に市川団十郎さん、長兵衛に坂東三津五郎さんという
大阪ではまずありえない配役(だと思う)。

ひたすら七五調の台詞で、心地よい演目です。
黙阿弥狂言大好きになりました。

特に、菊五郎さんの声は最高ですね。
江戸っ子って、あこがれてしまいます。
「わっちは~」とか。
かっこいいです。惚れ惚れしました。

団十郎さんはやっぱり、見得を切ってなくても切ってるみたい。
浮世絵が歩いているみたい。体躯も立派な才能ですね。

2幕目第一場で、新三の家に源七がやってきて、10両で返してやれといっても
新三にこてんぱんにやられて、ものすごく悔しそうに花道を後にする件は
かっこよかったです。

三津五郎さんも口跡よくて、心地よかったです。
「30両払うから返してやれ、かつおの半身はいただくよ。」(みたいな台詞)
逆に、新三をこてんぱんにやっつけて、しかも上前はねて、上手くいったかと思ったら
家に泥棒が入って大損する。
面白い脚本ですねえ。

市村萬次郎さん、京人形でも三津五郎さんの妻役で、これでも長兵衛の妻役。
ほんと意地汚い役をコミカルに演じられてました。上手いなあ。

かどわかされるお熊に中村梅枝くん、かわいかったなあ。
押入れに入れられてないで、出てきてくれたらいいのにって思いました。

新三の弟分、勝奴に尾上菊之助さん。男もいいなあ。かっこいい。
声もいいし、間が上手い。
すごい役者さんだなあ。さらに大好きになりました。

2幕目3場、15両を手にした新三が、嬉しそうに勝奴に小判を放り投げてるところで
幕が引かれると、たくさんのお客さんが出て行きました。
これで、終わってもいいんですが、やっぱり閻魔堂橋の場を見なくっちゃ。

大詰めの團菊の立ち回りは貫禄があって、「ひやぁ~」って声をあげてしまいました。
すごいオーラでしたね。
おしまいは、ぱっと明るくなって、そしてお二人が舞台に手をついて
「本日はこれにいり~」(って聞こえました)と幕が引かれました。


関西の役者さんが一人も出ていないお芝居を見る機会があまりなかったので
とっても新鮮な気分…。
お江戸気分満喫な夜でした。

来年も團菊祭、大阪で開いて欲しいです。
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5/9松竹座『團菊祭五月大歌舞伎』昼の部

2010年05月09日 | 歌舞伎
今日(5/9)大阪・松竹座『團菊祭』の昼の部を観てきました。

恥ずかしながら、音羽屋さんは「NINAGAWA十二夜」しか観たことがなく、
成田屋さんにいたっては、今回初めてでした。

歌舞伎座から持ってきたという、9代目團十郎と5代目菊五郎の胸像が
1階ロビーにありました。


1.摂州合邦辻(11:00~12:25)

玉手は俊徳丸が好きで毒酒を飲ませたのか、はたまた夫の義理立てのため
どちらなんでしょう。
私は前者だと思いました。

両親、継子、はたまたお家を慕う心、俊徳丸に対する恋慕、浅香姫に対する嫉妬…
そして最後の述懐。
めまぐるしく心情をあらわにする玉手を菊之助さん、ただただ、すごかったです。

玉三郎さんに稽古をつけてもらっていたとTVで見ましたが、
「本復疑いなしと聞いたときの そのう~れ~しぃ~さ~」
あえて先代からの型を変えたというこの件、なんとも幸せなんだという気が私はしました。

梅枝さん、初めて見ました。
お父様(時蔵さん)ゆずりの面長美人。声もきれいで、これからも注目してみます。

義太夫狂言、ちょっと苦手じゃなくなってきたかも。
でも、どうして死ぬ間際に真実話すの、みんな耳を傾ければいいのにって
いつも思っちゃううちは、まだまだですね(^_^;)

また、数年後観てみたい演目です。


2.勧進帳(12:55~14:05)

10何年前、某若手役者によるこの演目を見て、弁慶と富樫の山伏問答の最中で
熟睡してしまった私…
今日の今日まで、勧進帳って眠い演目だと思い込んでいました。
だから、敬遠していたんです。
すみません、知りませんでした。
こんなに面白くて、楽しい演目だなんて!!!

弁慶を團十郎さん、富樫を菊五郎さん、そして義経を(坂田)藤十郎さんという
贅沢な勧進帳。

富樫の名乗りからもう、クラクラ…なんとも品のある口跡に拍手。

花道から義経一行がずらずらずらずら…。
弁慶登場、團十郎さんの目が大きい、見得切ってないのに、切ってるみたい。
浮世絵から出てきたような立派な容姿、またクラクラ…。

藤十郎さん、じーーーーーーーっと杖を持って座られるの、大変じゃないですか?

山伏問答、大皮(?)と鼓の合いの手(?)が入って、ヒートアップ。
すごい、すごい、私のココロもヒートアップ↑

富樫にお酒を勧められて飲む弁慶。
空になった瓢箪をくるくるくるくる…。よく両方とも同じように回りますね。

最後の跳び六方、二階席なので途中までしか見えませんでしたが(T_T)
想像以上に大迫力、手がちぎれるほど拍手しました。

長唄さんも派手だし、登場人物も派手で、ほんと楽しい演目でした。
あっという間の1時間強。

なんで以前は熟睡だったんでしょうか。
ちょっとは年月経って、私もちょっとは観る目が変わったのかしら。
そうであってほしいと思います…。


3.河内山(14:20~15:30)

数奇屋坊主・河内山が上野寛永寺の僧侶に化けて、
松江家に腰元浪路として幽閉されている、上州屋のふじを連れ戻そうとする…。

待ってました、黙阿弥の世話物狂言。

主人公の河内山に三津五郎さん。
松江出雲守に信二郎さん、いえ錦之助さん。
宮崎数馬に巳之助さん、
腰元浪路に(尾上)右近くん。

巳之助さんは初めて(実際は2回目)ちゃんと観ました。
お父様(三津五郎さん)に声が似てはりますね。

錦之助さんはお殿様がお似合いですね。
すごく品があって、かっこよかったです。

右近くん、先月のこんぴらでは勇ましい立役でしたが
今回は女形。
しゅっとした美人さんでした。
出番がもっとあればよかったのになあ。

三津五郎さんはやっぱり、好きです。
ちょっとワルで、品もあるよっていうのがいいですね。

不意に本性が出てしまうところも、面白かったです。

「まってました!」の大向こうさんで始まった、七五調の台詞。
聞いてて、むちゃくちゃ気分よかったです。
胸をすくってこういうことなんだって、今日知りました。

最後の引っ込みの「ぶゎぁかあむぇ~っ!」。
やまとやっ!って声が出そうでした。
捕まえたくても捕まえれない、出雲守、
それを抑える数馬。

ほんと、楽しかったです。


■□■

今回の大向うさんは、いつもと違うような気が…。
すごく声にハリと品がある。
それに、タイミングがバッチリ。
すごく気持ちがよかったです。

さあて、夜の部も楽しみになってきました~!
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4/18 四国こんぴら歌舞伎 昼の部

2010年04月25日 | 歌舞伎
こちらも、まとまらないのでそのまんまです。
わかりにくくてすみません<(_ _)>

■□■

4/18(日)こんぴら歌舞伎・昼の部に行ってきました。

ホテルで朝風呂(かぶきの湯っていうお風呂)に入ったり、
昨日の感激メモを書いていたりすると、あっという間に会場時間間近。

昨日より早く行っていい席取るぞ、って息巻いていたのに
結局、開場10時のちょっと前に着きました。

すでに金丸座前には50人ぐらいの人の列。
昨日と同じように、靴袋やパックツアーのおみやげ(うどんとかお弁当とか…4000円するんですよ)を
受け取ったり、写真を撮ったりして開場を待ちました。


今日もいいお天気♪

今日はお待ちかねの、かぶりつき
お茶子さんに「気をつけてくださいね」なんて言われながら
平均台のようなところを通って、席到着。

ほんまのほんまの、まん前。
目の前が板なんですよ。
奈落からひょ~っと冷たい風が出てくるし、
板のすき間から、奈落が見えるし。
しかも定式幕が視界に3色(3本)しか見えないんですよ。

周りの方と、「汗とんできたらどうします?」
なんて、お話しながら開演時間を待っていました。
周りの方も、私と同じくハイテンション



■義賢最期 一幕

ちょっとぉ、近いってもん違うでよ。
お衣装の刺繍の縫い目までわかるがな。

壱太郎くん、右頬にニキビが数個。
そんなところまで見えちゃうぞ。(←無視してください)

小万(亀治郎)を恨めしく思う壱太郎くんの表情、むっちゃよかった。
それをたしなめる葵御前(吉弥)の表情も上手かったなあ。

亀ちゃん、勝気な女形が似合うなあ。

病気の義賢(愛之助)しんどそう。
これだけ近いと、ほんまにしんどそうに見えます。
いや、顔だけしか見えないんだ。

折平(翫雀)と会いたかったと、いちゃいちゃする待宵姫(壱太郎)。
うまいなあ、壱太郎くん。

なんで、文箱の封が切れていたら折平が行綱ってわかるんだあ。

翫雀さんとラブリンの源氏再興の誓い、かっこよかったなあ。

平家が義朝のドクロを持ってきたらしいけど、かぶりつきだから見えないよお。
ラブリンが手に持って、ぼこぼこ平家の役人をやっつけて、
やっとドクロだったのがわかった。

おじいちゃん、子供を背負っての立ち回り。大変やろうなあ。

小万強すぎ。ばっさばっさ斬り殺します。

やられた義賢奥から登場、ふすまを蹴ると、風がそのままかぶりつきに直撃。
「ぼふんっ」私の髪の毛が揺れました。

ラブリンが暴れるたび、袴がぼわんぼわんと床をすって、その余波が私の顔を通りすぎる。
ラブリン、手の指の毛までわかりますよ。キャ~。
ラブリン、見得を切るまえに「ふんっ」ってひと呼吸いれるんですね。
声には出てないけど。やっぱり勢いつけないと、できないんでしょうか。

矢がびゅんびゅん義賢に。花道まで飛んでいって、客席までいきそうだった。
立ち回りのたび、槍の先がこっちにむいてきて、こわかったぁ。

舞台全体というより、一人ひとりしか見れなかった。

ラブリン、汗だく。病身で戦ってる設定なので、「はあ、はあ」言うてはったのが
なんかリアルだったなあ。
演技じゃなくて、ほんまやったりして。
そこまで表情がわかります。

戸板倒し、板が目の前を覆ってしまってラブリンがどう登ったのかわかりませんでした。
でも、ものすごく高いのは良くわかりました。
ほんと目の前で板が平行四辺形に倒れていくんです。
ばすんっと。倒れた瞬間目をつぶってしまいました。

義賢が最後の力を振り絞って、進野次郎(亀鶴)を刺す場面は感動したなあ。
これだけ近いと、頑張れ義賢!って応援したくなったりして。

最後の「仏倒れ」すくっと立って、両手を伸ばして
そのまま、階段にばったぁ~ん。

客席から「はぁ~っ」と言う声がすごかったです。
私も「ひやぁっ~」って手で口を押さえてしまいました。

泣き崩れる小万。幕。

結局、かわいそうなのは小万ですね。
夫を迎えにきたら、なんか殺し合いに巻き込まれるわ、
夫は浮気相手と逃げちゃうし、
白旗を浮気相手の義理の母に届けろといわれるし。

ほんまに、すごかった。
こんなに近くで見ると、迫力100倍ってものです。

でも、ツケが「カンッ!」ラブリン「ふんっ。」(←勢いをつけてる)「かっ!」(←見得を切る)
松嶋屋!の前に

「ほぉ~ほけきょ」

と、うぐいすの大向こう。
なんかのどかで良かったです。

たまに「きょけきょけ」とか、かわいい鳴き声もありました。

とにかくこの演目は、ラブリンをたっぷり堪能って感じでした。
何回小声で「まつしまやぁっ!」って言ってたことか。
多分、客席の99.9%は愛之助贔屓になったに違いない!
私もこれで帰ってもいいかも、って思いました。ほんと。



幕間に食べたお弁当。
4000円の一部だけあって、おいしかったです。


■棒しばり 

さっきとは打って変わって、楽しい狂言。
10何年振りに見ました。

曽根松兵衛を亀鶴さん、太郎冠者愛之助さん、次郎冠者翫雀さん。

翫雀さんが踊って見せてるとき、座って見ている亀鶴さん鼻がむずむずして大変そうだった。
それをじぃ~って見ていると(見るなっつーに)、亀鶴さんと目が合ってしまった(100%思い込み)。
ラブリン、つめは真っ白。なかなか取れないよねえ。

ラブリンの笑顔は人懐っこくて大好き。
後ろ手に縛られて踊るなんて大変だろうなあ。
まるでコサックダンス。
すごいなあ。

もっと大変なのは、棒で縛られた翫雀さん。
ぐるんぐるん回って、汗だくで踊られてました。
こっちまで来そうで大迫力。
扇を左手から右手に持ち替えるの、やっぱりすごいなあ。
翫雀さんが扇を手にした瞬間、後見さんがささささっと出てきて
ずっと扇をみつめてはりました。
万が一落としたら、フォローしますって目でした。

いつも長唄さんたちを見るのですが、ここからじゃ見えないよお。
ラブリンと翫雀さんしか見えないよお。
もう汗だくだよぉ、お二人とも。
後見さんが拭いてあげたらいいのに。
ラブリン、汗が目に入っていたそうだよお。

目の前でラブリンがだんっ!ひざから座る振り(?)、ものすごい振動が伝わってきた。
今まで思わなかったけど、床の音を鳴らさずに踊るほうが大変じゃないのかって。
みしみし、床がいってるけど音がしないんです。
あんなけばたばた足が動いているのにですよ。

踊りの見方がちょっと変わったような気がします。

ラブリンと翫雀さん、いい雰囲気だったなあ。
お二人とも笑顔が最高。ほのぼのしてしまった。

亀鶴さんも役にぴったり。最後帰ってきて、思わず一緒に踊ってしまうときの顔が
嬉しそうでよかったなあ。
楽しかった♪

ラブリンしんどくないのかなあ。
義賢の大立ち回りをして、休憩30分でまたこれでしょ。
歌舞伎ってスポーツやね。


■浮世風呂

さて、今回の大本命。浮世風呂。
約20年前、春猿さんが歌舞伎座で初めて猿之助さんの相手で踊って
大好評と雑誌で読んで以来、ずっと見たかった踊りでした。


場内真っ暗になって(雨戸?全体が閉められて)、
コケコッコーと笛の音。
幕が開くと、上手側の戸が開いていて日光が差し込んで
そこからドライアイスのような煙が。
朝の湯屋の様子がとっても幻想的に表現されていました。
後ろ向きに座っている亀ちゃん。

そして、ぱっと明るくなり踊りが始まりました。
藤娘とかこういう、真っ暗から急に明るくなる演出、大好き♪

亀ちゃんはふんどしに、はっぴ姿のほぼ裸みたいなもの。
むっちゃ体細いんやなあと。
脚はきれいは、手先もキレイ。
替えて欲しいと思いました。(何見てんだか)

桶や板でお湯をかき混ぜたりしてたのかしらん。

そしたら、すっぽんから「なめくじ」壱太郎くん登場。
でも気がついたら、すっぽんからほとんど出ていました。
普通大抵、どろんどろんどろん…って音が聞こえてくるじゃないですか。
なかったんですもん。かぶりつきじゃわからないよぉ~(T_T)

肩に、袖に、身頃にと「なめくじ」の字。
なめくじの付け下げとでもいいましょうか。
頭になめくじをかぶっていました。
お化粧も高揚した感じで、とってもなまめかしい。

政吉さん、好きで好きでたまらないのん。

とでも言ってるかのように、くねくね ぴとぴと踊ります。
「好きでたまらないの」の表情が上手でした。
ほんとかわいかったなあ。

気持ち悪がる政吉は塩をかけて、なめくじはすっぽんへ消えていきました。

あとはなんか、気持ちよく踊られてたなあ。
かっぽれとか、こんぴらふねふね~とか。
よくわかりませんが。
こんぴらのときは手拍子がでました。

なぜか、刺青の若い衆が襲ってきて立ち回り。
目の前でトンボを見ると、ほんとすごいなあって思います。

そして最後は桶の山に上がって、型を決めて幕でした。

拍手はなかなか鳴り止みませんでしたが、昼の部はカーテンコールはありませんでした。


■□■

今回は双眼鏡で覗くよりも大きく見えて、
舞台全体が見えないので、いつも以上にへんてこりんな感想になってしまいました。
今でも興奮が蘇ってきます。
よくまあ、昼も夜も面白い演目持ってきてくださったものです。
今回が初めての方は、歌舞伎好きになって帰られたに違いないと思います。

愛之助さん、壱太郎さん、翫雀さん好きな方は昼の部、
亀治郎さん、右近さん好きな方は夜の部がオススメという感じ。

もちろん、亀鶴さんも吉弥さんもよかったです。

特に、愛之助さんと亀鶴さん、昼の部と夜の部で殺し合いしてるんですよ。
これも何かの仕掛けかなあ。

今回の観劇費用は決して安くはなかったけど、
それ以上の楽しさを頂けたので、むちゃくちゃ満足です。

名残惜しく、写真をまた撮って


後ろにお山がそびえていて、いいところです。

金丸座を後にし、家路へ。

今度は2階席から、舞台と升席全体を見渡してみたいです。
永楽館にも行きたいな♪
コメント (2)
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4/17 四国こんぴら歌舞伎 夜の部

2010年04月24日 | 歌舞伎
なんやかんやと考えているうちに1週間経ってしまいました(^_^;)
ほんとまとめられないので、そのままアップしてしまいます。
幕間や旅館、電車の中で書いたメモです。
むちゃくちゃですが、お許し下さい<(_ _)>

■□■

4/17(土)こんぴら歌舞伎夜の部に行ってきました。

開場の2時半のちょっと前、こんぴらさんの石段の22段目を上がって左に曲がると
ちょっと急な坂があり、するともうすでに開場を待つ人の長蛇の列。
階段を上りながら、靴袋をもらったり、パックツアーのおみやげ(うどんとかお菓子とか)を受け取ったり、
写真を撮ったり。



お茶席のにじり口みたいな、腰ぐらいまでかがまないと入れない入り口から入りました。

すると、かつてテレビで見たとおりの赤い布が敷かれた縁側みたいなところを通って東桟敷席へ。

ひと区画に6人座り。なんとか前に座ることができました。

昨年、永楽館に「見学」に行ったことがあるので、雰囲気はわかってるつもりでしたが
定式幕や提灯、舞台や花道の明かり、何と言っても実際お客さんがワイワイしていると
全く違うものですね。
「江戸時代ってこんなんやったんかも…。」とロマンを馳せながら開演時間を待ちました。


3時2分前(←細かい)開演。


通し狂言 敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがぢゃやむら)三幕六場

■序幕 四天王寺の場

花道から吉弥さんの染の井と、壱太郎くんの葉末登場。
うわぁ~、むっちゃ近いやん。どないすんねんなぁ。
うわ~、キレイやんかいさあ。
後ろ姿も色っぽいなあ、ひざ内股にしてまげてはる。
しんどくないのかなあ。
帯がむちゃくちゃきれいやなあ。
結び目なんていつも見られへんからなあ。

尾上右近くんか、初めてだぞ。
なんか若い頃の笑三郎さんみたいなきれいな顔してはるなあ。

仮花道から登場の編み笠の浪人はラブリン?亀ちゃん?
歩き方が映画「花のあと」勘解由と同じやから亀ちゃんかなあ。

おっ!この編み笠はラブリンだ♪
こっち(花道)からは顔ちょっと見えるからわかるもん。

おっ、亀ちゃん。
今度は中間姿の元右衛門だ!
七三でかがまないで。
きゃ~お尻がかわいい、いやキレイ(←無視してください)。

茶屋の椅子に置いてある猫、かわいい。
家で蚊取り線香置きに使いたい。

腕助にお酒をすすめられて、必死に耐える元右衛門(亀治郎)。面白い。

東間(愛之助)に当て身をくらってお酒を飲まされる元右衛門。
最初は嫌がってるのに、もっともっとって、笑ったなあ。

おっ!やっとラブリン、笠脱いでくれた。
ラブリンと亀ちゃんのひっぱりの見得。
きゃ~、かっこよすぎ(*^_^*)

この幕はラブリン、一言も台詞がありません(聞こえません)でした。

90分くらいあったのですが、「金丸座に来た、すごいすごい!」という感情が強すぎて
ちょっとお芝居に集中できませんでした。

ほんと、あっという間、30分くらいにしか感じられませんでした。



■二幕目 東寺貸座敷の場

心労で眼病を患った源次郎(右近)を看病している弥助(翫雀)。
そこへ按摩になった元右衛門(亀治郎)が物乞いにやってくる。

いつもなら戸口の真横、もしくは後ろをみるわけですが
今回は内から向かえる人の演技を見ることができました。
だから、元右衛門の目線ってことですね。
ちゃんと演技してはるねんなあ(アタリマエ)。

すっかり元右衛門は改心してると思ってしまいました。
「金を近頃見ていない」としきりに言ってたので、複線だったのかしら。

色紙のありかがわかっが、道具屋にあるという。
その値は二百両。
工面のために染の井(吉弥)が祇園に身売りするという。

なんで歌舞伎(でも限らない?)の奥方ってすぐ身売りするんだろう。
しかも源次郎も「丈夫でいてくれよ」だなんて。

戸棚に隠れていた元右衛門、自分の力不足に嘆く。
弥助に袷と小金を渡され、仕官できるように言っておくから
また来いといわれた元右衛門。

まだまだ私、騙されてました。

したら、七三で立ち止まって、杖をカラカランと落とし
(客席に落ちて、お客さんが花道に置いてました)
頭巾をとって目をカッと見開き、
(その顔がものまねのコロッケに似てたんですよ。←スミマセン(^_^;))
裾をたくし上げ(うわぁ、脚きれいだ)、
弥助の袷を舞台のほうに後ろ向きのまま、ぽいっ、お金もぽいっ、
また弥助の家へむかって行く。

うわっ、改心どころか悪なってるやん。

着物の袖をとって頭にかぶって、藤棚の上に登る元右衛門。

ぱちん、ぱちんっと脚やお尻をたたいて蚊(?)を払うお芝居は細かくてコミカル。
しかも、棚からズブっと脚が抜けたりするし。

弥助がお神酒を飲んでるのを羨ましそうに見ているのも面白かった。

部屋に忍びこんだ元右衛門、お神酒をのんで、さあ、二人を殺そうとするが…

どちらにしようかな、っていう仕草とか、
ひしゃくを刀と間違えて斬りつけようとしたり、
振り上げた刀が鴨居に当たったりして、
残酷な場面なのにコントにになってました。

家に戻ってきた伊織(亀鶴)の脚を斬って、元右衛門は逃げていく。


■大詰
・第一場 福島天神の森の場

あれ、源次郎は目が治ったのか。伊織は歩けなくなったのね。
木の車輪は回ってなくて、別にコマがついているようでした。

敵に似た人物が居るとの噂を確かめに行った源次郎、
一人残った伊織の元に元右衛門と腕助。
なんで腕助が子分なん?

くやしいなら尋常に勝負しろ、だなんて東間なんて残酷なんだ。
元右衛門は煙草ふかしてるし。
伊織かわいそう、「早く源次郎戻って来い」と命乞いみたいな台詞、切なかった。

さらに最後の力を振り絞って、伊織が東間の腕を切りつけると
元右衛門に「昔のよしみで俺を殺そうとしたか」どこまでひどいヤツなんだ。

引っ込みの東間、尺八の演奏がまたかっこよかった。
藤色のお衣装で色気があった。
この時は正面で見たかったなあ…。

戻ってきた源次郎。
むしろに伊織を敷いて、小屋にひきずり入れる源次郎。
床がガタガタっぽくて、亀鶴さん頭痛くないかななんて。


・第二場 同川下の場

お兄ちゃんが殺されて、悲しみに泣き崩れてるのに
川にぼっちゃーん。
悲惨な兄弟(T_T)

コケコッコーと笛の音
ゲラゲラっと場内笑い声。

切腹しようとした源次郎。
そこへ調子よく、人形屋幸右衛門(嵐橘三郎)が通りかかって止める。
しかも彼は、許婚の葉末(壱太郎)を助け、染の井を身請けしていた。

源次郎と葉末の再会。
若いなあ、ぴちぴち。
「好きなの、好きなの」って演技、壱太郎くんうまいなあ。

若いって正義。
ほんと、かわいらしかったなあ(*^_^*)


・第三場 住吉の宮境内の場

敵討ち装束(っていうの?)の3人。
花道で「捕らえた腕助は改心して、調べに行っている」と。
なんてヤツなんだ腕助は。

元右衛門が花道から登場。
さらに悪さグレードアップ!
東間が名を変えて出世しているのを悔しがる。
なんか顔がコロッケだ。

腕助にみつかった元右衛門、うどんやに化けたり、
「カト吉のうどんやじゃねえか」
「ばあさん、脱げ」
「いや、こんな恥ずかしい…」
「いきやがれっ!」ばしっ。
「今日はこれで終わり?!今出てきたところなのに」
場内大爆笑。

次は欄間(?)の上に上って絵馬の後ろに隠れる元右衛門。
絵馬が落ちたら、馬の真似。

さらには太鼓橋に登って、追っ手の2人と滑り台。

そして、花道から客席内へ3人乱入!
お客のピンクのコートで隠れる亀ちゃん。
前のお客さんが新聞紙で前を隠したり。

追っ手の2人は客席に聞きまわる。
「今日のお客は亀治郎びいきが多いぞお」

みつかった亀ちゃんは、お客さんのお菓子を食べながら後方へ
そして西の二階(仮花道側)へ梯子を伝って上っていく。
上から追っ手2人を眺める亀ちゃん。

そこから、舞台へ飛び降りて
ツケを奪い取って、自ら「カタンっ!カタンっ」
それにあわせて客席で見得を切る、腕助さんでないほうの追っ手さん。

もう、客席は興奮最高潮でした。
スゴイ熱気でした~。
私も息あがってました。

そして、また舞台で3人で揃って踊りのような追いかけっこ。
音楽に乗せて、場内から手拍子が。

花道のところで、「あ~しんど」と終わると、また大爆笑。

そうしていると、源次郎たちに出くわす。

源次郎「父と兄の仇、覚悟~っ!」と決めると

元右衛門、素の顔で「あ~、ご立派」と馬鹿にする。
源次郎の顔を覗き込んで、「あれ、尾上右近にそっくりだなあ、よぉっ、音羽屋!」
その時の右近くんの顔は見れませんでしたが、壱太郎くんはうっすら笑っているようにみえました。

でもあっけなく殺されてしまいました。
ねっころがったまま、舞台は回っていきました。

が、反転したとたん、後ろからドタドタドタドタッと走る音が。
亀ちゃんだったと思われます。
後の敵討ち一行は花道から引っ込んだので。


・第四場 天下茶屋村敵討本懐の場

とうとう、ラブリン東間登場。
「殺してみるなら、殺してみろ、今はおれは偉いんじゃ」みたいなことを言ってると
裃姿の亀ちゃん造酒頭、花道から登場。
さっきのコロッケから、打って変わってかっこいいぞぉ♪

とうとう本懐を遂げる一行。
めでたしめでたし。

と、あっという間に、お礼の時間。
会場割れんばかりの大拍手の渦。
私も手がちぎれそうなほど拍手、拍手、拍手~!

幕が引かれても止まらない拍手。
カーテンコールはないよなあと思っていると、
ありました、カーテンコール。
今回はいいかなあって思いました。


外に出ると、こんぴーくんが居ました。



ちゃっかり、2ショットを撮ってもらいました(^_^)v

ラブリンの出番が少なかったせいか、
すっかり亀ちゃんで頭いっぱいになってホテルへ向かいました。
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こんぴら歌舞伎に行ってきました…が

2010年04月19日 | 歌舞伎
去る4月17日、18日と香川・琴平町の「こんぴら歌舞伎大芝居」に行って来ました。

2日ともいいお天気で、ほんと最高でした♪

一昨日から、観劇メモをつけているのですが、
まとまりません(^_^;)
普段の10倍くらいの量になりそうです。

とにもかくにも!これだけは。

亀治郎さん、やりたい放題!
愛之助さん、かっこよすぎ!
壱太郎くん、かわいすぎ!
右近くん、爽やか~♪
亀鶴さん、色気ありすぎ!目が合ったに違いない!(←思い込み)
吉弥さん、いままで気に留めないでごめんなさい…。
翫雀さん、さすがの存在感!

さてさて、感想はぼちぼちとアップしていきますので、しばらくお待ちくださいませm(__)m
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3/22南座『三月花形歌舞伎』昼の部

2010年03月22日 | 歌舞伎
今日(3/22)京都・南座の『三月花形歌舞伎』昼の部を見に行きました。

1.双蝶々曲輪日記 角力場

なんで相撲取りさんが遊女の身請け話で言い合いにならないといけないのか
わからないお話ですねえ。

尾上松也くん、初めて見ました。
遊女の吾妻で始めだけ登場ですが、爽やかな美形さんでした。
亀治郎くんは’つっころばし’の与五郎と力士放駒の二役。
放駒→与五郎→放駒 と5分くらいで若旦那と力士に替わっていました。

放駒の引っ込み(勝ってほめられて上機嫌)と
与五郎の引っ込み(手ぬぐいをかぶって恥ずかしそうな)、良かったです。
特に与五郎の見せ場(?)の花道で煙草入れや羽織をほいほいあげるところは
上手かったなあ。

獅童くんの濡髪長五郎はなかなか貫禄ありました。
台詞も歯切れがよかったように思います。
衣装が重そうでした。高い下駄で大変そう。何キロぐらいあるんやろ。


2.曽根崎心中

今回はコレが大本命。これだけでもいいやってぐらいです。
近頃私の中で人気急上昇中の壱太郎くんのお初と、お父さんの翫雀さんの徳兵衛。
むちゃくちゃ楽しみにしていました。

・生玉神社境内の場
舞台に藤棚がびゃ~っとあって、その下でお初と徳兵衛がいちゃいちゃ。かわいかったです。
チョイ役でしたが、田舎客の男女蔵さん、印象に残りました。もっと見たいと思いました。

九平次の亀鶴さんも上手かったなあ。ほんと嫌なやつだったなあ。

・北新地天満屋の場
徳兵衛の伯父の久右衛門が天満屋に来たときに、戸を開けようと階段を下りる
お初の仕草が、なんとも色っぽくて、かわいくて。

有名な縁の下のシーンは壱太郎くん、お初の芯の強さがよく出ていたと思います。
あともうひとつの有名な、お初が徳兵衛の手を引いての引っ込み、素晴らしかったです。

・曽根崎の森の場
お初が両親のことを思う件は、ウルウルっときます。
徳兵衛の潔白が証明されているだけに、切ないなあ。
義太夫さんに泣かせていただきました。


壱太郎くんほんと良かったです。
もともと上手い上に、若さと美しさは正義って感じ(何じゃそりゃ)。
そんな彼をお父さんの翫雀さんや、大ベテランの竹三郎さん、鶴亀さんが盛り立てるようで。
同じメンバーで10年後ぐらいに見たいと思いました。


3.連獅子

親獅子に獅童くん、仔獅子に松也くん、間狂言は亀治郎くんと翫雀さん。

獅童くんは素顔は目が細いのに、派手な隈取が似合いますね。

間狂言の亀治郎くんと翫雀さん。
コミカルな掛け合いはさすがです。
ふと昨年の「NINAGAWA十二夜」を思い出してしまいました。
踊りも上手いし、いつまでも見ていたかったです。

後シテは…10年後にもう一度みたいです。


今回は亀治郎くんの芸の幅広さと、翫雀さんの懐の深さ、
竹三郎さんのベテランの味、男女蔵さんと鶴亀さんの存在感、
そして壱太郎くんの若さだけじゃない堂々としたところを感じることができました。

とちり席には舞妓さんや芸妓さんらしき花街関係の方(?)らしき人たちが
20名くらいいらしてて、なんか顔見世みたいな華やかさでした。


さて、来月も壱太郎くんにあえるぞぉ~(^m^)
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松竹座 通し狂言「仮名手本忠臣蔵」昼の部

2010年01月16日 | 歌舞伎

今日(1/16)松竹座の「忠臣蔵・通し」の昼の部を観てきました。

上方役者総出演(仁左衛門、愛之助さん除く(-_-;))での上方演出での忠臣蔵。
通しは17,8年前に猿之助さん演出のコンパクト版(?)を見て以来ですので、
すっかり忘れてしまっていて、ほぼ初めてといっていいくらいです。

ずっと若手中心の新歌舞伎(?)が続いていたので、今年の1本目は
苦手な義太夫狂言にしてみました。

藤十郎さんが、高師直、由良之助、勘平と、主役を全部演じられていました。
ほんとパワフルでした。しかもみんな別人に見えるんですから、すごいですねぇ。


【大序】
大手・笹瀬の引き幕が真ん中から少しずつ開いていって、
雛人形のようにずらっと並んだ役者さんが、
少しずつ顔を上げて動きだすのは楽しいです。

顔世御前の孝太郎さん、兜改めの時の仕草がよかったです。
むちゃくちゃ色っぽい。

あらかじめ筋書きはわかって見ている(型とか所作が楽しい)のでいいんですが
やっぱり何言っているかわかりにくいですね。
舟をこいてる方が多かったです。
私も初めてのときは半分くらい寝てました。

【三段目】
足利館門前進物の場から松の廊下間への舞台転換なんですが
花道からするするする…とむしろが敷かれ、
舞台上にも4人の道具さん(?)が素早くむしろを
カンカンカンカンっと床に止めてました。

楽しみにしていた松の間。
賄賂をもらった若狭助にはヘコヘコして、
塩冶判官には鮒侍と罵る高師直。
始めは何のことだかわからない
塩冶もだんだん腹が立ってきて刀に手をかけて…。

10人くらいわらわらわらっと出てきて、止められる無念の塩冶。
この場面が見たくって、見たくって。

塩冶はその時、師直のほうに刀を投げるんですね。
時代劇でもすればいいのにと思ってしまいました。
歌舞伎見ながら何考えてんだか。

【四段目】
切腹の場。
楽しみだった薪車さんの薬師寺。
ずーっとイライラしているのが良かったです。
やっぱり背が高くてかっこいいですね
我當さんの石堂は品がありましたね。

畳が運ばれてきて、壱太郎くんの力弥が切腹の刀をしずしずと持ってきました。
ものすごい緊張感がありました。
毎日大変だろうなあ。

由良之助はまだかっていう件は、花道から出てくるってわかっていても
早くでてきてあげればいいのに、って思ってしまいます。

塩冶判官が刃をあてて…

あ゛~っ!痛い!って時に、



ぐ~っ!ぐぅううう~!


と前のほうから音が聞こえてきました。

斜め前のおばさんが頭がひざにつくぐらいに大いびきで熟睡中。
前のおじさんも舟こぎ中(見やすくてよかったですけど)。
私の両隣もこいでるし…
気がついたら10人以上の方がこんな感じ。

ええんですか、こんなんで。(観客も、役者さんも)

お香の香りも眠気を誘うんでしょうかねえ。
お通夜で眠られてるような気分でした。

城明け渡しの場。
力弥を先頭に20人ぐらいの家臣たちが、花道にどやどやどやっと
館にやってきます。

由良之助が立ち去るのを、館の背景がパタッ、パタッと紙芝居のように
小さく変わって表現していきます。
1階席だったので、そんなにスゴイとは思いませんでしたが、
2階とか3階で見ればおもしろかったんじゃないかと思います。


【五段目】
鉄砲渡しの場。
千崎弥五郎の薪車さん、かっこいいなあ(こればっかり)。

二つ玉の場。
上方演出では、定九郎が山賊姿とのこと。
なんとなく地味な感じがしました。


【六段目】
勘平切腹の場。
おかるの母親のおかや役が竹三郎さんだったんですが、
体調不良のため吉弥さんが代役でした。
ちょっと残念でしたが、吉弥さんも良かったです。

お才の孝太郎さん、もう早よしてや、って感じの扇子や手ぬぐい、
煙草の仕草がなんとも色気があってよかったです。
孝太郎さん、もっと見たいなあ。

おかやさんは勘平の話をちゃんと聞いてやれへんのかなあ、とか
弥五郎がお金返しに来なかったら良かったのにとか、思ってしまいました。


■□■

今回、やっと、念願でした…

キモノで歌舞伎 デビューしました


着付けはまだまだまだまだまだ…の上に、
何度も何度も何度も着なおす、結びなおすので
2時間くらい早起きして(ただでさえ土曜の昼の部は遅刻しそうになるのに)
これまででいちばん疲れた歌舞伎鑑賞になりました。

次から着物で行くときは軽い演目のときにします

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2002年2月3日の感激日記

2009年12月30日 | 歌舞伎
PCのファイル整理をしていると、
かつて私がHPをやっていたときにアップしようとした日記が出てきました。
あまりに今月ネタがないので、お茶をにごすことにします(^_^;)
当時の原文そのまんまです。なつかしいわぁ~。

■□■

2002年2月3日
松竹座
南総里見八犬伝

■主な配役

犬山道節 猿之助
金鞠大輔、後に大法師・赤岩一角実は猫の怪 歌六
犬塚信乃 笑也
犬飼現八 右近
犬村角太郎 亀治郎
犬田小文吾 猿弥
犬坂毛野 春猿
後室手束・滸我成氏 門之助
伏姫・妻雛衣・五十子御前 笑三郎

■感想

映画で見て、本も読んで、すっかり筋がわかりきっていたので
余裕綽々で観劇に臨みました。

笑三郎の伏姫 綺麗でした。
初めてです。私がこう思ったのは。
いままで、年増の役でしか印象がなかったので。
最近細くなってたんですね。
だからかなあ。

今回の目玉は春猿さん。
去年の秋「新三国志Ⅱ」以来です。
しかも、ちゃんとした歌舞伎では何年ぶりかな。
立役は「白波五人男」で見たことあるけれど、こうも立ち回りがあるなんて!
見得もきまって、かっこいぃぃぃぃぃぃぃぃ!
ますます惚れなおします。
途中で、玉が客席に飛んでいったので、粋な演出かと思いきや、
そうじゃなかったんですね。

【猫屋敷】
前半眠くて眠くて仕方がなかった。
こんなときは客席全体を見渡すのが、私の悪いクセなのですが、
こっくりこっくり、船をこいでた人、結構いました。
行灯の油をなめてる影が猫になってるところから、
目が覚めてきて、あれよあれよという間に、猫の妖怪が妖術をつかう段。
猫が6匹大暴れ。かわいすぎるぞー。思わず笑いが。
で信乃と現八の立ち回り。
猫と2人の宙ずり。
で、でたーっ!煙と共に超巨大猫の頭!
これがまたかわいいのです。
私は幕が下りてからも、しばらく笑いが止まりませんでした。

【大詰】
八犬士が大暴れ。みんな見所があってサービス満点。
意外だったのは、笑也さんかっこいいじゃないですか。
「美しくて、かっこいい」という信乃のイメージ(私の)に
しっくりはまっていたように思います。

こう書いていると、これもスーパー歌舞伎じゃないかって
気がしてきます。
ウーン、宙ずりもういいかも。
楽しいけど、いつもワイヤー切れないかなって、ひやひやしてしまうから。

今回ほど一人で行く歌舞伎がつまらんもんだと思ったことないなあ。
感想を言い合う相手がほしいです。
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9/5神戸『近松座公演』

2009年09月05日 | 歌舞伎
神戸文化大ホール『近松座公演』を見に行きました。
演目は「封印切」と「連獅子」。
主な出演は、坂田藤十郎さん、片岡秀太郎さん、中村翫雀さん、片岡愛之助さん、中村壱太郎さん。

どちらもこれまでに何度も見ている演目で、いつもだったらスルーするところですが、
映画『浪花の恋の物語』と『beauty』を見て、歌舞伎の「封印切」を見たいなあと思っていたときに、
このチケットの発売日が来たので、つい取ってしまいました。
それに、初めて見た梅忠が鴈治郎さん&秀太郎さんでしたので、これはもう見ないといけないと思いました。

1.御挨拶(8分)
 藤十郎さんによるご挨拶。
 「50歳の時に近松座を始めて今年で28年」とおっしゃられた時に客席から
「ぅわぁ~。」という感嘆の声があがりました。

2.封印切(約80分)
忠兵衛に藤十郎さん、梅川に壱太郎くん、井筒屋おえんに秀太郎さん、そして八右衛門にラブリン。

まずは時の流れを感じてしまいました。
私が初めて観たときは梅川に秀太郎さん、八右衛門が我當さんだったんですから。

こんな私が言うのもおこがましいですが、藤十郎さんの忠兵衛は最高です。
八右衛門がうじゃうじゃ悪口を言ってると、二階の障子をばんっとあけて、
だだだだだーっと階段を下りてくるところ、お金の封を次々に切っていくところ
そして最後の花道のひっこみ。すばらしい。
お年を感じさせないお芝居でした。

秀パパのおえんも良かったです。藤十郎さんとの掛け合いはさすがです。
八右衛門の悪口をずけずけと言ってのける台詞まわしもスカッとしました。
それに、やっぱり色っぽいです。

壱太郎くんの梅川、予想以上に可愛らしかったです。
細くて、けなげで、ダメです。もうです。
おじいちゃんと孫という風には見えなかったです。すごいですね、さすがだと思いました。

私は、八右衛門が嫌いです。「そこまで、言わんでもええやんか、堪忍しといたりや。」っていつも思ってしまいます。
いくら、大好きなラブリンでもやっぱり許せません。憎たらしさ爆発でしたね。

3.連獅子(約50分)
親子の獅子の踊りを親子じゃない、翫雀さんとラブリンという組み合わせ。
間狂言に亀鶴さんの修験者と壱太郎くんの村娘。

ラブリンの前髪、かわいかったです。さっきまで憎たらしかったのに、えらいもんです。
ラブリンの踊りは初めて見たような気がします。ふーんっていう印象でした。

特に、間狂言の壱太郎くんの踊りが可愛らしくて、可愛らしくて。
いつもでも見ていたいと思いました。カンペキ、やられてしまいました。
お気に入り役者さん決定

翫雀さんの毛の振りはものすごく力強くて、早くてかっこよかったです。

いつもの通り、長唄の踊りは大興奮してしまいました。

今回の公演は、歌舞伎を見始めた頃を思い出させていただいた気がしました。
できれば、また藤十郎さんと壱太郎くんの上方和事を見たいです。
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8/16歌舞伎座『八月納涼大歌舞伎』第一部

2009年08月17日 | 歌舞伎
朝、7時の新大阪発の新幹線に乗って、歌舞伎座に行ってきました。
来年の4月をもって、歌舞伎座が立て替えられるということで、
思い切って今回行くことにしました。

到着したのが、10時前。
それでも20人くらいの人たちがもう、開場を待っていらっしゃいました。

最後だといことで、写真を撮られてる方が多かったです。


私も撮りました。


10時半開場。

お土産を物色して、定式幕のハンカチと、やわらかせんべいを買い、座席へ。
2階の1等席です。
ほんとに広い舞台なので、2階からでも見渡し最高です。

1.「天保遊侠録」
無役の旗本勝小吉(橋之助)が秀才の息子麟太郎(宗生)のために役につこうと、
上役たちに茶屋で振る舞いの宴を開く。
罵られながらも我慢するが、甥の庄之助(勘太郎)が暴れだし折角の宴が…。

橋之助さんっていつの間にやら、お父さんになってたんだなあって思いました。
宗生くんに対する眼差しがとてもやわらかい感じがしました。
かっこよくて、やさしい、私の大好きな橋之助さんが見れました

宗生くん、こんなに大きくなってたんですね。
品のある賢そうな男の子をしっかり演じていました。
横顔が三田寛子さんそっくりでした。
このままお顔が長くならずに成長してくれたらいいのにと思います(苦笑

お城に奉公にあがることになった麟太郎を見送る小吉の場面は涙が出そうになりました。
最後の芸者の八重次(扇雀)と小吉とで相合傘で歩く場面も印象的でした。

2.「六歌仙容彩」(ろっかせんすがたのいろどり)
絶世の美女小野小町の前に次々と男たちが訪れる。
その名の通り、踊り、衣装、音楽と色とりどり。歌舞伎舞踊のフルコースという感じです。
小野小町が福助さん、それ以外の五役を三津五郎さんが踊ります。

・遍照 竹本の伴奏で人形っぽい踊りで、歌詞もわかりやすかったです。
・文屋 清元の伴奏。色好みの男で、おどけた感じが良かったです。
・業平 長唄の伴奏。御簾の中から、宮中絵巻から飛び出したような業平と小町が登場。
     美男美女の美しい踊りでうっとりしてしまいました。
・喜撰 下手に清元、中央に長唄がずらっと並んでの掛け合い。
     ジュニアたちがずらずらずらっと登場していました。
     みんな坊主だから、誰が誰だかわからなかったです
     茶汲女(勘三郎)と喜撰の踊りはさすが、息がピッタリでした。
・黒主 中央に並んだ長唄がぱかっと分かれて、中央からケースに入った人形のように
     黒主と小町が登場。黒主の三津五郎さん凄みがあってかっこよかったです。

11時~2時半(休憩30分)とあっという間に過ぎました。
世話物と舞踊劇、私の好きなジャンルを好きな役者さんたちが勢ぞろいで演じる。
歌舞伎座で観る最後の演目としては、私の中では最高でした。


□■□

朝が早かった(4時台起き)せいか、お昼のお弁当だけでは足りなくて、
何か食べたくても食べ物やさんが見つからず、とろとろと銀座方面に歩いていくことにしました。
なかなか食べ物やさんが見つからず、眠気と疲れがやってきてヘロヘロになってきたところに
やっとセルフ式のお蕎麦屋さん発見
250円のざるそばをすすりました。

ちょっと元気が出たところで、銀座駅から霞ヶ関駅へと向かいました。
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7/19松竹座『NINAGAWA十二夜』夜の部

2009年07月19日 | 歌舞伎
今日(7/19)松竹座の『NINAGAWA十二夜』夜の部を観てきました。

あの蜷川幸雄さんが演出で、シェイクスピアもの、
それでもって私の4大ダーリン(愛之助、橋之助、染五郎、春猿)が出ていない
ということで、元々観に行く気はありませんでした。
でも、5月の「情熱大陸」を見て、すごく行きたくなったんです。

航海中難破して離れ離れになってしまった双子の兄妹。
妹は男装して小姓として左大臣に仕え始める。
左大臣は織笛姫に夢中だが、姫は見向きせず。
しかし左大臣の使者の小姓に恋してしまう。
左大臣を恋い慕う小姓はだが、男装しているのでどうにもならず…。

私はシェイクスピアを全く知りませんので、的を得ない感想になるかと思いますが…。

まず、びっくりしたのが定式幕が開いて舞台一面にあった鏡。
私たち観客が舞台に映っていてみなさん「うわ~」とか「ひゃ~」という感嘆の声が響き渡りました。
この鏡は最後までずっと使われていて、普段見えない役者さんの後ろ姿とか、
横から見た様子、花道から出てくるところが舞台上で見えたり、
二幕目第二場の丸尾坊太夫に手紙を拾わせて4人が覗いているところなどは
効果的だったと思います。

ロンドン公演をそのまま持ってきたということかどうかわかりませんが、
舞台が全体的にものすごく幻想的。
序幕の桜の下で合唱隊が歌っていたり(チェンバロ?ハープシコード?がとても素敵)、
二幕目の織笛姫のお庭が白いお花の中に赤い橋が架かっていたのが印象的でした。

それから、お衣装が歌舞伎風ではありながら、パステル調というか品のある色使いで
特に、翫雀さんの安藤英竹のお衣装が気に入りました。
全体は桃色で襟元が紫に白のヒラヒラ、袖も赤いヒラヒラがついていて、
靴も平安貴族が履くような赤い靴。足袋も桃色。すごくかわいい色使い♪

時蔵さんが初めて出てきたとき、赤姫なのに黒いオーガンジーみたいなのを着られてて、
不思議に思ったのですが、番付を読むと喪に服しているから赤はおかしいということで
着られていたそうです。なるほど。

主膳之助、琵琶姫、そして男装の獅子丸と何回も早変わりして、
そのつど声色や所作などを変えられて、菊之助さん、すばらしかったです。
特に獅子丸のときの、女が男に化けてる雰囲気がとってもかわいくて。
織笛姫が魅かれるのがわかるような気がしました。
いまさらですが、菊之助さん、綺麗すぎ。容姿も声も品も華もすべて完璧だと思いました。

品といえば、お父様の菊五郎さんも捨助と丸尾坊太夫の二役、
とっても弾けた感じで演じられてましたが(うこん色の丸尾坊太夫の薄笑いは最高)、
やっぱり上品で、華がありますね。どうして今まで観なかったんでしょう。

丸尾坊太夫をおちょくった4人組の亀治郎さん、左團次さん、翫雀さん、團蔵さんの掛け合いは最高でした。
亀治郎さんは舞台を這うし転げるし、はたまた腰かけるし、
左團次さんはものすごく多い台詞をテンポよく話されてて、さすがでした。

時蔵さんと錦之助さん、綺麗だし、男前でした。
お二人とも、恋焦がれる気持ちを言う台詞はすごく情熱的でした。
信二郎さん時代はよく観てましたが、貫禄と色気が増されたような気がしました。

菊之助さんの魅力はさることながら、他の役者さんたちの魅力も生かされた配役、
演出だったと思います。
お話も舞台展開もスピーディで、台詞もわかりやすかったです。

まだまだ、書きたいことはあるのですが、この辺にしておきます。

最後の勢ぞろいで捨助を見送る場面はずっと心に残ることでしょう。
とっても素敵な夜にを過ごせました。
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5/9南座「小笠原騒動」夜の部

2009年05月10日 | 歌舞伎
昨日(5/9)南座の「小笠原騒動」夜の部を観てきました。
初演のとき、なぜか見逃してしまっていて、今回の再演、
今回は愛之助さんが出演ということで
楽しみでしかたありませんでした。

主な出演者の方、みなさん二役ということでどの場、どの場にも見所だらけ。
こんな贅沢なお芝居初めてです。

特に今回は橋之助さん。
名演技!かっこいい!オトコマエ!
一昨年以来ご無沙汰でしたが、歌舞伎を見始めた頃のトキメキを思いださせてくださいました。
やっぱり私の原点は橋之助さんでしょうか。

演出もオーソドックスで、でもお話はわかりやすくて、スピーディー、
感情移入もしやすくて、後味スッキリ。
まるで、猿之助歌舞伎を見ているようでした。

客席も多分満員だったと思います。
舞妓さんや宝塚の男役さん(だと思う)、小中学生の男の子とかいらっしゃて
特に私の隣の男の子は連れのおばあさん(?)に「ミュージカルよりおもしろいわ」
なんて話していて、なんだか嬉しくなりました。

細かいですが、各場のひと言感想を書き連ねます。
どの場も見所満載でまとめられないんです。
ネタバレもありますので、これからご覧になる予定の方はご注意下さい。
というか、読まれなくても結構ですが…。


■□■

序幕
第一場
兵部とお大の方の悪の笑いが最高。
七之助くん、悪女が似合うなあ。

第二場
きつね、かわいいなあ。
豊前守がきつねに放った矢を隼人が受け止めたけど、手品?何?すごかったなあ。
ラブリンの隼人→奴(きつね)の早代わりあり。
多分駕籠に乗ったとき、下に下りて早代わりしたんだろうなあ。
ラブリンのきつねの引っ込み、茶目っ気たっぷりでかわいかったなあ

二幕
第一場
壱太郎くんのお手前、かわいいなあ。若さ爆発だわ。
ラブリンとお似合いだった。

第二場
橋之助さんと七之助くん、客席一周。嬉しかった。

三幕
初めは笑いの場から一転、悲劇に。
子役の子、長台詞、上手かった。
笑いもとるし、涙もさそう。何者なんだ?
それ以上に、橋之助さんの岡田良助、最高でした。
私の苦手な義太夫さん、現代語だったのでわかりやすくてよかった。
今更ながら、義太夫狂言のよさがわかったような気がする。

四幕
第一場
橋之助さんと勘太郎くんの見得合戦。かっこよかった。

第二場
お待ちかね、橋之助さんと勘太郎くんの水車小屋の場。
お互い殺しあってるはずなのに、客席に向かってお水をかけたり、
お口に含んで「ぷ~っ」とやったり。
むちゃくちゃ楽しそうだった。
お二人ともお怪我のないように…。

水車小屋が反転して、遠江守の行列の場に。
壱太郎くん立役だ!きゃ~、かわいい。

大詰
第一場
裃姿のラブリン、かっこよすぎ~。
えっ?お大の方、ここでおしまい?
それにしても七之助くん、悪女が上手すぎ。

第二場
ハッシーの大立ち回り、初めて見た。
はしごだ、トンボ返しだ、かっこよすぎ。
お鼻が赤くてかわいいラブリンきつねとの立ち回りも最高。

私の2大ダーリンだけの立ち回り。
興奮しすぎで、呼吸困難になりそうになった。
一人、身をのりだして、拍手しまくり。
腕10本くらいほしかった。
ラブリンの海老反りも見れた。
そして、きつね→隼人の早替わりあり。

最後は七之助くん以外全員の絵面。
途中「ここでおしまいです」の挨拶。
カーテンコールがなくてよかった。

■□■

ハッシーの岡田良助がいちばん良かったです。
悪なんだけど、家族思い、そして改心するという役どころが素晴らしかったです。
七之助くんは悪女が似合うんですね、上手かった。今回見直しました。
歌舞伎の素晴らしい魅力が満載のお芝居でした。
あ~楽しかった
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