天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

3/21南座「獨道中五十三驛」

2011年03月21日 | 歌舞伎
今日(3/21)京都・南座で「獨道中五十三驛」を観に行きました。



もともと観に行く気がなかったんです。というのも、19年前に猿之助さんの巡業で観てましたし。
(本当はちょっとお財布事情がカツカツで…)
しかしながら、前の「水戸黄門」で市川右近さんが出演されていたのを見て、ものすごく行きたくなってしまいました。

そしたら、市川門之助さんが出演されていたり、市川猿三郎さんが重要な役をされているのを
知って、もう居てもたっても居られなくなりました。

いや~、行って良かったです。
今回生まれて初めて歌舞伎で元気をもらった気がします。
多分、一生この感激は忘れないと思います。


三幕三十場もありますので、場ごとに感想が書けません。
もう思いつくまま記したいと思います。


序幕(11:25~12:25)

序幕第一場は京都四條南座芝居前の場

主要メンバーが揃ってご挨拶。
右近さんは右近さん役で花道から登場。
関西弁がうれしかったです。
ゆるキャラのまゆまろくん(?)も登場。
見得を切ったり、飛び六方で引っ込んでいきました。

鶴屋南北が原作のこの作品、師匠市川猿之助が復活させて
何度も再演を重ねる人気狂言。関西では23年振りだとか。
初舞台は南座だから頑張りますみたいな右近さんの口上でした。

三條大橋の下で猿三郎さんが人殺し。
初めてきちんと台詞を聞いたかも。
かっこよかったです。

大津の石山寺には十二単の笑也さん。
似合いすぎ、かわいすぎ。
父の仇を追いますと言った右近さんに「待ってたもいんのお」(って聞こえた)の
声がまあ、かわいくてかわいくて。
20年前なんとも思わなかったのに、今になってむちゃくちゃお気に入りになってしまいました。

春猿さんや笑三郎さん、右近さん、寿猿さん、猿三郎さんたちのだんまりや追いかけっこ(?)
面白かった。背景がぐるぐる変わってすごかったです。

海の中に浸かってしまった右近さんと猿四郎さんと猿三郎さん。
なんと後ろには人間大のタコ、伊勢えび、ヒトデさんがいるじゃないですか。
それを相手に立ち回りですよ。たのしいったらありゃしない。
しかも青い黒子さん(なんか変な表現)たちが棒がついた魚を持ってひらひらさせながら
舞台を右往左往。歌舞伎とゆうよりおゆうぎ会みたい。
効果音がぽこぽこぽこぽこ…って。のどかな気分になりました。

ここら辺だったと思いますが、幕が引いて幕間かなっとおもったら、
幕外で春猿さんと笑三郎さんが登場。
「みなさん、幕間じゃないですよ、席を立たないでくださいね。」
「猿之助歌舞伎は長いんですよねえ。」とか笑いをさそいながら
なんと客席最前列を通って上手の通路を掛け合い漫才のように歩いていかれました。
笑三郎さんが春猿さんに「あなたテレビで顔を売って、本も書いて儲かってるわね。」みたいなことを
言われて大笑い。
あとは、客席から飴ちゃんをもらったりされてました。
桟敷席には花街のおねえさん方がいらっしゃいましたので笑三郎さんが話題にされてました。
さすが息がピッタリやなあと感心しました。
それから、人を「しと」と言ってみたり、他に「ひ」を「し」になってる単語があって、江戸弁だなあって思いました。

さて、序幕のお楽しみ、化け猫の場。
門之助さん久しぶり。かっこいい。やっぱり鼻が高いよ~。
化け猫の右近さんの唄にノッて踊る二匹のネコちゃん。
猫好きにはたまりません。ここらあたりで19年前に見たことを思い出しました。

それを見た猿琉さん。化け猫に殺されて、まるでキョンシーのように化け猫に操られるのですが
これがすごい。
死体なのでふらふらした体勢からトンボきったり、梁に鉄棒のように登ったり。
役者さんより体操選手になられたら?なんて思ってしまうほどでした。

門之助さんの妻も食べてしまった化け猫右近さん。
門之助さんにもばれてしまい、猫になって大暴れ。
そして十二単を羽織って宙に逃げてしまいます。
その時の音楽にお琴が入っていてなんとも幻想的でした。
スーパー歌舞伎みたい。楽しかったです。


二幕(12:55~13:55)
なぜか右近さんが日本駄右衛門になっていて、花道から登場。
その時の衣装がかっこよかったんですよ。カニだったかな藤色に刺繍がしてあって。
銃で腰をやられるのですが、それを撃ったのも右近さんという。

腰を撃たれて破傷風になった右近さんと笑也さんの世話をしているのが
雲助の猿三郎さん。
さっきの悪役と違って、雰囲気がかわってますね。
番付見るまでわかりませんでした。すみません。

今度は女形の門之助さん登場。
とっても得した気分になりました。

いつも不思議なんですが、なんで主人や許婚の金の工面のために
廓に身を売ったら偉いんでしょうか。

それから、廓に売られる最中に悪者の右近さんに笑也さん斬られるんですが
これまたなかなか死なない。
こんなに丈夫だったら死ななくてもって思います。
しかも滝に身を投げるといって2人に止められるのも吹っ切るんですよ。
いっつも不思議です。(こんなこと思ってるから万年初心者なんですね)

大詰(14:20~15:10)

舞台は所作板が敷かれていました。
幕が開いたら、春猿さんと笑三郎さん。
右近さんが12役早替りの紹介とか、5月の猿之助歌舞伎の催しの宣伝とかされてました。

上手の消し幕が引かれると、2段に並ぶ常磐津さんたち。
唄が始まると右近さんの12役早替り、舞踊会が始まりました。

ときたま笑三郎さんと春猿さんとで3人で踊られたりして楽しかったです。

特にすごかったのが、お半と長吉の早替わり。
あと、それに加えて喜兵衛(だったかなあ)の3人の早替わり。
身替りさん(?)を何人用意されてたんでしょうねえ。
もう何がなんだかわからなくなりました。

そして、雷から船頭澤七も早かった。
雷の下に澤七のお着物を着てらしたんでしょうね。背中の部分がびしょびしょでした。
しかし、雷ってなんでいるんだろう?まあ、いいや。

おしまいの「おもだかや」の傘を持って大立ち回りのお六もかっこよかったです。

さてさて、大江戸日本橋。
右近さん門之助さん、春猿さん、笑三郎さん、猿三郎さんに弘太郎さん。
嬉しかったのが、立役の笑也さん。
だれも拍手がなかったので、私はしました。
客席の多くの方が、さっきの笑也さんとはわからなかった風でした。
笑也さん、立役も男前なんですよねえ。
もう一回弁天小僧やってはくださらないでしょうかねえ。

そして立ち回りのあと、切り口上で幕が引かれました。
ものすごい拍手でした。
頭の上で手をたたく方もいらっしゃったりして。

私もなんだかものすごいテンションでした。
「ありがとう、歌舞伎組!!」って叫びたかったです。

■□■

今回はなぜか1階席にお子様がたくさん見受けられました。
しかし騒がず、静かに見ていて感心しました。
多分楽しくて一生懸命だったのかなあ。

歌舞伎を見始めて10年ほど、ずっと歌舞伎組を中心に見てましたので
10年ほど経って、ちょっと飽きがきて、遠ざかっていたのですが
こうして久しぶりに猿之助四十八撰を観ると、やっぱり最高、歌舞伎組。
昔新歌舞伎座の2月が猿之助さんだったみたいに、年に1回歌舞伎組公演が関西であればいいなと思います。
ほんと今日は観に行けてよかったです。
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2/11松竹座・夜の部『盟三五大切』

2011年02月12日 | 歌舞伎
昨日(2/11)松竹座・夜の部『盟三五大切』を観てきました。




仁左衛門さん、愛之助さん、芝雀さん、猿弥さん、薪車さん、段四郎さん…と好きな役者さんしか出てない通し狂言。
特に、芝雀さんは昨年の顔見世で好きになったばかり。
楽しみで仕方ありませんでした。

塩冶家ゆかりの源吾兵衛と三五郎がそれぞれ討ち入りのために奔走するが、運命の歯車がちょっとかみ合わなかったために起きてしまった悲劇。

複雑に入り組んだお話ですが、1幕目が1時間25分、休憩を35分挟んで、2幕目1時間30分とポンポンポンポンっと進んでいって、あっという間に終わってしまいました。

この日の大向こうさんの声がとってもよくって気持ちよかったです。
特に「まつしまやっ!」って時が。


源吾兵衛の仁左衛門さん、前半はただの女に溺れて家財一切売り払ってしまう、しょうもなーい浪人だったのが、三五郎と小万に騙されていたと知ると、様相が豹変。尋常でない殺人鬼に。すごかったです。

三五郎の愛之助さんは、男前の声がもうよく響いて響いて出てこられるたびにほれぼれ
見た目も大事ですけど、やっぱり声ですよね~

芝雀さん綺麗すぎ芸者姿もいいし、三五郎と仲のいい嫁っぷり。ますます好きな役者さんになりました。

ちょっと気になったのが松也さん。すっとした美人さんで、しかも声が綺麗。
もうちょっと見たいと思ったら、小万に間違われて殺されてしまいました

いちばん良かったのではと思うのが、ひたすら主人(源吾兵衛)のために尽くしまくる六七八衛門の薪車さん。
「必殺」のひかる一平さんみたいな、ちょっと目が「困ったな~」って雰囲気でお世話しまくり。かわいらしくて。
最後は女の恨みに狂った主人のために5人の殺人の罪を身替りに捕まってしまう。
そこまで尽くさなくてもって、つかまる件はかわいそうになっちゃいました。

あとは場ごと感想をば…(まだ書くのか)

序幕 第一場 

舞台は夜の佃沖。二人乗りの船を2人後見さんが押してます。
三五郎と小万は花道から船に乗って登場。
振り落としで月が出て明るくなった海。そこには屋形船に乗る源吾兵衛、お楽しみ中だった三五郎と小万の乗った小船。
いい風景でした

序幕 第二場
ほいほいと家財道具を売りに出してしまう源吾兵衛。あたふたする六七八衛門。
何もないのに「何か敷け。座れない。」という源吾兵衛。コントみたい。
花道からぞろぞろぞろっと芸者の小万と菊野たち。
百両持ってきた伯父の助右衛門(段四郎)。「このものたちは巫女です。」
助右衛門にはバレバレ。やっぱりコント。

二幕 第一場
小万が100両で他の侍に見受けされようとしているが、源吾衛門さんが好きと自害しようとする小万。
仇討ちのための100両を差し出して、晴れて小万と夫婦だ!!と思ったところに「実は夫がいましてね。実はあっしの。」と三五郎。
しめしめしめという感じが良かったです。
なんか「封印切」みたいな場でした。

二幕第二場
今までのまぬけな浪人から打って変わって、殺気立った源吾衛門。
次々と殺していく。首をはねたり、腕を切ったり。
こわいというより面白かったです。

大詰 第一場
時代劇にありがちなご都合主義満載お話。
三五郎と小万が逃げててきた長屋の大家は小万の兄で、塩冶家から金を盗み出した盗賊。
それがきっかけで源吾衛門(不破数右衛門)は浪人になってしまっていた。
そして、三五郎の父親がやってきて、源吾衛門から騙し取った100両を渡してなぜか勘当がとかれるし。
こういう展開大好きです。

そして、源吾衛門、小万のなぶり殺しの場へ。
何回斬られても小万、生きてるし、ついたてや解かれた帯で防ごうとするし。
挙句の果ては刀を手に取らされて自分の赤子は刺されるし。
小万の首を懐に抱いて、傘を差しながらの引っ込み。仁左衛門さんの殺人鬼ぶりはすごかったです

大詰 第二場
小万の首を台に置いて「やっと二人で食事ができるなあ。」と食事をとる源吾衛門。
小万の口元にご飯を持っていくと、口がわぁっと開いて。
おもしろ~い
そこへまたまた上手いことに三五郎の父親・了心が桶に入れた三五郎とやってくる。
高の屋敷図が手に入りましたと。

自らの罪をわびて切腹しようとする源吾衛門、いや私がと了心、といってるところに出刃包丁を腹に差した三五郎が樽を割って登場
この展開に不覚にも大笑いしてしまいました。
そしたら、塩冶浪士が不破数右衛門を迎えに来る。
「良かったね」と三五郎、「ほら小万だよ」と死にそうな三五郎に小万の首を差し出す源吾衛門。
あまりにもめちゃくちゃで、大笑いしてしまいました。それはないでしょぉ~。

うわぁ死んだぁ!と思ったら、ラブリンむくっと生き返って
仁左衛門さんの「本日はコレキリ~」と切り口上で幕が引かれました。


まだまだ書きたいことはありますが、この辺で。
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『わが心の歌舞伎座』を見に行きました。

2011年01月30日 | 歌舞伎
昨日(1/29)、『わが心の歌舞伎座』を見に行ってきました。

昨年4月で建て替えのため、一旦休場となった東京の歌舞伎座の
ドキュメンタリー。

役者さんが一人ひとり、歌舞伎座や歌舞伎についての思いを語っています。
その他、歌舞伎座の裏方さんや内部についての紹介など。
倍賞千恵子さんがナレーション。

上映時間約3時間、途中休憩が10分ありましたが、あっという間でした。

以下、インタビュー出演の役者さん方です。
おもな代表作品も随所に紹介されました。

・中村芝翫
六代目菊五郎は何も教えてくれないんです。よく揚幕から見て勉強していました。

・中村吉右衛門
毎日が初日だと思って勤めています。

・市川團十郎
何か筋が通ってないとだめなんです。伝統というのはそういうものなんです。
弁慶の飛び六方の引っ込み、楽屋についてからも息があがっていてお辛そうでした。

・坂東玉三郎
泉鏡花作品の解釈や素晴らしさについて語っていました。
阿古屋は演奏で演じないといけない。

・中村富十郎
松竹の社長さんの言葉が書いてある柱のそばで稽古中は休んだり考えたりされていたそう。

・中村勘三郎
昔お世話になった女性の職員さんの思い出を涙ながらに紹介。
塩冶判官は梅幸さんなんです。

・松本幸四郎
「演劇としての歌舞伎」になればいいですね。

・中村梅玉
歌右衛門さんのお骨を持って歌舞伎座に行くと、舞台が道成寺になっていて、
3階から大向こうさんが「成駒屋」と言ってくれたことが嬉しかった。
「頼朝の死」は父を思いながら演じた。

・片岡仁左衛門
新しくなった時に素敵な役者が使っていたんだと思われるように精進しないといけない。
「菅原伝授手習鑑 道明寺」を演じた時はお毎日お祈りをしていた。
体で感じてもらえるように演じていた。
孫の背丈を楽屋の柱につけていたというエピソード。

・坂田藤十郎
上方和事を演じるにあたっての心構えについて。

・尾上菊五郎
菊五郎襲名のときのエピソード。
立替が新しいお客を捕まえるチャンスとしてとらえないといけない。


市川猿之助さんや中村雀右衛門さんの舞台の映像も紹介されました。
懐かしかったです。

そのほか、トンボの練習の様子、幕が閉まってから休憩10分間での大道具さんの舞台を変える様子が
映し出されていました。

全く知らなかったのが、背景画。
座頭ごと、つまり毎回手描きで描き直されているということ。
座頭さんが指示するんですね、空の色とか。
次回から背景もしっかり観ることにしようと思いました。


2013年、新しい歌舞伎座が完成したときには、もっと歌舞伎人気が高まっていればと思います。
そんな気持ちになりました。
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1/9 松竹座「壽初春大歌舞伎」夜の部

2011年01月10日 | 歌舞伎
昨日(1/9)松竹座「壽初春大歌舞伎」夜の部に行ってきました。



今回は時代物に上方和事、新作と盛りだくさん。
演目が発表になってから、楽しみで仕方ありませんでした。

今回の座席は花横でも後ろのほう。
急勾配していて、意外と見やすかったです。


1.八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)湖水御座船の場(16:00~16:25)

浅葱幕ががばっと振り落としで、舞台には朱色の船が。
そこに我當さんと進之助さん、前髪の薪車さん、お姫さまの秀太郎さんが乗っています。

北畠の計略によって毒を飲まされた佐藤正清(加藤清正)。
北畠の使者が1度目は様子伺い、2度目は刺客の入った鎧を持ってくる。
だんだん苦しくなってくるのに、平静を保つ正清。

舞台いっぱいに広がる朱色の船は鮮やか。
全体を見渡せる後ろのほうの席でよかったです。

前髪の薪車さん、すごく似合ってました。
なんと言っても、秀太郎さんの雛衣。主計之介さん好きなの、すきなのって。
ひとつひとつの仕草がかわいいなあと。
桃色?のお着物に黄緑の帯、かわいい。

秀太郎さん実際お琴弾かれてたのでしょうか。
ちょっとわからなかったのですが、太棹三味線との掛け合いがとっても良かったです。
太棹でもあんなに優雅な音が出るんですね。
なかなか奥深いものです。

刺客を倒した後は、船が時計回りに90度回転。
何せ始めてみたのでおっかなびっくり。
だんだん苦しくなってくる我當さんの正清。それを気遣う雛衣。
むちゃくちゃ画になってました。

あっという間の25分でした。


2.廓文章 吉田屋(16:50~17:55)

遊女夕霧に入揚げて7百貫の借金を背負って勘当された、
大店の若旦那伊左衛門。
夕霧が病に臥せっていると聞いて、居てもたってもいられず、
吉田屋へやって来る。
伊左衛門と夕霧がごちゃごちゃしゃべっていると、
勘当が解かれて夕霧の身請け金も届いた。ああめでたいな。

なんとも、ばかばかしいお話なんでしょう。
歌舞伎の中でいちばんばかばかしいんじゃないでしょうか。
でも私は上方和事の中で好きな狂言です。
華やかですし、心中しませんし。
あほな主人公伊左衛門以外、みんないい人ばかりですし。

紙でできた着物、紙衣でとぼとぼやって来る伊左衛門。
花横だったので、じぃーーーーーーっとお衣装を見たのですが、
やっぱり紫と黒の粋な着流しにしか見えません。
文字が書いてあるデザインなのですが、
水色や桃色、金、銀のグラデーションの刺繍なので豪華にしか見えません。
吉田屋の主人・喜左衛門が伊左衛門にどうぞ中へと袂を引っ張ろうとすると
破れるから、引っ張るなとか、部屋の中へ入って寒かろう、羽織を着せてあげるとか
それらしい演出があるのですが、やっぱり紙には思えないです。
すみません

藤十郎さん、先月の河庄でも思いましたが、やっぱりすごい。
吉田屋に入って、夕霧はどこや、どこや、どこや…と襖をいくつもあけていったり、
コタツの上に乗ったり、煙草に火をつけようとする夕霧にキセルで邪魔したり。
あほな仕草が最高でした。
ほにゃほにゃした上方のどーしょーもない若旦那。上手いなあ。

ひたすら優しい吉田屋主人・喜左衛門に我當さん。
さっきの御館さまと違って、ほんと優しいやさしいご主人。
言葉遣いも最高で、ほっとするというか。

吉田屋の女房おきさに吉弥さん。
もう、むちゃくちゃ良かったです。
見るたびに私の中で順位が上がっていきます(何の?)
夕霧に会わせろあわせろと無茶をいう伊左衛門を怒りもせず
なだめて、心配までして。上方の女将さんという風情が出てました。
いや~、良かったです。

2003年の顔見世で孝玉コンビで一度観ているのですが、
藤十郎さんと扇雀さんとではまた違う趣がありました。
できれば10年後ぐらいに、愛之助さんと壱太郎さんで見てみたいものです


3.江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)明智小五郎と人間豹

今回の大本命。江戸川乱歩の人間豹。
歌舞伎好きになる前から乱歩ファンな私とすれば、もうたまりません。
原作をもう一度読んでから、今回観ることにしました。

後々の参考までに登場人物を書いておきます。
【原作→歌舞伎】
明智小五郎→明智小五郎(幸四郎)
神谷芳雄→神谷芳之助(染五郎)
小林少年→同心小林(高麗蔵)
恒川警視→目明し恒吉(錦吾)
恩田(人間豹)→恩田乱学(染五郎)
恩田の父親(老人)→老婆百御前(吉弥)
カフェウエイトレス弘子→商家の娘お甲(扇雀)
ダンサー江川蘭子→女役者お蘭(扇雀)
明智の妻・明智文代→明智の女房お文(扇雀)
なし→蛇女(高麗蔵)

ついでにあらすじも書いておきます。

第一幕(18:25~19:22)
出逢い茶屋で逢引中の芳之助とお甲。芳之助が家の用事で帰っていくと人間豹に殺される。
1年後、鼓の師匠となっていた芳之助はお甲に瓜二つの女役者お蘭と恋仲に。
二人が舞台で共演中、お蘭はかみ殺される。
おでん屋で神谷は明智と知り合う。
そこになぞの老婆が。
過ぎ去ったあとに残された手紙には人間豹恩田の挑戦状が。

第二幕(19:47~20:43)
二人の女に死なれ、心の病にかかってしまった芳之助。
二人にそっくりの明智の妻・お文が看病している。
そこへ菊造の徳造と孫娘お鈴もやって来る。
恩田がお鈴をさらってしまう。
明智はお文をおとりとして、笠森稲荷へ駕籠にのせて向かわせる。
途中で菊人形とすりかわっていたことを知った恩田は激怒。
人形の首を川へ放り投げる。
駆けつけた明智は恩田を捕まえようとするが、大勢のこじきに襲われ悪戦苦闘。
とりあえず、お鈴は救い出す。
一方上手く逃げ出したお文だが、老婆百御前に捕まえられてしまう。
老婆百御前はみなしごの赤子をさらい、獣の乳を飲ませて半獣にし
見世物小屋で働かせていた。
恩田もそうであった(?)
浅草の見世物小屋。オスとメスの豹の一騎打ちの見世物が始まる。
実はメスは豹の皮を着せられたお文。オスは恩田だった。
銃を持って救いに来た明智。
救おうとした百御前は明智の銃弾にやられる。
追い詰められた恩田は大凧に乗って逃げようとするが明智の銃で切れてしまう。
傘を持って宙を舞い逃げる人間豹恩田だった。


染五郎さんの白塗りの若旦那、そして人間豹の早替わり。すごかったです。
どちらもかっこよくて、ほんと惚れ惚れ
神谷の花道の出で、一瞬立ち止まって振り返ってくれたのですが、そこがちょうど私の真横。
幸せな一瞬でした。
ウズメ舞の場では、鼓の生演奏をしながらの舞、
「ぱふん、ぱすん」って音だったからご本人なのねって。
音が出るだけですごいことらしいので、実際舞台で演じながら演奏されるって大変なことだと思います。
やっぱりかっこいい。
そのほか、一瞬で消えたり、セリから現れたり、神谷のそっくりさんから恩田に早替わりしたり
最後の宙乗りはかっこよかった。花横だったのでじっくり真下から見れて最高でした。
紙ふぶきがぴやぁ~~~~っと舞って。
久しぶりにケレンを堪能できました。
気になっているのですが、恩田がバク転をしてましたが、染ちゃんですか?
それから、恩田の洞窟で、神谷が恩田にすりかわっていましたが、どうやって?
絶対神谷のときは別人さんだったんですが、いつのまにやら恩田メイクの神谷になってたんです。
ああ、気になる気になる。

扇雀さんの3役は上手でしたね。
特に、女役者お蘭がよく似合ってました。
扇雀さんはちょっと生意気な女芸者みたいな役が上手いですよね。

明智小五郎の幸四郎さんは、イメージピッタリでした。
おでんやさんで、振り返って、「明智小五郎」という件では
笑いのような、おおぉというか、ざわざわざわざわって。
最後のマントを着て恩田との応戦の場面はかっこよかった。
やっぱり好きです、幸四郎さん。

多分、染五郎さんより大変だったんじゃないかと思うのが
高麗蔵さん。蛇女から次の小林に変身はものすごく早かったように思います。
それより、高麗蔵さんの女形、いいですね。
すぐに死んじゃったけど、もっと場面が多くてもよかったんじゃないかと。
もっと見たかったです。


いや~、ほんと歌舞伎の面白さをいっぺんに楽しめるって感じでしたね。

原作にはない解釈を加えてさらに奥深いお話になってましたね。
上手く歌舞伎にされたもんです。
乱歩好きな方も納得されるんじゃないかと思います。

また、九代琴松さん作品にお目にかかりたいです♪
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「大阪歌舞伎座」と「コマ・歌舞伎」

2011年01月03日 | 歌舞伎
先日知人から、歌舞伎好きの私のために取っておいたということで
こんなものをいただきました。



左:コマ・歌舞伎 1968(昭和43)年11月(梅田コマ・スタジアム)
右:東西合同大歌舞伎4月興行 1951(昭和26)年4月(大阪歌舞伎座)

右の約60年前の番付なんて、紙がまっちゃ色でちょっとめくると
「ペリっ」と破れてしまいそうです。
文字はもちろん旧字体。明治時代の文学を読んでいるかのようです。

演目は第一部 「坂崎出羽守」「鬼一法眼三略巻」「二人三番叟」「紅葉狩」
第二部「艶容女舞衣」「檜垣」「清盛と西光」「椀久と松山の死」「どんつく」
となっていて、新歌舞伎(?)と舞踊劇中心の演目のようです。

最初の8ページに役者さんたちの写真があり、
私がわかる範囲は下記の方々で、(間違ってるかも
市川猿之助(2代目)←当代猿之助さんのお祖父さん
市川段四郎(3代目)←当代猿之助さんのお父さん
坂東蓑助(6代目)←当代三津五郎さんのお父さん
中村鴈治郎(2代目)←当代坂田藤十郎さんのお父さん
中村扇雀(2代目)←当代坂田藤十郎さん
中村富十郎(4代目)←当代富十郎さんのお父さん
中村鶴之助(4代目)←当代富十郎さん

6代目蓑助さんがやたら美男子なのと、2代目扇雀さんがやたら壱太郎くんみたいでびっくりです。調べてみたらちょうど扇雀さん20歳そこそこのようで。

それから、1ページ使われている坂東壽三郎さんと市川壽海さん、
調べてみたら関西歌舞伎で「双壽時代」という時期があったそうで、なるほどと思いました。
この番付のお写真の市川壽海さんってめちゃくちゃ美男子さんです。
あと、坂東蓑助さんが関西に拠点を置かれていたのは知りませんでした。

昭和26年当時の観劇料は1等600円、2等350円、3等250円となっています。
広告がほとんど呉服関係で、まだまだお着物が中心の時代だったことがわかります。
巻末の座席表を見ると、大阪歌舞伎座は、東京の歌舞伎座並みの広さがあったようです。

■□■
左の「コマ・歌舞伎」は昭和32年から年数回、2代目中村扇雀さんが中心の
歌舞伎(でも女優さんや歌舞伎役者さんじゃない俳優さんが出演)と舞踊の2本立ての公演があったようです。
この番付は第23回公演で、「雪之丞変化」「雪・月・花」(舞踊ショー)となっています。

配役は中村雪之丞と闇太朗が扇雀さん、門倉平馬が東千代之介さん、
お初が花柳小菊さん、ムクに宮城まり子さん、浪路に高田美和さん、
それから、坂東竹三郎さんもいらっしゃいました。

巻頭に雪之丞と闇太朗のお写真があるのですが、んまあ綺麗なこと。

あの広い広い梅コマでこんなお芝居が上演されていたんですね。
タイムトリップして見に行きたいです。

■□■

たった、2冊、60年前と40年前の番付だけでむちゃくちゃ楽しめました。
聞いたり、読んだりしたことが、なんとなく実感できるような。
集めたりする気はありませんが、古本屋さんでなんとなく探してみたくなりました。
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2010年を振り返って 歌舞伎編

2010年12月30日 | 歌舞伎
今年は歌舞伎をよく見に行った年になりました。
いや、例年の3~5倍の回数です。
東京の歌舞伎座が立替中で、関西での歌舞伎興行が増えていたのもありますが
「今年は歌舞伎観劇20年目のお祝いの年、見たいものは可能な限り見てしまおう!」と
勝手に自分自身をあまやかしていた結果、こんなことになってしまいました。

昼夜換算で15回。多すぎです。
1つを除いて、全て1等席です。
(普段から、どうしても見たいものだけを1等席で(取れたら)見るというスタンスです)

愛之助さん、春猿さん、橋之助さん、壱太郎さん、亀治郎さん、菊之助さん…
大好きな役者さんを年に2回以上見れたのは、本当幸せなことです。

南座顔見世はある事情で行けなくなったので、その代わりに御園座のに行ったのですが…。
でも結局どうしても行きたくなって。
それで、愛之助さん目当てに行ったつもりが、梅玉さんと芝雀さんも良くって

金丸座、平成中村座、永楽館…。個性的な小屋で見れたのも嬉しかったです。

来年はもう「お祝いの年」ではないので、例年通りの回数に戻します。
でも好きなジャンル、好きな役者さんが増えたので、選択に悩みそうです


12/4南座『吉例顔見世興行』夜の部 その3「鳥辺山心中」「越後獅子」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/407bb0a93f48bc5cdc5a0d0b5a1f9f8a

12/4南座『吉例顔見世興行』夜の部 その2「七段目」「河庄」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/b99d4eb9b452650c986a8a74a7057075

12/4南座『吉例顔見世興行』夜の部 その1「外郎売」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/60e252cc793a73724818f6a77152a97e

11/7 『永楽館大歌舞伎』昼の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/8830eb943083a3cba922bd42cd678c60

11/3 「大阪平成中村座 昼の部 法界坊」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/dea3232c61faba07b0e41e5c2a9daa11

10/24御園座『第46回吉例顔見世』夜の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/f0d3c4b76e1741d62ee72d43b0b8a26c

9/19神戸文化ホール『松竹大歌舞伎 公文協西コース』
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/fdd46bcac82cfcbba30482c76287ef86

9/5新歌舞伎座『二十一世紀歌舞伎組公演』夜の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/419d294d2a2cea83791f968f13f9bfde

7/24国立劇場『歌舞伎鑑賞教室 身替座禅』
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/bee1404584947a33d684e657096a31ed

7/18松竹座『七月大歌舞伎』夜の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/2e24b08bde5fbe979a5abe55d94155fb

7/11松竹座『七月大歌舞伎』昼の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/5223c1c0f30acbd5ce681be25d409deb

5/23松竹座『團菊祭五月大歌舞伎』夜の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/db538ce3d43654c7de29a0231ce35db0

5/9松竹座『團菊祭五月大歌舞伎』昼の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/7e8f89781a40a6ed1db3f93e1f4dbbb0

4/18 四国こんぴら歌舞伎 昼の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/ac49b9a045c5e5a1bec27354e94d4262

4/17 四国こんぴら歌舞伎 夜の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/3f84eec77e430035b3d433ef7c22fadf

3/22南座『三月花形歌舞伎』昼の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/58a51e57e7dc1d3b2743efbf476c71ee

松竹座 通し狂言「仮名手本忠臣蔵」昼の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/25c943f031b428cbdedef5f80f762415
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片岡愛之助(ラブリン)関連記事 もくじ

2010年12月09日 | 歌舞伎
ここ数日おかげさまで「片岡愛之助」や「ラブリン」という検索ワードで
お越しくださる方がたくさんいらっしゃって、ありがたく思います。

そこで、愛之助さん関連記事の目次を作ってみました。

…というより自分用です。

■ヒガシとの決闘シーンでは刀で会話したそうな。映画「小川の辺」舞台挨拶
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/54129931a699189edfd7384fdada9ada

■認知してないことについてどうよ?【視聴メモ】ラブリン隠し子会見
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/7dde54888d7f84c8eb389c6f3a7654bc

■ラブリンにも隠し子が?!【視聴メモ】梨園のありえん?疑惑
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/13e2df87d0c57b08789bd6cb5c8873ad

■松竹座にて絶賛上演中「盟三五大切」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/faa341c276e5628754af2bf2a7f32d9d

■講演会・イベント
好きな女性のタイプは?「歌舞伎の世界~片岡愛之助さんに聞く」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/2b3fe25238f28f444017e4487135e0db
やぱりラブリンはいい人でした。フェリシモ「神戸学校」片岡愛之助
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/344d9280314e8bb631e2a7f2bec8266b
自身の写真集の記念イベント「2/14松竹座 片岡愛之助握手会」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/c23663f7f470ddddd0b77589076e9d11
主演映画の舞台挨拶付き 映画「築城せよ!」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/1b547587a2c1d51fd01d01fea1c00c7b

■映画
片岡愛之助さんが出演というだけで見た映画「宮城野」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/3d6ed27175868d5f93543ed5c7780aa1
孝太郎さんと主演 映画「Beauty うつくしいもの」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/69af1e937725a41da20e74afccc27f6b

■オススメスポット
愛之助さんの出生地 大阪堺のロールケーキやさん「愛之助」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/dd3f5406eeff4c87e69785c891d99bad
9階はラブリンの声が響き渡る夢のフロア「大阪歴史博物館」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/c/8152731ed2e7cb38d473dc2c447cdc37

■舞台
ものすごくかっこよかった!南座顔見世「外郎売」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/60e252cc793a73724818f6a77152a97e
愛之助さんと目があったかも?!「永楽館大歌舞伎」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/8830eb943083a3cba922bd42cd678c60
とうとう夢にまで愛之助さんが…「花の武将前田慶次」千秋楽
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/fe96b4687e91ac394c2ead1a993c8035
とにかく、ひたすら愛之助さんがかっこいい舞台「花の武将前田慶次」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/85ee7ee66352ee57bd1b1df5f09d11de
春猿さんとのラブラブがかわいかった。松竹座「七月大歌舞伎」夜の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/2e24b08bde5fbe979a5abe55d94155fb
悪役の声もぞぞぞってきます。松竹座「七月大歌舞伎」昼の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/5223c1c0f30acbd5ce681be25d409deb
外郎売よりこっちのほうがすごいかも。「こんぴら歌舞伎」昼の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/ac49b9a045c5e5a1bec27354e94d4262
亀治郎さんと二人でなぶり殺しを演じた「こんぴら歌舞伎」夜の部
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/3f84eec77e430035b3d433ef7c22fadf
憎たらしさ爆発の八右衛門でした9/5神戸「近松座公演」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/f21fa430860bc1af1b7fbef1c772451e
橋之助さんとの立ち回りが最高でした「小笠原騒動」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/65fea700a48dd6b045f18779d09bc2c0
亀治郎さんと油まみれ「松竹座「二月花形歌舞伎」昼の部」
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/83bc55d79d8f6d67365d350f0bcbaf82
新派でも魅力発揮 南座『9月新派公演』片岡愛之助
http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/686eb87b8818b56664e08f9b814010fb
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12/4南座『吉例顔見世興行』夜の部 その3「鳥辺山心中」「越後獅子」

2010年12月05日 | 歌舞伎
4.鳥辺山心中(21:00~22:15)

夜の9時からまた惚れたはれたのお話です。これは絶対熟睡確実。って始まる直前まで思ってました。
いえ、始まって数分は思ってました。だって、場内うす暗~くなってましたし。

 実際始まってみるとぐいぐいお話に引き込まれてしまって、真剣に見入ってしまいました。
また、ごめんなさいです

京・祇園の花菱屋の遊女お染(芝雀)は菊池半九郎(梅玉)という馴染みの客がいるが、
将軍家光に従って上洛した旗本。予定よりも江戸下向が早まり、打ち明ける。
やけ酒を飲んでひっくり返る半九郎、悲しみに暮れるお染。
そこへ半九郎の親友坂田市之助(歌六)が遊女のお花(魁春)をつれてやってくる。
半九郎は家宝の刀を売ってお染を自由にしてやりたいと市之助に相談しているところに
生真面目な市之助の弟源三郎(松江)がやってきて、遊興にふける兄を非難。
市之助が帰ったあと、半九郎とささいなことでいざこざとなり、四条河原で果し合い。
市之助を斬った半九郎は切腹するか、兄の市之助に斬られるしかないと思うが
お染は一緒に死のうと口説く。そして河原でよりは鳥辺山へと向かっていく。

お話を文章にすると、なんともばかばかしいお話なんですけど、
思いのほか(ほんとごめんなさい)面白くって、面白くって。
新歌舞伎ってやっぱり好きなんだわって思いました。

面白いと思わせていただけたのが、主人公の梅玉さんと芝雀さん。
梅玉さんは襲名披露以来、10年ぶりで私は見たのですが、
こんなに素敵な役者さんをほったらがしにしてたなんて
この10年なにしてたんやろって、自分で自分を責めてしまっています。
ものすごくかっこよくて、品があって。
酒を飲んだら短気になってしまって、でもやっぱり後悔して、
最後は好きなお染と共に…。
心理状態がものすごく手に取るようにわかって、すばらしかったです。
四条河原での立ち回りもかっこよかったです。

たぶん、きっと初めてだと思います。芝雀さん。
一途に半九郎さんが好き好きっていう思いが仕草や表情に出ていて、
むちゃくちゃかわいらしかったです。
お衣装も右側がオレンジで左側が黄緑(逆だったかも)、帯がピンクで
今まで観てきた中で1,2を争う斬新な色使い。
お声もかわいらしくて、このお役にピッタリだと思いました。
こんなにかわいらしい女形さんがいてはったなんて!
約20年、私は何を見てきたんだろ~

播磨屋さんに復帰した(?)歌六さん。いいですね。落ち着きがあって。
もうちょっと出番があったらなあって思いました。

生真面目な松江さん、夜も9時半なのに大きな声で頑張ってはりました。
なんか「こら~、まだまだ顔見世は終わってないぞ、起きてしっかり観てくれよーーー!」
ってみたいに思ったりして(ごめんなさい

第二場に変わる間の2~3分、場内が真っ暗になったところで
客席からわらわらとお帰りになられる方が出て行かれました。
このころ、もう晩の10時ぐらいでしたから、仕方ないんですけどね~。

四条河原の場も良かったです。
幕が開いてすぐ、お染の父役の寿猿さんが良かった。
そして、普通の時代劇さながらの立ち回りがありました。

半九郎とお染が死装束に着替えている間、一瞬聞き覚えのある声が。
半九郎に仕える八介の薪車さん。
主人を迎えにやって来るが、仲居に事の仔細を聞いて慌てて立ち去っていきました。
一瞬でしたが、かっこよかった~

死装束に着替えた二人の道行。
正月の晴れ着にと父が持ってきた紫の着物を着たお染、黒いお着物の半九郎。
きっかけはとってもあほらしいのですが、じーーーーーんときてしまいました。
「ご両人!」と掛け声があったのはすごく良かったです。
やっぱり道行だから、お染の帯締めは下向きなのね。なんて見ながら…。

「高砂屋!」「京屋!」とむちゃくちゃ掛け声が多かったです。
大向こうさんにも贔屓の役者さんとかあるのかなって思えるくらい。
恥ずかしながら、梅玉さん、芝雀さんの屋号を知らなかったのですが
おかげで今回覚えました。

もう、しんどい、助けて~っという、どんよぉ~りした雰囲気の客席を前に
すばらしいお芝居でした。
睡魔どころか、お目目爛々な私でございました。


5.越後獅子(22:25~22:40)

さあ、やっと最後です。
客席も1階席ぱっと見渡してみると、空席がちらほら、いえ、結構ありました。
もう10時半ですからね、仕方ないといったら仕方ないんですけど。
かくいう私も、直前の10分間の幕間にコートを着て、マフラーも首にかけて
バッグを膝の上に置いて、幕が閉まったら速攻駅までダッシュ!の用意をしてました。
しかし、幕間10分で所作舞台に変更って大変でしょうねえ。

花道から翫雀さん含む5人の獅子たち。
長唄にのって、お江戸日本橋で軽快に踊ります。

獅子舞や一本足の下駄でタップダンスみたいな舞、
一反木綿のお化けみたいな、白い晒し(?)を新体操のリボンみたいにはたはたはた…。
あとの4人の方も出てきて、みんなではたはたはたはた…。

側転とかトンボがあったり、こんなに夜遅くご苦労様です。

むちゃくちゃしんどかったですが、派手で楽しいので元気になってしまいました。

決めポーズで幕となったのですが、幕が完全に閉まらない間に大勢のお客さんが帰っていきました。
こんな歌舞伎観劇初めてです。
さすがに私は最後まできっちり拍手をしましたが、その後はやっぱりダッシュッ!
だから、やっぱり同じです。

昼は10時半から、晩も10時半過ぎまで、役者さん、スタッフさん大変でしょう。
半分観るだけでこんなに疲れるんですからね。
これを約1ヶ月。
お体にほんとお気をつけて頑張っていただきたいと思いました。

これからご覧になられる予定の方も、睡眠を十分摂って臨んでくださいませ。
眠っちゃったらもったいない、というより楽しくて眠れませんから。
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12/4南座『吉例顔見世興行』夜の部 その2「七段目」「河庄」

2010年12月05日 | 歌舞伎
2.仮名手本忠臣蔵 七段目 祇園一力茶屋の場(17:05~18:45)

大星由良之助に吉右衛門さん、おかるに玉三郎さん、
寺岡平右衛門に仁左衛門さんという超豪華版。

祇園の一力茶屋で呑んで遊びにふけっている由良之助、そこへ本心を確かめに塩冶の元家臣がやって来るが
軽くあしらう。足軽の平右衛門は同士に入れて欲しい嘆願書を渡そうとするがこれも軽くあしらわれてしまう。
由良之助の息子力弥(種之助さん)が密書を持ってやってくる。
その後、高師直に通じている塩冶の元家臣、斧九太夫(當十郎さん)がやってきて、これまた本心を確かめようと
塩冶判官の命日に蛸を勧めるが、由良之助はあっさり食べてしまう。しかし、密書が気になると縁の下に隠れて様子をうかがう。
密書を読む由良之助。二階座敷ではおかるが鏡を使って密書を盗み読み。簪が落ちてしまい慌てて密書をしまう由良之助だが
密書の先が切れていることから、縁の下の九太夫に気づく。

吉右衛門さんの世話物(?)って初めて見ました。偉いお侍さんになるとやっぱり鬼平みたい。
特に酔っ払っているところで、力弥をみつけてハッと真剣な表情になるところなんてまさに鬼平さん。変な言い方ですが、吉右衛門さんこのお役にぴったりでした。

おかるの玉三郎さんはいうまでもなく、ほんとに、ほんとに美しい。
美しいという言葉は玉三郎さんのためにあるといってもいいくらい。
もういいお年なのに、あの肌の美しさは何

二階座敷の戸が開いた瞬間、「ひやぁ~(きれいやわあ)。」というどよめきが客席から起こりました。
特に、鏡で密書を読んでいるときのあの体の線とか、落ちた簪を挿す仕草。
花道でも簪が落ちたんですが、これはアクシデント?それともわざと?
2回も見れて幸せでした

兄の平右衛門に「勘平さん…」と恥ずかしそうに聞くときのかわいらしさ、
実は勘平は切腹したと聞いたときの落胆の様子、たまりません。
私の中のおかるの標準は玉三郎さんになってしまいました。
次からどうしよう。困ったものです

平右衛門の仁左衛門さんもいうまでもなく、ちょっとまぬけで一本気なところ、
妹思いな兄さんがとっても良かったです。
白塗りじゃなくてもやっぱり美男子です。
おじいさんになってもかっこいいです。

今回は玉三郎さんと兄妹役でしたけど、やっぱり孝玉コンビ、すばらしいです。
廓の女になったおかるを見て、「えらい!それにきれいになったじゃないか。」っていう台詞がすごく良かったです。
おかるに家の状況をきかれて、1回目は嘘をつくところも前の話がわからない方が見ても
なんかおかるに言えない訳があるんだな、という感じがしていたと思いました。
やっぱりすばらしい役者さんですね。

最後の兄妹の本心がわかった由良之助が出てきて、さび付いた刀でおかるの手を持って
縁の下の九太夫を討つ件は最高ですね。
七段目はほんとよくできてるお話だと思います。

孝玉コンビをたっぷり堪能できて楽しかったです。
いつまでも見ていたいと思いました。


3.河庄(19:10~20:45)

紙屋治兵衛には妻子がいるが、北新地の河庄の遊女小春と心中を誓うほどの深い仲。
そんな小春の元に治兵衛の妻おさんの別れて欲しいとの手紙。
別れを決心した小春の元に、侍姿をした治兵衛の兄粉屋孫右衛門がやってくる。

ほっかむりをして河庄にやって来る治兵衛。花道からの出もすごく良かったですが
特に、入り口で隠れて入って、入ろうとして、隠れて…のところが
こうもじもじしてる感情がありありとわかって、思わず「山城屋!」っていいそうになったら
(って実際には言いませんよ。)
ちょうど、掛け声が。なんだか嬉しい気分になりました。
藤十郎さんはやっぱり近松ものの主人公がぴったりです。
頼りなあいしょうもなあい、旦那がほんとすばらしい。台詞まわしがほんと上手い。

孫右衛門の段四郎さんも大阪弁が怪しかったですけど、良かったです。
実年齢は藤十郎さんよりうんと下だと思うのですが、お兄さんにしか見えなかった。
ニセ侍なので、部屋に置いた刀を置き忘れて、お庄(竹三郎さん)とごまかし笑いするところと
小春の懐からおさんの手紙を読んで、治兵衛を何とか上手くごまかそうとするところ、
すごく良かったです。
この場の主人公は孫右衛門じゃないかなと思えるくらいです。

小春の扇雀さん、始めにお庄と話すぐらいですーーーーーーっと黙って、本心をいえず耐えて、耐えて、耐えて。
ああ、辛いだろうな、ほんとのことを治兵衛に話せたらどんなに楽だろうなって、見てて辛くなりました。
扇雀さんはお姫さんより、こういう遊女さんのほうがお似合いだと思います。

ラブリンの外郎売に興奮して、七段目の孝玉コンビをたっぷり堪能した後、
25分の幕間でお弁当も食べたので、心もお腹も満腹状態だったときの、近松もの。
ちょっと、私にとっては睡魔との闘いの1時間半でございました。ごめんなさい
このあたりで、チラホラお帰りになるお客さんがいらっしゃいました。
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12/4南座『吉例顔見世興行』夜の部 その1「外郎売」

2010年12月05日 | 歌舞伎
昨日(12/4)南座の顔見世、夜の部を観に行きました。

なにぶんチケット代がお高いので、顔見世は今回で2回目。
前回は2003年の孝玉コンビの吉田屋と歌舞伎組の西遊記の夜の部。
今回もやっぱり孝玉コンビと歌舞伎組ということになりましたね…。

15時30分に南座に到着したんですが、人、ひと、ヒト。
開演を待ってる方、まねきの写真を撮ってる方、ただ前を通る方で
押し合いへし合い。

矢倉寿司のカウンターまで行くのに一苦労でした。

私も例に漏れず、まねきの写真を撮りました。

15時45分ごろに昼の部のお客さんがどどどどどどどっと出てこられて、
さらにものすごいことになりました。

そんなこんなで16時ちょっと前に開場となりました。

1.外郎売(16:15~16:50)

浅葱幕の前に奴さんが4,5人並ばれていて、工藤祐経は巻狩に来てますみたいな
台詞のあと、ばっと振り落とし。
すると、ぱっと浮世絵の世界が広がっていました。
祐経の段四郎さん、傾城の笑三郎さんに、春猿さん、女暫みたいな孝太郎さん等など。

そして、舞台上手には「歌舞伎十八番の内外郎売」、
下手には「六代目片岡愛之助相勤し候」という大きな看板が。
普段舞台を観て写真を撮りたいなんて思ったことないですが
今回は思わず携帯出して撮りたい衝動にかられました。

花道から「外郎はいらんか~」みたいな声が聞こえてきて、
外郎売、愛之助さん登場!
会場、大拍手~。
むきみ隈(っていうのかな?)のラブリン初めてかも。
かっこいいというより、かわいい。持ってる扇子は三枡でした。

七三で止まって、そして舞台から「お前はな何という名前じゃな?」
「あのぉ、それはぁ~。」
「おぬしの名はぁっ!」
「ろくだいめ、かたおかあいのすけ~!」
割れんばかりの大拍手~。

そして、外郎売といえば言い立て、言え言え、皆さんお待ちかね、いちばん気を入れてとかせかされる外郎売。
「ありがたいけれど、分にたりないこの大役。」
「いや、遠慮には及ばぬ」「いつものように精出して」
とおもしろいやりとりがあったあと、外郎売は舞台へ。

そしたら、口上で挨拶がありました。
「この外郎売は市川宗家が復活した狂言で、今回この顔見世で初役にて勤めることになりました。
まだまだ未熟ですがご見物お願い申し上げたてまつりまする。」
まつしまやぁっ!また割れんばかりの大拍手~。

エッヘン、エッヘンと咳払いして、始まりました。
「あかさたな、はまらやわ、おこそとの…」みたいなのがありました。
長すぎてわからないですね。
とにかくすごい、すごい、すごい!

そしたら、珍斎が一粒飲ませろと飲んだあと、
お茶たて何とかかんとか…
上手くいえない珍斎。

そして、祐経に斬りかかろうとする外郎売。
春猿さんや笑三郎さんに止められて、そこで毛氈がでてきて
外郎売は曽我五郎に変身。
その前で春猿さんと笑三郎さんは反り返ってずーっと立ったまま、
孝太郎さんともう一方が踊り。

しばらくして、曽我五郎に変身完了。
やっぱり、見慣れないせいかかっこいいというより、かわいい

奴さんたちと立ち回り。にらみ満載。
こんなに愛之助さんのにらみを見たのも初めてかも。
すごい迫力でした。目が落ちませんか?
ひとしきり終わったら、また大拍手。

がーがーぐごぉぐごぉぐわー。っていう(何ていうんですか?)のも初めてかも。
かっこよかったです。

祐経から狩場で会おうと絵図面をもらって、再会を約束。
絵面で終わり。

傾城姿の春猿さんと笑三郎さんの間に曽我五郎の愛之助さん。
それで歌舞伎十八番。
それを顔見世で、一階一等席の真ん中で。
夢のようなひと時でした

面白い演目だったので、次は市川宗家で見てみたいと思いました。
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11/7 『永楽館大歌舞伎』昼の部

2010年11月08日 | 歌舞伎
昨日(11/7)兵庫県豊岡市出石の永楽館大歌舞伎、
昼の部に行ってきました。

永楽館には昨年見学に行ったことはあるのですが、

http://blog.goo.ne.jp/mushisan-yobiko/e/f906b0b65cd9fd621facc5c162e421bc

実際ここで歌舞伎を見るのは初めて。
演目は二つとも義太夫狂言だし、ひとつは口上、なんか地味やなあ。
席も2階で下手側、前のほう。
こんぴらで真ん中かぶりつきだったから、今回まあまあまあまあ…って。
思ってたんです。

初めてだったので、チラシの裏に書いてあった列車の通りに行きました。
行き:北近畿1号→八鹿→バス→出石営業所
帰り:バス→八鹿→きのさき10号→福知山→タンゴディスカバリー

大阪ではあまり良いお天気じゃなかったのですが、
福知山あたりで晴れてきました。

永楽館到着。



のぼりはチラホラ立ってるけど、なんか素朴な感じ。
ほんと住宅街にいきなり建ってるんですよねえ。

入り口は道路に面してなくて、ちょっと路地を入ったところ。
そこでちょっと並んで入りました。

お茶子さんから靴袋を受け取って…。

「わっ!(金丸座より)狭っ!」って言ってしまいました。
なんか定式幕がものすごく近くって、びっくり。

お弁当もチラシの裏にあったところへ
2000円のお弁当を予約してましたので、それを受け取ってから、

2階席へは入り口から右側にあるものすごく狭くて急な階段を上ります。

ひとりしか上り下りできません(~_~;)

そこを上ったら、2階正面席。

私は下手の前なので、段差がやたらあって傾いている板の間を
ずんずん前の方へ歩いていきました。

お座布団に席番が書いてあって、そこがスペースなのですが、ちいちゃい。
ちゃんと正座してやっと脚とお尻がのるくらい(~_~;)
お座布団のまわりには何も敷かれていないので、こりゃ足が痛そう(>_<)
って思ったのもつかの間でした。


11時開演。


1.近頃河原の達引(ちかごろはかわらのたてひき)
  堀川与次郎内の場 一幕

盲目の母親おぎんと息子猿回しの与次郎が貧しいながらも細々生活しているところに
娘の遊女お俊が恋仲の伝兵衛が自分を巡って侍を殺してしまったので
身を寄せている。
そこに心中を狙って伝兵衛が殺しにくるのではないかと
おぎんと与次郎は心配しているが…。

おぎんが近所の娘に三味線を教えるところから始まりました。
吉太朗くん、なんかさらにお芝居上手になってたような気がしました。
花道をひっこんでいくところ、むちゃくちゃかわいかったです(*^_^*)

そして、猿回しの愛之助さんが猿を肩にのせて花道から登場!


「ぎゃ~(≧∀≦)」


何かって、ものすごく近いんですよ。

目の前に頭が!お顔が!

手を伸ばせばカツラをすぽって取ってしまえそうなほど。

ちょうど、花道の横で立って観てるような距離。

また、お話よりこの近さにまず感動してしまいました(^_^;)

愛之助さんが出てくると、舞台はものすごくあたたかい雰囲気になりました。

ききききっと言ってるおサルさんをなだめたり、
おぎんさんがいろいろ言ってるのに着物のほこりを払ったり。

いや~、愛之助さんってこういうアホな役(いい意味ですよ)が
似合うなあって思いました。

そしてお待ちかねの遊女、吉弥さん登場。

縞のお着物に水色の帯。むちゃくちゃ色っぽかったです(*^_^*)

伝兵衛さんに会いたいの、離縁状も書いてあるからと安心させて、

さあ、寝ようとするところ。

愛之助さんは吉弥さんにはきれいなお布団を丁寧に敷くけれど、

自分は上着を腰に巻いて、お布団にぐるぐるぐるぐる…っと
のり巻きみたいに丸まって、ちゃんと木の枕に頭がちょんとのって。

愛之助さんの大いびきの中、花道から薪車さん登場。

うわぁ(≧∀≦)かっこいいよぉ!

気づいた愛之助さんは薪車さんを追い出そうとするが、
吉弥さんを外に出してしまう。

明かりがついた部屋には薪車さん。

「おいお前、妹をさらいに来たな、えっこら。」
「ほれ、離縁状じゃ、読んでみい、あら、一緒に心中するって?!」
みたいなやりとりだったと思うのですが、

戸口で座り込んだ吉弥さんが小さくちぢこまった黒子さんに
帯を結んでもらっていて、
それが目の前に見えるものですから、そればっかり観てしまって(^_^;)

通りで吉弥さん、横になる前に丁寧に帯をたたんではってんなあって。
普通だったら、黒子さんがさぁって持って行っちゃうじゃないですか。

あっという間に帯完了。

角だしのような結び方でした。

すごいなあ。ほんとすごいなあ。

中に入ったお俊、伝兵衛も自害しようとするが、おぎんと与次郎に止められて、
それなら、祝言しましょということになり…。

二匹のおサルさんが愛之助さんの唄いとともに踊りだしました。

素朴なおサルさんでかわいいんです(*^_^*)

お弁当箱にご飯をつめているとほしがったり、杯を持ったり。

愛之助さんのよく響く唄と、おサルさん。

黒の正装のお俊と伝兵衛。

二人を見送るおぎんと与次郎。

二人は多分心中しちゃうのかな、どっかへ逃げるのかな、
とか考えてしまいました。

ものすごく見所たっぷりのお芝居だったと思うのですが、
おサルさんの操り人形と
吉弥さんの戸口の帯結びがあまりにも強烈な印象だったものですから、
見逃してしまったところが多いと思います(ToT)猛省

もう一回復習したいなあ。


幕間30分。


席でお弁当をいただきました。



それから、お手洗いへ。

下手側に隣接されたお手洗い。数が少ないのでずらずらずら~。

お茶子さんが「次の口上は20分、その後20分幕間ですから、
我慢できる方は後にもご利用下さい。」なんて。

なんか素朴だったなあ。


2.お目見得 口上

幕が開くと、

吉弥、薪車、愛之助、壱太郎、竹三郎 

の並び舞台に座られていました。

愛之助さん
今年で3回目となる永楽館大歌舞伎、ありがとうございます。
のようなお礼から始まって、
いつも出石で壱太郎さんのお誕生日を迎えるのですが
今年は11月と紅葉の季節で、とか
1回目と2回目は日本でいちばん暑いのは豊岡市で大変だったとか
去年はお蕎麦が食べられなかったから、今年は稽古の前に食べたとか、
1回目のお練りにバスで来たときは誰もいなくて、
お練が始まるとどこからか人が集まってきたとか
今年は出石で渋滞が!と思ったらお城まつりだったんですね、
とかひたすら笑いをとった(?)あと、
今回の演目のお話、猿回しの役は我當さんに丁寧に教えていただき感謝しているとか
吉野山は振り付けの方にたのんで義太夫では出てこない
逸見藤太が出てくるようにしていただいたとか
スッポンや、他にない演出でお楽しみいただきます、
などお話されてました。

竹三郎さん
ずっと出たいと思っていました。愛之助さんより二つだけ年上の私が
母親役をつとめさせていただきました。
など、おもしろくてあたたかいご挨拶でした。

吉弥さん
今回初めて出演させていただいて嬉しいとか、
そのとき吉弥さんカミカミでむちゃくちゃ笑ってしまいました。
一門でお蕎麦を食べて「愛之助さんですか?」ときかれて「そうです。」と
答えて、50皿いただきました。
「愛之助さんありがとうございます。」とおじぎ。
「そして本題に入りまして。」また大笑い。
13世仁左衛門さんがやられたとき、吉弥さんは猿を操られていたそうです。
天井から猿を操りながら、感動されてたとか。
女形の格好なのに、全く素の声で話されてました(^_^)

薪車さん
逸見藤太の大役をいただきましてありがとうございます。
のようなご挨拶だったのですが失念しました。
ただ、薪車さんの口上が始まるとすぐに、他のみなさん
「くくくくくくっ…。」とうつむきながら肩がゆれてるんですよ。
もう、お箸がころんでもおかしい状態だったようで(^^♪

壱太郎さん
1幕目は出演していないので、朝喫茶店に入ったのですが、
出石では「あいてますか?」が挨拶で、と笑いをまたとられてました。
喫茶店で台本をよんでいたら、「歌舞伎の方ですか。」ときかれましたと、
「役者ではなく脚本家と思われていたようで、いいえ違いますと答えました。」とか
「今は男ですが、20分の休憩の後は女に変身します。
楽しみにしてください。」と挨拶されてました。
てっきり女形の格好で挨拶されるのかと思いきや、ちがいました。
それから一人称が「ボク」だったんです。いや~かわいい(*^_^*)

愛之助さん
「長らくのご清聴ありがとうございました。」とまた大笑い。
そして、かっこいい口上で締められました。

約20分間、口上というより、トークショーでしたね。
皆さん、素で話されてましたから。
なんでお芝居とちがうねん!と思ってましたが、ごめんなさい<(_ _)>
むちゃくちゃ楽しませていただきました。


幕間20分。


3.義経千本桜 道行初音旅

今日の大本命、愛之助さんの忠信狐と壱太郎さんの静御前ですヽ(^o^)丿

「ほぉ~~、ほけきょっ」
とうぐいすの笛の音がなって。

舞台は桜がいっぱい。
奥に竹本さんがいらっしゃいました。

義太夫の踊りって、去年見た六歌仙以来(多分)。
太棹の音色って迫力ありますねえ。と聞き惚れていると、
花道から静御前登場。私のまん前で一旦立ち止まって、
ひょ~、うしろ姿も美しい。

衣文の抜き具合が色っぽいなあとか、真っ赤なお着物の刺繍が綺麗。
カツラ重たいだろうなあ、頭の鼓みたいな飾り綺麗。

なんて思っているうちに、舞台へ移動されて、
むちゃくちゃ綺麗な踊りでした。
なんか頬がほっそりして、大人のオンナっぽくなってました。

鼓をポンっ、ポンっ、ポンっとたたくと…

スッポンから忠信登場!

だったのですが、残り10センチくらいのところでひっかかってしまい
10秒ぐらいそのまんまだったんです。
でも動じられず、何ごともなく進みました。(←当然ですね)

実は、静御前が鼓を打つ前からスッポンがひゅーっと
へっこんでいくのが見えたんです。
だって、目の前ですからね。
花横の方と私たち2階席の一部の方たちはいつ忠信が出てくるのか夢中でした。
そして、ひょいっと愛之助さんがスッポンに乗られるのが見えて、
どっこいしょ、よっこらしょと上がっていきました。
なんか四角がいがんでるなあって思ってたら、やっぱりひっかかりました。
なんか、機械より味があっていいなあって思いました。

そんなこんなでスッポンから登場した忠信。
客席に向かって見得を切って(いたはず)、そのまま舞台へと思ったら、
七三でゆっくりぐるぐるっと回る振り付けがありました。

ラブリンがラブリンが、私を見つめてくださいました(←1000%思い込み)
もう、ラブリンの目に吸い込まれそうな気分というか、何と言うか、
一生あなたについていきますという気分というか。

何せ、ほんとに目があったんだから(←思い込みだってば)。
この席の方は毎回私のような幸せな気分になられていると思います。

そして、2人が舞台に揃って舞われました。
まったくもう、お人形さんのようで、なんとも形容しがたい美しさ。
特に、扇を使って同じ振りをするところ、
とろとろにとろけそうになりました。

そして忠信は、着物を脱いで、浅葱色に金の扇の刺繍の襦袢。
紺色?藍色?のお着物に綺麗なコントラストですわ。

扇は金色に赤っぽい模様がついていました。

何やらここらあたりはお家によっていろいろあるらしいです。

あともうひとつ、カツラも違うらしく、鬢が3本でした。

美しさを堪能していたら、花道からぞろぞろと花四天さん6人と
薪車さんの逸見藤太登場。
さっきのかっこよさと違い、なんともコミカルなヽ(^o^)丿

いや、この道じゃないぞ、いやここだ、と花四天さんの間を行ったりきたり。
花四天さんにそれならわしらについて来いといわれて、
(台詞が6人ぴたっと揃ってました。スゴイ)
はいはいと逸見藤太、いや違うわしについて来いとぞろぞろと舞台へ。

「やれ、静に忠信みつけたぞ。」みたいな藤太の台詞の後、

「星、満々たりといえども月の光に勝つこと叶わず。
ならば手柄にからめてみろ。」と忠信。
ひょ~、かっこいいですぅヽ(^o^)丿

狐の妖術で、花四天にやられる藤太。

そのとき愛之助さんは下手側を向かれているので、
お顔が見えてよかったです。

「ふふふふんっ」って感じのちょっと得意げなお顔がまた良かったです。

忠信に脚を置かれると、なんかへんてこりんな目と口に。

ピエロさんみたいに去っていかれました。

そして、お待ちかねのぶっかえり。
白地に火の玉の模様のあの有名なお衣装。

鮮やかな立ち回りでした。

花道での見得はほんとにもう、私のほうに切ってるの?ぐらいな近さで、
かっこいいったらありゃしない。

そっかえってる花四天さんお2人、すごかった。
私の席は花道の真上。そっかえってる花四天さんのお顔が見えました。
いつもなら、横顔しか見えないのですが、なんか歯を食いしばって
「ううううううう」って。
大変なことなんだなあと改めて実感しました。

そして、狐六方で引っ込み。
花道短いからあっという間でしたけど、それだけ迫力満点でした。


14時40分ごろ終演。


冒頭に書いたとおり、ほんと期待してなかったんです。ごめんなさいですm(__)m

金丸座でもこれ以上いい席は巡ってこないと思いましたが、
今回もすごかった。

ある意味かぶりつきより、お顔が近いんですもの。

ああ、すごかった。


■□■

幕が上手から開いて、下手から閉まっていくんです。

黒御簾が上手にあったんです。

ツケ打ちさんが下手の花道の側にいてはったんです。

吉野山、竹本さんからいつの間にか代わられて、
長唄さんか常磐津さん(ああ、わからない(>_<))が
黒御簾から演奏されてたみたいなんです。

静御前のお衣装が外も内も真っ赤だったんです。
番附けの絵と違います。

なんでなんで?

どなたかこっそり教えてください<(_ _)>

■□■


愛之助さんが口上で言われたように、
この先10年、20年、50年と永楽館大歌舞伎が続いていけばいいなあ。

今年最後の歌舞伎観劇がこの永楽館で良かったです(^^♪

来年も楽しく歌舞伎三昧ができればなって思います(^○^)
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11/3 「大阪平成中村座 昼の部 法界坊」

2010年11月03日 | 歌舞伎
今日(11/3)大阪城西の丸庭園の特設会場で催されている
「大阪平成中村座 昼の部 法界坊」 を観てきました。




ネタばれちゅうい
これからご覧になられる予定の方はご注意下さい


大阪城に入ったらすぐかと思ったら、ずんずん歩いていかないと着かないんですね。
危うく遅刻しそうになりました(^_^;)

とってもいいお天気でよかったです(^^♪

入り口を入るとさながら金比羅歌舞伎のような雰囲気。
歌舞伎関連グッズやお弁当のお店が出ていました。

さて、会場に入ると、お茶子さんがいっぱいいらして
靴袋を渡してくださいました。

中はじゅうたんが敷いてあって、座席も畳の上にお座布団。

背もたれ部分にクッションもあって、仮設劇場とは思えない快適さ♪

目の前の幕が違う!「黒・茶・白」でした。
話には聞いていましたが、なんか新鮮でした。

ちょっとムッとしていましたが、扇風機が回っていて平気でした。

12時ちょうどに開演。

笹野高志さんのナレーションで登場人物の紹介があった後、
本編のはじまり~。

といってみても、何から書けばよいのやら(^_^;)

今回は本当に困っています。

みどころだらけで、全部おもしろかったです。


前半は勘三郎さんと笹野さんのコメディ合戦。
後半は本格歌舞伎デラックスって感じですか?

勘太郎くん、七之助くんは綺麗だし、橋之助さんはかっこいいし、
勘三郎さんは法界坊の汚いお坊さんと、2幕ではかわいい女形、
そして怨霊とみどころ満載。

初めて歌舞伎をご覧になられる方にはオススメですね。
イヤホンガイドも要らないと思います。(って聞いたことないんですが)



う~ん。


扇雀さんをとりあう笹野さん、勘三郎さん、亀蔵さんがはじけまくってました。

勘三郎さんが勘太郎さんに対して「もうすぐ父親になるんだってな、おい。」とか
笹野さんは「こんなに顔をどうやったら白く塗れるんだ!」とか

勘太郎さんと扇雀さんがけんかしてる隙に、一軸を盗もうとする件も大笑いしました。
勘三郎さん、笹野さん最高~!(^^)!


黒子さんもおもしろかったです。
勘太郎さんが一軸を手に入れるために百両を借りるのですが
その証文を書くときに、黒子さんがささささっと勘太郎さんに紙と硯箱をもってくるまでは
なんとなくまだ普通なんですが、代わりに黒子さんが書いちゃう。
グッドサインまでしちゃう。

なんと言っても橋之助さん、最初から最後までかっこよかったです(*^_^*)
強いし、優しいし、かっこいいし。

勘三郎さんに「こうやって決めてるでしょ。鼻がすっとしていて背も高くてねえ。
でも、子供三人もぽこぽこ作っちゃって。」といじられていました。

ずっと、こんなかんじでコントみたいに進んでいくのかと思いきや、
勘三郎さんと橋之助さんのかっこいい立ち回りもあって、ちゃんと歌舞伎になってました。

客席からの登場、二階席から勘三郎さんが上り棒(?)のようなもので、するするするっと
舞台に下りてきたりすることもありました。

1幕目は1時間55分もあったんですが、大笑いしてあっという間に過ぎていきました。


幕間にはお手洗いに行きました。
中村座名物と聞いていたのですが、その言われる訳がわかりました。

階段まで続く長い列だったですが、お手洗い専用お茶子さんが4名いらして
「お手洗いは20あります。すぐご案内しますので2列にお並びください。」から始まって

「まだ20分以上ありますのでね、大丈夫ですよ、あっという間に順番が参ります。」
「1から4の数字が入っています、スリッパもトイレの数だけあります。
いつお呼びしてもいいように心の準備だけしておいてください。」
「終わられましたら、チャチャっと手を洗ってくださいね。
お化粧直しは外のこちらの鏡、先着三名様ですが。近づいたら見えますのでね。」

なんだ、かんだとおっしゃって、並んでいる間のイライラを解消してくださいます。
ここまで来るとプロですね。すごい!

50人ぐらい並んでいたかと思うんですが、10分もかかりませんでした。

他の劇場やイベントでも参考になさって欲しいと思います。

30分幕間後、第2幕

舞台には所作板が敷かれていて、背景は桜。上手に竹本さん、下手に常磐津さんたちがいました。
肩衣が両方桜の模様だったので、一瞬長唄かと思いました。
大体、常磐津さんって茶色じゃないですか。
竹本さんは太棹だったのですぐわかりましたけど、あれ?

すっぽんからどろんどろんと煙が出てきて、殺された七之助くんと勘三郎さんが入れ替わっていました。

舞台には勘太郎くんと扇雀さん。

そこに法界坊と野分姫の霊が合体した勘三郎さん。
側には黒子姿の七之助くん。
どちらがお組(扇雀さん)かわからないというと
勘三郎さんの台詞は七之助くんが言ってました。

扇雀さんと勘三郎さんが同じ踊りをしていると

だんだん怨霊が姿を現してきて…。
野分姫のときは常磐津で法界坊のときは浄瑠璃で。(多分)

そうこうしているうちに怨霊が二人を苦しめているところに
橋之助さん登場。

花四天さんたちが10人くらいわらわらわらわらっと出てきて立ち回り。

そしたら背景の板の上に勘三郎さんと橋之助さんが立ち回り。

そのあとちょっとだけ勘三郎さんが消えたかと思うと
鬼(?)になって再登場。

すると、舞台の後ろがぱーーーーぁっと開いて、大阪城が(見えたはず)!

客席から驚きと感嘆の声と大拍手が入り混じっていました。
その後は花四天さんたちが綱を蜘蛛の巣状に張って、勘三郎さんがダイブ!
糸は出るは、桜吹雪がそれでもかってくらい舞うわで
大興奮のうちに幕が引かれました。

カーテンコールでは客席から平松市長が出てこられ、また盛り上がりました。
客席はもちろん、スタンディングオベーション。
出演者のみなさんは一度大阪城のほうにお辞儀をされてから、客席のほうへ。
黒子だった七之助くんは野分姫の姿になってました。

カーテンコールは2回ありました。


ほんと面白かったです、では言い切れないほど面白かったです。
チケットが即日完売するのも納得です。
よくまあ、普通に取れたなあと、これは奇跡だったんだと今更ながらに驚いています。
私は2階席正面だったので、お城が見えなかったのが残念でしたが
この場に居れただけで幸せだと思いました。

また関西にいらっしゃったら行きたいと思います。
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10/24御園座『第46回吉例顔見世』夜の部

2010年10月26日 | 歌舞伎
一昨日(10/24)名古屋・御園座へ顔見世を見に行ってきました。



見方や知識は別として、年月だけは結構短くない私ですが、
御園座へ行くのは初めて。
それだけでワクワクして、前日のライブから引き続き
自分でもわかるぐらい、むちゃくちゃハイテンションでした\(^O^)/

名古屋駅から地下鉄に乗ってひと駅、伏見(なんか京都みたい)という駅から
出口を出てすぐ、のぼりがぱたぱたなびくビルが御園座でした。

客席では飲食禁止と聞いていたので、始まる前にガッツリ食べておこうと
地下一階の喫茶店で「金鯱ライス」のカレーを食べました。
ただのカレーにエビフライが二匹のっただけなんですけど、
なんか「なごやぁ」って感じがして嬉しくなっちゃいました。
きちんと一口サイズにフライが切ってあって、カレーもコクがあっておいしかったです。(急いでいたので写真を撮るの忘れました…orz)

開幕時間(4時15分)ギリギリに劇場に入りました。
今回は今年でいちばん良い座席。1階の真ん中のほうです。

椅子もゆったりしていて座りやすく、間も広くてびっくりしました。

広さは松竹座ぐらいかな、と思いました。

<1>舞妓の花宴(しらびょうしのはなのえん)←ゼッタイヨメナイ

むちゃくちゃ綺麗でかわいい白拍子の時蔵さんが、桜の舞台で踊ります。

初めは太刀を持ったりして男なんですが、娘になったりして
赤→桃→白とお衣装が替わって、楽しかったです。

途中の音頭みたいな曲が好きでした。
振り鼓がかわいいですよね~。

最後は桜の花びらがちらちら舞う中での舞い。
最高に美しかったです(*^_^*)

久々に時蔵さんの美しさをたっぷり堪能できました。


<2>伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)

・御殿の場

政岡に藤十郎さん、八汐に段四郎さん、松島に萬治郎さん。

仁木弾正の一味に毒殺されまいと、息子の千松とともに
幼い将軍鶴千代を守るためにずっと御殿の中で過ごす乳人正岡。

鶴千代と千松の「お腹が空いてもひもじゅうない」「わしは強い」とか
いう長い台詞。なんだかとっても不憫な気持ちになってしまいました。

そこに、管領の妻栄御前(田の助)が見舞いとやってくる。
わらわらと奥の女(段四郎、時蔵、萬治郎)たちがやってきて
お見舞いのお菓子を鶴千代の前へ。

なんともオールドな女性たち…圧巻でした\(◎o◎)/

その毒入り菓子を千松が食べて苦しんでたら、八汐がグサっと懐剣を喉元に。

「痛いか痛いかぁ~」と剣をぐりぐりぐりぐり。
千松「あぁーーーーーーーーー」

時に歌舞伎って残酷だなあ(T_T)

段四郎さんの女形って、私は初めてのような気がします。
亀治郎さんに姿も声もそっくりで(いや、段四郎さんに亀ちゃんが似てるんですが)、
これ、亀ちゃんがやったらもっとおぞましいだろうなあって思ってしまいました。

誰も居なくなってから、やっと千松の側に駆け寄る正岡。
良かったなあ。


・床下の場

仁木弾正に松緑さん、男之助に翫雀さん。

翫雀さん、むちゃくちゃかっこよかったです。
まっかっかで。(小学生な文章だわ(^_^;)

ねずみさん、トンボきったり楽しかった。

そしたらスッポンにねずみが逃げて、煙がもくもく…
連判状をくわえた仁木弾正が登場\(^O^)/

これでもかっ!ってくらい目が大きくてびっくり(◎o◎)

初めて先代萩を見たので知らなかったんですが、
仁木弾正はひと言もしゃべらないんですね(^_^;)

幕外でゆっくりにらみながら花道を歩いていくだけだったんですね。


<3>身替座禅

蔭山右京に菊五郎さん、玉の井に翫雀さん、太郎冠者に亀蔵さん
千枝、小枝が松也くんと尾上右近くん(*^_^*)

なんでこんなに御園座に来る前からハイテンションだったかといいますと、
この演目が見たくて仕方なかったんです。

もうスゴクないですか!この配役!

予想を100倍上回る楽しさでした\(^O^)/

右京の名乗り?からもうワクワク。

「なんとかして花子に会いたいんですよ~」

菊五郎さんの声、さいこ~っ!大好き♪

表情も愉快でねえ。でも品があって、私もうきゃきゃきゃきゃっと
なってました。


松也くんと右近くんも上品でかわいくて(*^_^*)

ちょっとお下品目の右京をなだめる感じが良かったです。


身替りに座禅を組む振りをするのを拒む太郎冠者に、
斬りかかろうとする右京。

その刀を構えてる型がまた、なんともかっこよくて(*^_^*)

菊五郎さんに惚れまくりです(*^_^*)


そして、花子に会ってきて帰ってくる右京。

でへでへでへでへぇ~と、でろんでろんで、
花道ですってんころりん。

お腹をかかえて大笑いしました。

でも品があるんです。

なんですか、この人はっ!

それから、玉の井とは知らずに花子に会った様子を語る(舞う)右京。

この掛けは花子のなの~、でれでれ。

ムキ~~~~~~っとなる玉の井。

でも恐妻家というだけじゃなくて、翫雀さんのは
かわいらしさも見え隠れしてたような気がします。

ほんと、面白かった。

扇子がお手紙を書いてる紙になったり、すごいなあって。

最後は無理矢理隠れている玉の井の覆いを取って…。

またまた、この二人の間が最高でした。

場内大爆笑!


ほんと、これを見ずして身替座禅を語らずやって感じ。

ますます菊五郎さん大好きになりました。


<4>弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)

さっきの身替座禅の興奮冷めやらぬ間に、今度は菊之助さんの菊之助(^^♪

菊之助さんを「NINAGAWA十二夜」で初めて見たときから、
弁天小僧が観たいなぁって思っていました。

・浜松屋見世先の場

黒い振袖姿の武家娘(菊之助)とそのお供(松緑)が花道から登場したとたん
菊之助さんの美しさにもう「ひゃぁ~、きれいわぁ」(*^_^*)とほれぼれ。
男が女に化けてる設定なんですが、女ですよ、オンナ。

呉服屋浜松屋で反物を選ぶ姿にほれぼれ(*^_^*)

そしたら鹿の子の布を万引きしたとかの段に入ってしまって、
うわ~ん、もう終わりかあ。ってちょっと残念。

ずっと角でお顔つくってはるからなあ。
終わったら、懐紙で顔ずっと隠してるしなあ(T_T)

その間は、松緑さんと亀蔵さんと右近くんのやりとりにほれぼれ(*^_^*)

右近くんは私は立役のほうが好きだなあ。
若旦那がお似合いでした。

布は別のお店のもので賠償金をもらって帰ろうとしたら
日本駄右衛門(團蔵)登場。

「腕の刺青があるから男だろう」みたいな台詞のときに一瞬
菊之助が「ガクッ」としたり、いろいろ芸が細かいなあって思いました。

観念した菊之助の簪がぼてっと落ちて、男に変身!

わかってはいるけど、やっぱりびっくりしたなあ。

見得もかっこいい~(^O^)

こんな近くで初めて見たので、感激でした(T_T)

「こんなの暑くて着れねぇや。あちぃあちぃ」とか言いながら
襦袢をぱたぱた。
男なんだけど、やっぱり見ちゃいけないんじゃないかと思ってしまいました。

そして、待ってました!

「しらざぁいってきかせやしょう」

声がよく通るので、最高ですね。ほんと。
聞いてて、気持ちよかったです。

キセルをくるくる回したり、挿してた簪で煙草をいじったり、
何してもかっこよかったなあ。

最後の松緑さんと花道で坊主が来たら荷物を持つとか何とかの
やりとりも楽しかった。
こぎみよい江戸弁が最高でした。
「わっち」とか。

・稲瀬川勢揃いの場

いわずと知れた白浪五人男勢ぞろいの場です。
それぞれ「白ら浪」と書かれた傘を持って、花道で名のりを上げます。
皆さんかっこよかったんですけど、やっぱり菊之助さんかなあ。
松緑さんも目がおっきくて迫力あったし、梅枝くんもかわいかったなあ。

そして、舞台でまたつらねがあって、立ち回り。

菊之助さんが上手から2番目で、ちょうど私の席が正面になってて
ずっと見てました。

ほんと、かっこよかったなあ(*^_^*)

また、何回でも観たいと思いました。

菊之助さん、最高~\(^O^)/


菊五郎劇団、関西には次いついらしてくださるのかなあ。
待ち遠しいです。
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9/19神戸文化ホール『松竹大歌舞伎 公文協西コース』

2010年09月19日 | 歌舞伎
今日(9/19)神戸文化大ホールで催された『松竹大歌舞伎』を観に行きました。

<1>歌舞伎の見方(14:00~14:40)

中村亀鶴さんが紋付袴姿で客席から登場。

「なかむらきかくです。かめつるではありません。つるかめでもありません。」と
いきなりユーモアトーク炸裂でした。

舞台に3つ椅子が置いてあって、あらかじめ選ばれたお客さん3名に
何かしてもらうとのことでしたが、出てきたのが4名。

何かの手違いだったみたいで、でも亀鶴さん、動じられることなくすんなり進まれました。

3名に中村橋吾さん指導で殺陣をするというもの。

その指導中に亀鶴さんが上手や下手、黒御簾や所作舞台なんかの説明を
流暢にペラペラと優しい口調でされてました。

歌舞伎の歴史については長くなるからと「出雲の阿国については今松竹座で上演中の
『前田慶次』をご覧下さい。」って、チラシ持って宣伝されてました。

最後は3名の殺陣にツケが入って、完成、拍手~。となりました。


<2>鳴神(14:55~16:10)

鳴神上人:中村橋之助 雲の絶間姫:中村扇雀

幕が開くと、浅葱幕前にお坊さんが2人、状況説明の後に
ばさばさっと幕が落ちて、始まりました。
これが、振り落としって言うんですね。初めてかも。

音楽が茶色の肩衣で中棹(多分)だったので、てっきり常磐津かと思って、
番附を見たら、大薩摩だったんですね。
う~ん、やっぱり違いがわからないーーーー。

雲の絶間姫が鳴神上人をくどく件は面白いですね。
それまでは、真面目な台詞劇だと思ってたらいきなり裾を捲り上げて
川を渡る真似。
上人がくらくらして落ちてきたり、だんだん目がいやらしくなったり。

さらに、絶間姫は口移しで気付のお水をあげたり、
癪を起こしたからって胸元に手を入れさせたり。

「ふたつの×××が~。」「それは乳でございます。」みたいな台詞まであって、
ちょっとびっくりしました。

これくらいでどーのこーのする歳でもないんですけど、
荒事ちっくに大げさに言われると恥ずかしくなっちゃいました。

絶間姫が滝壺の縄を切ると、ひょろひょろひょろ~っと太い縄みたいな、
蛇みたいなのが滝を上っていきました。
これが竜神?!ちっちゃい!
もっと、こう、どろどろどろどろって上がっていってほしいなあ。
だれかこの演出変えてくれないかなあ。

雨が降って、絶間姫は花道を引っ込んでいきました。
すごくかっこよかったです。

それから、クライマックスの鳴神上人が怒り狂う件。
髪の毛はぼうぼうに逆立ってるし、隈もすごくなってるし、
ぶっかえりで、炎が燃えたくってる衣装になって
柱巻きの見得とか不動の見得とか、とにかく見得切りまくり。
10人くらいのお坊さんと立ち回りがあったり、
いつものごとく大興奮。

きゃぁーーハッシぃ~

極めつけは飛び六方で引っ込み。
かっこいいたらありゃしない。
今回の席は花道側のブロックでしたので、良く見えてよかったです。


<3>俄獅子(16:30~16:47)

真っ暗からいきなりパッと明るくなって、舞台には鳶姿の亀鶴さん。
ちょっと踊られると、こんどは花道からまた鳶姿の橋之助さんと芸者姿の扇雀さん。
七三でちょっと決められて、いや~、美男美女~。

扇雀さんは扇2枚持って踊られたり、亀鶴さんは獅子を持ったりして
すごく楽しくて明るい踊りでした。

歌詞が知りたいなあ。

おしまいは御三方客席にお礼をされて、幕になりました。

あー楽しかった♪
来年の巡業はどなたかなあ。
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9/5新歌舞伎座『二十一世紀歌舞伎組公演』夜の部

2010年09月05日 | 歌舞伎
今日(9/5)大阪・上本町の新歌舞伎座『二十一世紀歌舞伎組公演』の
夜の部を観てきました。

その昔、近鉄劇場があった跡地に、なんばの新歌舞伎座が引っ越してきました。
上本町YUFURAという商業施設の6階にあります。



若者向けのお店ばかりのビルに商業演劇中心の劇場…。なんだかなあ。


1.太閤三番叟(16:00~16:25)

何やら太閤秀吉が三番叟を舞うというものらしいのですが、
夜の部は北政所(笑也)、側室松の丸(春猿)、淀の方(笑三郎)が
順に舞っていきます。

黒に藤の花の模様の打ちかけの北政所と、
白地に淡い色のお花の打ちかけの松の丸が登場。

美女二人に思わずうっとり(*^_^*)

こんなの初めてなので、なんと言ってよいのやら。

二人の舞が終わってから、淀の方登場。
金の烏帽子に鈴や金の扇を手に、踊られました。

なぜか、また忍びの侍が出てきて立ち回り。

あでやかで、かっこよかった。笑三郎さん。

もう一回観たいです。


2.口上(16:45~17:00)

猿弥 弘太郎 春猿 右近 笑三郎 段治郎 笑也

上記の並びでご挨拶。

笑也さんは3年振りの大阪だそうで、私も久しぶりに女形のお声が聞けて
嬉しかったです。
初めて観たときはあまり好きじゃなかったけど、今は大好きだなあ。
かわいい系のお顔にピッタリのかわいいお声。

弘太郎さんは初めて観ました。
「新歌舞伎座に出させていただいたことはありません。」みたいな正直な挨拶に
笑いが起きてました。

猿弥さんは「大阪が大好きです。はり重のビーフなんとかが大好き。」とか言われて
また笑いをとられてました。

いや~、こうやって歌舞伎組のメンバーだけで杮落としの口上なんて
近鉄劇場で初めて観た時から考えると、ものすごく感慨深いです。


3.連獅子(17:20~18:15)

親獅子の精に猿也さん、子獅子の精に弘太郎さん。

何やら最近石橋モノをよく観ているような気がします。

そのお陰で気がついたのですが、確かこれまで観てきたのは
赤い台が二つあって、最後はそれに載って毛振りして、
親獅子が足を「ダンッ」てして子獅子も終わって、終わったと思うんです。

でも今回は二つの台の上にもう一つ重ねてあって、台の上では毛振りなし。
親獅子のダンッってのもナシ。

台の真ん中に親獅子が、その下に子獅子が来ておしまい。

番附けによると、台を三つ重ねるのはおもだか屋独自の演出で
石橋にみたてているそうです。

しかし、猿也さんと弘太郎さんは昼夜と連獅子されてるんですよね。
お暑い中体調には気をつけていただきたいものです。


4.黒塚(18:45~20:05)

9年前に猿之助さんで観て以来、観たくて観たくてたまらなかった踊りです。
今年1月に右近さんが新橋演舞場でされてたとき、行こうかなと思ってたくらい
大好きな踊りです。
踊りを観てさぶいぼが「びやぁ~っ」と初めて出たのがこの演目。

実は鬼の老女(右近)がススキが生い茂る月の光の下で、
無邪気に踊るさまがすごく良くて。
その時にお琴が「ぽろぽろぽろぽろろん~」尺八が「ふうぉーーーーん」
(全然キレイじゃないですが…)ってなってもう最高なんです。
やっぱり今回も「びやぁ~っ」となりました。

そして鬼の正体がバレてからも右近さん、ものすごく迫力ありました。
花道での仏倒れもすごかった。

阿闍梨祐慶の段治郎さんもかっこよかったなあ。
こういう、正義の味方っぽい役がお似合いだと思う。

「上演中の出入りはご遠慮いただきますのでご了承下さい。」
しきりに、前の幕間でアナウンスされてました。

ありがたい心遣いですね。


杮落としを観ると寿命が延びるとか。
さてはて、どれくらい延びたかなあ♪
コメント (2)
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