天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

平成28年11月 展覧会まとめ

2016年11月27日 | 旅行・お出かけ
今月は毎週末展覧会に行けました。

11/3 若冲画公開 西福寺
何かのテレビで「仙人掌群鶏図」を見て調べてみると、年に1度西福寺で公開されている(雨天なら中止)とのことで楽しみにしていました。
ここ数年の若冲ブームでえらいことやろうなあと思い、大体9時ぐらいからかと予想して、着いたのが9時過ぎ。
門前にはすでに行列。番号札をもらったら74番でした。9時半過ぎぐらいから2,30人ぐらいずつ入りはじめて、10時前には襖絵のある本堂に入らせてもらえました。
金地の襖にニワトリさんが6羽バン、バン、バン、バンっと。めんどりさんのお尻の毛のふわふわ具合に、あごの毛のふわふわ。しかもひよこちゃんまでいますがな。みんな笑ってるし、かわいいっ!
ちょっと待て、欄間も襖に負けずこれまた立派。蓮の花(?)に天女さんがいてます。。お寺の方に尋ねると、これも江戸時代のもので、左甚五郎系列?の作らしく、若冲はこれに合わせて絵を描いたらしいです。一歩引いて、欄間と一緒に見るとこれまた素晴らしいのでした。
髑髏の絵や、蓮池図、山水図も展示されていました。ガラスケース越しではなく、1メートルも離れていない側で、しかも無料とは、ありがたいことです。
絵画に興味を持ち出してから、やっと初めて若冲らしい作品が見ることができた気がします。ニワトリさんは若冲がいちばんやね。
服部天神駅までの帰り道、それらしき人と多分100人ぐらい(団体さんがいたのです)とすれ違いました。早めに行って良かったです。

11/5「蘆雪潑剌」和歌山県立博物館
白浜町草堂寺にある長沢芦雪の壁屏画と紀南のお寺にある芦雪や応挙、若冲の作品を展示。
いろんな展覧会で芦雪の作品は見ていますが、こうして一堂に集まった展覧会は初めて。
芦雪と応挙の襖絵に囲まれた一室はとても贅沢な気分になりました。
「竹鶴図」の鶴さんみんな笑ってる。お目目がかわいい。こんなに笑ってる鶴さんの絵は初めて。
「四睡図」では寒山拾得とその師匠の僧侶(名前失念)が重なって寝ているほのぼのした絵かと思いきや、僧侶の背中に虎さんがもたれて寝てる!かわいすぎ。さらに「六羅漢図」では羅漢さんが虎さんをクッションのようによっかかってます。その虎さんの表情が飼い猫が飼い主のいたずらに嫌々我慢しているのとそっくり。
その他虎や唐獅子や猿の作品もみんな笑ってる。芦雪は絶対動物好きやったに違いない。
かと思えば、墨をばああっんと紙に落としたような岩肌の表現とか、「寒山拾得図」の即興で描いた(とされる)筆使いとかを見ると「奇想の画家」と言われる所以がちょっとわかるような気もしました。
今回は絵画作品だけでなく、各お寺の書物や仏像、明治時代から文化財をどのようにして守られてきたかなどを紹介する資料の展示もあり、勉強になりました。
うううん、芦雪大好きになりましたよ。

11/6 南蛮文化館
5月と11月にしか開いていない南蛮文化館。日曜美術館で紹介されていたので気になって行ってみました。
その名の通り、戦国から安土桃山時代にかけてのキリシタン関係の美術品がところ狭しと並べられていました。螺鈿細工の大きな箪笥とかデーンとソファーに置いてあって「お手を触れないでください」と書かれてもなあ。
2階には南蛮図屏風とか洛中洛外図屏風とか世界地図の屏風とかバーンばーんっと展示されていました。萩焼や瀬戸焼、織部焼の十字架が入った茶碗とか、南蛮兜が面白かったかな。

11/13「壺中之展」大阪市立美術館
開館80周年の記念の展覧会ということで、陶芸や絵画書画、日本、中国など12のテーマに分けそれぞれ選りすぐりの品々を展示。橋本関雪の「唐犬」の笑っている犬や上村松園の「晩秋」でうひょうひょと喜んでいたら、次から次と楽しい作品があり、おしまいのほうでは、満腹、お腹いっぱいに。
桃山時代の肖像画がずら~っとか、光琳や抱一、其一や芳中の琳派の部屋、いちばん楽しかったのが若冲の「蔬菜図押絵貼屏風」がでーんとあり、谷文晁の「木村蒹葭堂像」、狙仙のかわいすぎるお猿さん、北斎の肉筆画「潮干狩図」などなど江戸時代の絵画がならんだ「燗熟の江戸文化」のお部屋でした。
そのほか、美術館の歴史や、コレクションを提供した人々の紹介のパネルがあり、よかったです。

11/19「真田幸村の生涯を彩った人たち」大阪城天守閣
真田幸村をはじめ、関ケ原や大坂の陣で活躍した武将たちの紹介展示。「真田丸」や「真田太平記」を見ていると、ふむふむふむふむ…と唸りたくなるような楽しい展覧会でした。特に石田三成の真田信之宛ての書状。(「さいつ」というのは「真田伊豆守」の略語?)や、大谷吉継の昌幸、幸村あての書状、真田信政の書状などなど、やはり書状が楽しかったです。片桐且元の熊みたいな毛だらけの甲冑も面白かった。

11/19「水滴」大阪市立東洋陶磁美術館
朝鮮時代の水滴の数々。金剛山(くむがんさん)を模したまるで置物のようなものから、さいころみたいな小さいものまでいろいろありました。写真OKだった「青花鉄砂海駝形水滴」が今回いちばんのお気に入りですかね。これも水滴というより動物の置物のようですが。

11/26「鈴木其一 江戸琳派の旗手」姫路市立美術館
師匠の酒井抱一から明治期の近代琳派まで、丁寧な解説で程よい展示数で良く、初期の抱一の賛のあるもの、応挙を模写したという作品もあり興味深かったです。
鳥さんやお花は写実的なのに、絵画としてはシュッとしてスタイリッシュ。まるでポスターのようです。動物たちは笑っていません。ポージングを決めています。伝統的家屋を改装したフレンチやイタリアレストランに似合いそうな作風に思いました。その特徴が生かされていて、私が欲しいなあと思ったのが節句画。雛人形の絵なんですが、描表装でまた本物みたいな蛤がこれまた配置がポスターのようなんですよねえ。琳派が人気あるのがちょっとわかったような気がしました。面白かったです。

11/27「若冲の京都 KYOTOの若冲」京都市立美術館
「とりあえず若冲見たい?ほんなら見せたげますわ、ほれ。」という感じで、鳥やったら鳥ばっかり、鯉やったら同じ構図の鯉ばっかりと水墨画がほとんどの、なんだか不親切な展覧会でした。
お目当ては「狗子図」だったんですが、ものすごい人だかりでゆっくり見れなかったのも残念。
入場者を立ち止まらせないようになのか、作品には全く解説文がありませんでした。
雨の日にもかかわらず、長い列がとぐろを巻いていました。30分ぐらい並んで入場。館内も人だらけで絵を見に来たのか人の頭を見に来たのかわからないほど。すごい人気ですね。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 妙心寺大法院 | トップ | 平成28年12月 展覧会まとめ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

旅行・お出かけ」カテゴリの最新記事