天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

『右門一番手柄 南蛮幽霊』(1929年)

2015年07月26日 | 時代劇(テレビ・映画)
京都文化博物館のフィルムシアターで『右門一番手柄 南蛮幽霊』(1929年)を見てきました。

むっつり右門…嵐寛寿郎
おしゃべり伝六…頭山桂之助
あばたの敬四郎…尾上紋弥

監督…橋本松男
脚色…山中貞雄

南町奉行所の無礼講で「加藤清正の虎退治」を上演中、虎を演じていた岡っ引きが殺害される。奉行所に出かけた八丁堀同心の(多分)むっつり右門だったが、門前で富くじで当たった300両がうなぎ屋で奪われたという男に出会い、下手人探しをすることに。むっつり右門の名推理で二つの事件の下手人は同じ一味であった。

やっとアラカン、嵐寛寿郎さんの作品をスクリーンで見ることができました。
鞍馬天狗だけかと思っていたら、このむっつり右門も代表作だったんですね。
1929年、昭和4年、すごいわあ、むちゃくちゃ昔です。
多分セットなんてほとんど使ってないでしょ、なくらい超自然な風景の数々。お寺(おそらく)の壁とかヒビがいい感じに入っているし、道もいい感じに土やし。木の橋で川は流れていて、蔵屋敷っぽい建物がずらずらずらっと。これ、セットですか?
そして、川には櫂で舟こいでるし。すごく自然やし。

っと、背景にはすごく感動していたのですが、これ、本当の(?)無声映画。音楽も全くなし。途中入る台詞の字幕は旧かな遣いで一部変体仮名のが入ります(でも字体がとってもオシャレ♪)。
むっつり右門、おしゃべり伝六はじめ、ほとんどの人物の顔が真っ白。見得は当然、やたらオーバーアクション気味。歌舞伎を見ていて、江戸時代から戦前の小説を読んでいるから何とかなったものの、こりゃハードル高いなあと思いました。
でも、生演奏が入って、弁士さんがあれば楽しいのかも。
お話もご都合主義満載。そして結局、あばたの敬四郎に捕まった冤罪の二人や富くじの300両の男の人はお金戻ってきたん?の結果もわからずじまいでした。

最近、見たい歌舞伎がなく見ていないので、久しぶりに歌舞伎見た~っ!って気分になりました。いい勉強になりました。
できれば無声映画でバンヅマさんとか長谷川一夫さんとか大河内傳次郎さん、千恵さんとか見たいなあ。

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